#59 科学研究費(2016/5/12)

2013年の日本の民間・政府を含めた科学研究費(以後、研究費)は18兆1336億円。GDP比率は3.75%となっています。ゆるやかに増加を続けていますが、リーマンショックで10%ほど減少した後、やっと以前の水準近くまで戻ってきたところです。

・日本の研究費 ざっくり18兆円(GDP比3.8%)

年次が多少ずれますが、他の主要な国と比較すると

1.アメリカ 36.2兆円*

(2.EU-15 33.7兆円)

2.中国   18.7兆円

3.日本   18.1兆円

4.ドイツ  10.7兆円

5.フランス 6.4兆円

韓国*、イギリス、ロシア、インドと続きます。どの国とも増加傾向にありますが、中国の増加が著しく、5年間で3倍以上となっています。データが2013年のものなので、中国はすでにアメリカに迫るところまで来ているかもしれません。

GDP比率で見ると

1.韓国   4.15%

2.日本   3.75%

3.ドイツ  2.94%

4.アメリカ 2.81%

5.フランス 2.23%

中国、イギリスと続きます。

イギリス、フランスは研究費のGDP比率が減少傾向にありますが、それ以外の国々はどこも増加傾向にあります。特に著しいのが韓国で10年ほどの間に2倍ほどになっています。

日本の場合、支出元別に見ると国・地方公共団体が3.5兆円(19.5%)、民間企業が14.5兆円(80%)、外国0.1兆円(0.5%)。

・日本の研究費(支出元別)

 民間14.5兆円(80%)、国・公共団体3.5兆円(19.5%)

支出側を見ると研究主体別に70%が民間企業で、20%が大学など、10%が公的機関・非営利団体となっています。

・日本の研究費(研究主体別)

 民間70%、大学20%、公的・非営利団体10%

各国あまり大きな差がないのですが、イギリスは大学の比率が高く26%が大学などの研究費となっています(大学が強い一方で、化学・製薬をのぞく製造業が強くないという背景もあるんでしょうか)。一方で中国や韓国は大学の比率が低く(それぞれ7.2%、9.5%)民間企業のの比率が高く(それぞれ76.6%、77.9%)となっています。ロシアやインドは政府関係の比率が高く、ロシアは30.3%、インドにいたっては6割以上(60.5%)が政府関係となっています。

個人的には日本の研究費はかなり落ち込んでいると思っていたのですが、実際はそうでもなくて正直ちょっと驚きました。どこに使うかという問題ということですかね。

*アメリカは2012年の数字。韓国は人文・社会学系の研究費用は含まれていません。

添付画像:科学技術要覧平成27年版 主要国等の研究費の推移(IMF 為替レート換算)

SOURCE:

文部科学省 科学技術要覧平成27年版 

http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/006/006b/1363059.htm

総務省 平成27年科学技術研究調査

http://www.stat.go.jp/data/kagaku/kekka/

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