#212 感染症病床数 - 今日のざっくりReturns

2020年8月15日 17:11

新型コロナウイルス（COVID-19）が世界で猛威を奮っていますね。今日もリモートワークで仕事という方も多いのではないでしょうか。ということで、今日は感染症病床数（感染症指定医療機関の感染症病床数）についてのざっくりです。

感染症指定医療機関には特定、第一種、第二種の３種類がありそれぞれが保有する感染症病床数は
特定　　10床
第一種　103床
第二種　1078床
合計　　1191床
となっています。全国で1200床に満たないんですね。

●感染症病床（結核病床除く）ざっくり1200床

加藤厚労相が1800病床と言っていましたが、おそらくこれは感染症指定医療機関が保有する結核病床、一般病床を含んだ数字になっていると思われます。

感染症は一類感染症、二類感染症、新感染症などに分類され、特定感染症指定医療機関はこれらすべての感染症、第一種は一類と二類、第二種は二類の感染者を入院させるための指定機関になります。

第一類感染症：エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、ペストなど7つ
第二類感染症：SARSコロナウイルス、鳥インフルエンザ、結核など
新感染症：該当なし（既知の感染症と症状などが明らかに異なり、かつ危険性が極めて高い感染症）

細かな指定要件があるのですが、ざっくりいうと第二種感染症病床は飛沫感染・接触感染の対策がとられていて、特定・第一種は空気感染も対象とした設備になっています。

都道府県別に感染症病床数を見てみると、多い方から
東京都　　118　　
北海道　　94
大阪府　　76
神奈川県　74
愛知県　　72
埼玉県　　70
福岡県　　66
千葉県　　58
群馬県　　52
兵庫県　　50
となっています。ほぼ予想通りという感じでしょうか。

一方少ない方は
高知県　　11
鳥取県　　12
山形県　　18
石川県　　20
福井県　　20
富山県　　22
徳島県　　23
三重県　　24
佐賀県　　24
奈良県　　24
となっています。高知県は東京の1/10よりも少ないんですね。

現在、感染が広がっている新型コロナウイルス（COVID-19）は感染症法上は指定感染症という分類で扱いは第二類感染症と同等となっていますので、基本的には感染が確認されるとこれらの感染症病床に入院することとなります。（現在のガイドラインでは感染が確認されると症状によらず入院となるようです）

COVID-19の感染が確認されている都道府県の感染症病床数から昨日までの感染者数を差し引いた数（ざっくり残っている病床数ですね）をいくつか見てみると

高知県　　4 （感染者数7）
北海道　　11（感染者数84）
石川県　　14（感染者数6）
愛知県　　15（感染者数57）
和歌山県　18（感染者数14）
神奈川県　42（感染者数32）
大阪府　　60（感染者数18）
東京都　　86（感染者数51）

退院した方の数を確認できていないのですが、北海道が非常事態宣言を出したのも理解できますね。高知県はもともと感染症病床が11床しかないのでこれ以上増えると一般病床への入院などの検討が必要になりそうです。

また、ダイヤモンド・プリンセス号の感染者を長野県、静岡県、東京都、群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県、千葉県、山梨県で受け入れていますので、それらの都県はこれ以上に残りの病床数が少なくなっていると考えられます。東京都ですら結構逼迫しているのではないでしょうか。

ここ1−2週間が瀬戸際とのことで政府、自治体、民間企業が急ピッチでさまざまな対策・対応を打っています。私たちも不要不急の外出を控えるなど感染を少しでも遅らせて医療機関の破綻を招かないようにしなくてはいけませんね。
大変な時期ですが乗り越えていきましょう！

Source
感染症指定医療機関の指定状況（平成31年4月1日現在）
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou15/02-02.html

第二種感染症指定医療機関の指定状況（平成31年4月1日現在）
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou15/02-02-01.html

医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド　第 2 版
http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide2.pdf

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