買う人こそ、売る人の頭で値段の根拠を考える

スモールビジネスのプライシング(値付け)の問題を考えるのは、なんだかとても楽しい。

セミナーとか、noteとか。

いろいろなアプローチがあるだろう。

最近の主流は、「自分を安売りするな」「まずはいくらもらいたいか決めよう」的な、「自信持とう」路線だ。

半分賛成だ。

卑屈になったらいけない。

たくさんお金を払える層を相手にするなら、高額なのもいい。

ただ。

中身ないのに値上げしまくるのは、長期的にマイナスだ。

「お客様が満足していれば、それは不当に高いとは言えない」という話と、「だからお客様が満足すれば、本当は提供価値がなくてもいい」という話はつながらない。

僕は「Soreo」という株式投資をやっている(1回数千円)が、そのスライドを「なんちゃってマネー専門家」にあげたら30万円以上の講座をつくるんじゃないかと思う。(自慢)

30万円にしたら、超本気で資産を形成したい人が集まるだろうし、満足もしていただけるだろう。

僕が今セミナーで儲けたいなら、そういう値段にする。

ただ、参加者目線で見たときの、投資回収はだいぶ先だ。

30万円を上回る(偶然ではない)リターン。

数年かかる。

これは、本当にいい投資だろうか。

世の中の高額講座は、投資回収に10年以上かかりそうなものばかりで、それは投資脳があれば「いい投資ではない」ことがわかる。(偽者の人たちがやっている講座に至っては、永久に回収できないものもあるだろう)

主催者側の、お金を儲けたいというニーズを、僕たちが満たしてあげる必要はない。

買う人こそ、たまに売る側の論理で「なぜこの価格なのか」と考えてみるといいかもしれない。

売る側「講座を作るのに多大な経験と労力が裏にあるからこの値段なのだ」

買う側「OK。理解した。じゃあ、それを買ったら投資回収はいつできるだろうか。」

売る側「あっという間に100万円利益が出ている人もいるから、30万円は高くない」

買う側「それは本当だろうか。何人の人が参加して何人の人が100万円利益を出したのだろうか。偶然ではなくそうなるには、どれくらい時間がかかるだろうか」

ちなみに、「『参加したい!』と思ったらチャンスを逃さずすぐに申し込むべし」というのは、売る側が(売るために)作り出した成功法則(らしきもの)だ。
そんな理由の浪費をなくすだけで、お金はふえる。

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