『Based on a True Story』

自分のことを好きなだけ話す Advent Calendar 2022の22日目の記事です。

この文章は小説の『Based on a true story』と対になるものとして書かれています。小説として書いたものに対して、こちらは演出を減らした文章です。小説の方はシリーズとして今後も書いていくので、是非そちらも読んでください。

本文:

シリーズ:

ここのところ、ブログなどで自分の気持ちを書くのが苦手になりました。素直にかけないというか、どうしても流れをきれいにまとめようとして、自分の思っていることとは違ってしまうのです。それを自分の考えとして出すのに抵抗があります。

しかし、文章を書くのは好きです。文章にしたい感情や思いはあるのだけれど、それを自分の素直な感想だと思われるのには抵抗がある、ということで、小説という体裁でこの『Based on a true story』を書いています。独立した短編集で私小説ということにしていますが、内容はほぼ実体験そのままだったり、ほとんどフィクションだったりと色々です。

エンジニアをやっていると、文章を書く必要性がある場面はそれなりに発生します。しかし、それは技術的な記事だったり、プロジェクトの説明だったりと、目的のある文章です。はっきり言って、そういう文章を書くのは楽しくありません。文章は手段であり、書きたい文章を書くのはではなく適切な書き方をしなければなりません。でも、私は、なんの目的もない、なんの役にも立たない、文章表現のためだけの文章を書きたいのです。

小説でも、ストーリーやキャラクター重視のものは、やはり本当に書きたいものとは少し違います。ただ、文章を書きたいのであって、別にキャラクターを書きたいわけではありません。そうなってくると、純文学というものを書くということになります。

純文学を書いたと宣言することにはなかなか抵抗があります。純文学という言葉は、立派な芸術作品にしか使えないんじゃないかと気がします。でも、純文学というジャンルの定義を考えると、文章表現のためだけの小説はたとえ下手でも純文学と言えるでしょう。

『Based on a true story』シリーズは純文学の短編集であり、書きたいことを好きなように書いて投稿できる場所として作りました。執筆中のものもいくつかありますし、これからも定期的に書いていきたいと思っています。

話は変わって、創作について。

小説に限らずですが、創作というのは供給過多であり、基本的にはほとんど誰も見てくれません。ほんとうに見られません。PV 一桁なんて普通です。

でも、創りたいものを創ることは、本来それ自体が幸せなことです。それに、PVが完全にゼロということは意外となく、誰かは見ているのです。twitter に流したり、あるいはこのような企画の場を使えばもう少し多くの人に見てもらえるし、何人かはそれで感情を動かされたりします。知らない人のポエム的なブログを読んでなにかを思ったりしたことが、きっとあることでしょう。その手の感動に技量はあまり関係ないものです。それはその人にしか、書けないものです。

みんな何かを見て小さな感動を感じても、それに対してコメントを書くなどのアクションをあまり起こしません。数字が増えなくても、反応がなくても、実はすごく好きだと思われていることは、結構あります。だから、見られているかなんて気にしないほうがいいのです。数字に現れなくても、もしかしたら知らない誰かに小さな感動を与えているかもしれません。

創作を続けていれば、ものすごく稀に、感想をいただいたりすることもあります。そのときの嬉しさは代えがたいものです。自分の創ったものを見て知らない人にわざわざ感想を伝えたいと思うくらいには、その人に何かを与えられたわけです。これほど嬉しいことは、人生でもなかなかありません

そういうわけで、今後も楽しく小説を書きたいなあと思います。何人かが読んでくれて、ひとりかふたりでもなにか感じてもらえるならば、限りなく幸福なことです。


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