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型月円卓好きに贈る『アーサー王物語』のススメ(196):死ぬほど長いトリストラム卿の冒険~マーク王の手紙~

前回までのあらすじ:手紙のやり取り。

マーク王の手紙(第27~28章)

アーサー王にはこの手紙の趣旨がよくわかったようだ。モルガン・ル・フェがグィネヴィア王妃とラーンスロット卿について言った事についても思い出したようだ。
だがモルガン・ル・フェは長年自分に敵対しているので、結局その考えを頭から払った。

<ツッコミ>
マーク王にまでグィネヴィア王妃とラーンスロット卿の関係がバレている……。
こいつらもう少し関係を隠す努力をしろよ。

更に手紙を読むと、マーク王は最後に生涯トリストラム卿を敵とみなすと書いてあった。
アーサー王はマーク王にキレた。

<ツッコミ>
クソカス王!!!!!
堂々と聖書に誓った事を翻すな!!! それでもキリスト教徒かテメエ!!!!

グィネヴィア王妃も手紙を読んでキレた。手紙にはグィネヴィア王妃とラーンスロット卿の恥ずべき事について書かれていたらしい。
グィネヴィア王妃はこの手紙をラーンスロット卿にこっそり送った。

この手紙を読んだラーンスロット卿はキレて寝た。これが立派な騎士として正しい行いらしい。
ふて寝って騎士として正しいんだ……知らんかった……。

ラーンスロット卿が眠ってしまったのでディナダン卿はこっそりその手紙を抜き取って読んだ。
ディナダン卿はキレて悲しんだ。起きたラーンスロット卿はまた手紙を読んでキレた。


ディナダン卿「ラーンスロット卿どの、あなたは何を怒っておられるのです? どうぞわたしに、胸のうちを明かしてください。
わたしが、いつもあなたのためを考えていることは、おわかりでしょう。わたしはただの騎士で、あなたや立派な騎士たちのためにお仕えする身です。
わたし自身は名誉ある騎士でも何でもありませんが、名誉ある騎士を尊敬します」
ラーンスロット卿「それはそうだ。あなたは信頼のおける騎士だから、信用してわたしの考えを話そう」
(かくかくしかじか)
ディナダン卿「わたしの考えはこうです。この脅しに対しては、何もなさいませんように。マーク王はとてもずるがしこい人ですから、まともな口をきいたところで何にもなりません。
そのかわり、わたしがやることを見ていてください。わたしがマーク王のことを詩に歌いましょう。それができあがったなら、王の前でハーブ弾きに歌わせましょう」


そしてすぐにディナダン卿は詩を作ってエリオットというハーブ弾きに教えた。
この酷い悪口の詩はエリオットから他のハーブ弾きに伝わり、あちこちで弾かれた。

ここで話はトリストラム卿とマーク王に戻る。
トリストラム卿は馬上槍試合に参加し負傷していたが、しっかり褒美は勝ち取っていた。
そのため休息を取ろうと、コーンウォールの城に住んでいる家令のディナス卿のところに行った。

だがその時、サクソニーから総司令官イライアスが率いる大軍が押し寄せ、ティンタージェル城の近くに進軍してきていた。
敵軍が自分の領地に侵入してきた事を知ったマーク王は悲しんだ。死ぬほど憎んでいるトリストラム卿に自分から助けを求めるのが嫌だったらしい。

<ツッコミ>
ええ……あんな事しておいて助けを求めたら助けてもらえると思ってんの……?
正気か???どんだけ面の皮厚いの?

だが重臣たちが集まって会議をした結果、敵軍は相当強いという事がわかり、結論をマーク王に伝えた。


重臣たち「王よ、あの立派な騎士のトリストラム卿に助けを求めなければなりません。でないとこの戦は勝てないでしょう。
トリストラム卿なら戦えますが、でなければ、わたしどもは流れに逆らって船を漕ぐようなものです」
マーク王「よかろう。そなたたちの言うとおりにしよう」


こう言っているが、マーク王は気が進まなかった。
それでもトリストラム卿を呼び寄せるしかなかったのだ。マーク王ぴえん。

マーク王は使いをトリストラム卿に送り、彼を呼び寄せた。
到着するとマーク王はこう言った。


マーク王「甥のトリストラム卿よ、こうなのだ。サクソニーから敵が攻め入り近くまで来ているのだ。すぐにでもこれを迎え撃たなければ、敵にこの国はめちゃめちゃにされてしまうだろう」
トリストラム卿「王よ。仰せのとおりにいたしましょう、力の限り。しかし傷が治っておりませんので、八日間は武器が執れません。八日経ちましたら、できる限りのことはいたします」
マーク王「よかろう。では帰って休養をとり、傷を治してほしい。わたしは力の限りサクソニー人と戦おう」


こうしてマーク王はティンタージェルに向かい、トリストラム卿も傷を治すため帰った。

マーク王は大軍を組織し、それを三つに分けた。
第一軍:家令ディナス卿指揮
第二軍:アンドレッド卿指揮
第三軍:アーギス卿(マーク王親戚)指揮

サクソニー軍も三つの部隊から成っていて、勇者が大勢いたらしい。
マーク王は騎士たちの進言に従い、ティンタージェルから敵に向かって打って出た。
ディナス卿は強い騎士なので、先頭で二人殺した。これで戦いが始まった。
マーク王軍の中でディナス卿がいつも最高の働きをしたらしい。
だがマーク王とディナス卿は味方が大勢殺され、ティンタージェル城に退却する事になってしまった。
サクソニー軍は後を追ってきて門の中に10人入り込んだが、そのうち4人が落とし格子で殺された。

<ツッコミ>
ギロチンみたいな殺され方したんだな……。

マーク王はトリストラム卿に使いを出し、この事を伝えた。
しかしトリストラム卿は使者にこう言う。


トリストラム卿「わたしは傷が治り次第、すぐに行くとマーク王に伝えてくれ。それまでは何ともしてあげられないのだ」


マーク王は返事を受け取ったが、そこにイライアスがやって来て、城をよこせと命じてきた。


イライアス卿「もうおまえたちには持ち堪えられまいから」
マーク王「イライアス卿よ。援軍がすぐに来なければ、城は明け渡すほかはなかろう」


マーク王はもう一回トリストラム卿に援軍を頼んだ。
トリストラム卿はようやく傷がほとんど治り、アーサー王の騎士10人ほどと一緒にティンタージェル城に向かっていた。
サクソニー軍がめちゃくちゃいる事に驚いたトリストラム卿は、こっそり城の門に近づくも普通に見つかる。
だがそこはトリストラム卿なので4人ほど殺した。10人の味方も敵をボコし、無事城内に入ったのである。

マーク王始め、味方はトリストラム卿が来た事に大喜びだった。

<ツッコミ>
さすがトリストラム卿、つよんい。
さすがマーク王、恥の心が一切ない。

こうしてトリストラム卿が到着した。これはもう次回はトリストラム卿VSイライアス卿で決まりだな!

では、また次回。

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