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型月円卓好きに贈る『アーサー王物語』のススメ(222):死ぬほど長いトリストラム卿の冒険~アーサー王の落馬~

前回までのあらすじ:ぴえんするパロミデス卿。

アーサー王の落馬(第79~80章)

トリストラム卿は試合場に行く時間になったので、パロミデス卿を起こした。
今度は真紅の装いにそろえてイソード王妃を僧院に連れて行った。

<ツッコミ>
行く時間に起こしたら遅いだろ!!!!!!
待ち合わせ時間に電話したら「今起きた」って言い出すタイプか????

最初に戦いを始めたのは、パロミデス卿と円卓の騎士カイヌス卿だ。

<ツッコミ>
待ち合わせ時間に起きたのに!?!?!?
他の連中も全員寝坊したのか!?!?!?

パロミデス卿はカイヌス卿を突き落としたのを皮切りに、他の騎士もぶちのめし出した。
パロミデス卿を賞賛する声も上がる。


アーサー王「見ろ。向うにみえるパロミデス卿は、自分を見せる武芸を演じているようだぞ。
ほんとうにパロミデス卿は素晴らしい騎士だな」


そこでトリストラム卿がやってきた。ケイ卿を早速ぶちのめし、他の騎士も叩きのめしていく。
パロミデス卿の賞賛の声はトリストラム卿に移っていった。


ラーンスロット卿「さて、どうですか。あそこに自分の技量を発揮している騎士がいます」
アーサー王「そうだな。今日はあの二人の騎士の素晴らしい活躍ぶりが見られるわけだな」
ラーンスロット卿「だが、王よ。一方の騎士は嫉妬心から、高貴な騎士のトリストラム卿を法外にも超えようとして待ち、無理に自分を仕向けています。
トリストラム卿の方ではその嫉妬心にすら気づいていません。トリストラム卿がしていることは、みな純粋な騎士道精神からのものなのです」


ガレス卿とディナダン卿もその日は立派に戦った。
ここでアーサー王とラーンスロット卿が乗り込んできた。
だがトリストラム卿はアーサー王と知らずに突き落としてしまう。
ラーンスロット卿はアーサー王を助けようとしたが、一気に群がられて引きずり降ろされてしまった。
アイルランド王とスコットランド王はアーサー王とラーンスロット卿をどうこうする話をしていたのだが、ラーンスロット卿はそれを聞いて飢えたライオンのように暴れ出した。
誰も近づけないほどだ。

<ツッコミ>
こわ……やっぱり災害だよ……。

ここでエクター・ド・マリス卿が入ってきた。パロミデス卿もボコり馬を奪おうとしたが、ラーンスロット卿が乗る前にパロミデス卿が馬に飛び乗った。
だがエクター・ド・マリス卿はちゃんと他の馬をラーンスロット卿に持ってきた。
馬に乗り直したラーンスロット卿はまた暴れだす。

トリストラム卿はパロミデス卿、ガレス卿、ディナダン卿を呼んだ。


トリストラム卿「わが同志の者たちよ、よく聞いてほしい。わたしはアーサー王の側につくことにした。というのはあんなに少数なのにこれほどよく戦っているなんて、これまでに見たことがないからだ。
円卓の騎士として、主君アーサー王と高貴な騎士のラーンスロット卿が不名誉な負けをするのを見ているなんて、われわれの恥だと思うのだ」
ガレス卿&ディナダン卿「そうするのがいいでしょう」
パロミデス卿「最善を尽くしてください。わたしは最初に入った味方側から離れませんが」
トリストラム卿「それはわたしのせいだろう。だがあなたの幸運を祈ろう」


こうしてパロミデス卿と別れ、トリストラム卿、ガレス卿、ディナダン卿はラーンスロット卿側についた。
ラーンスロット卿側はどんどん有利になっていく。


パロミデス卿「ああ、悲しいかな。今日のようなめぐりあわせになるなんて、今まで得た栄誉をすっかり失ってしまった」


パロミデス卿は泉まで引き上げ、狂ったようにぴえんした。

観客たちは栄誉がトリストラム卿のものかラーンスロット卿のものかで意見が別れた。


トリストラム卿「諸公方よ、わたしに栄誉をお与えくださろうと言うのは、たいへんにありがたいことと思います。
だがこのたびの栄誉はどうぞランスロットにお与えくださるよう、心からお願いいたします。わたしの賞賛もラーンスロット卿におくります」


ラーンスロット卿はそれを受けなかったので、二人が栄誉を受ける事になった。

試合が終わったので宿舎に戻ったのだが、ブレオベリス卿とエクター・ド・マリス卿はトリストラム卿一行と一緒にイソード王妃の天幕に向かった。

一方ぴえんしているパロミデス卿は、ウェールズ王とスコットランド王にその醜態を目撃されていた。


王二人「ああ、気の毒に。あなたのような高貴な騎士がこのように取り乱しておられるとは」


王たちは親切にもパロミデス卿をトリストラム卿のところまで一緒に行ってくれた。


パロミデス卿「どこにいるのだ。リオネスのトリストラム卿よ?」
ディナダン卿「殿よ。あれは、パロミデス卿だ」
トリストラム卿「どうしたのだ、パロミデス卿、われわれの中に入ってこないのか?」
パロミデス卿「恥を知るんだ、この裏切り者。よく聞けよ、もし今が夜でなく昼だったら、この手でそなたを殺すところだ。今度会ったら必ず殺して やる、今日したことのお返しにな」
トリストラム卿「パロミデス卿よ。そなたは誤解しているのだ。わたしと同じようにしていたら、名誉は得られたであろうのに。だがそなたがそんなにしてくれるのだから、これからは気をつけるようにしようか」
パロミデス卿「恥を知るんだ。この裏切り者め」


パロミデス卿は去っていった。

<ツッコミ>
パロミデス卿、おこ。
トリストラム卿の言い方もちょっと煽りっぽくてどうかと思う。

翌朝トリストラム卿はブレオベリス卿、エクター・ド・マリス卿、ガレス卿、ディナダン卿とともにイソード王妃を喜びの城まで送り届け、一週間ほどそこで休息を取ったのだった。
アーサー王とその騎士たちもキャメロットに帰る。
一方パロミデス卿は、待っていてくれた王二人と一緒に馬を進めながら、悲しみに暮れた。
イソード王妃と別れる事、トリストラム卿の仲間でなくなる事だ。

<ツッコミ>
親切で寛大なトリストラム卿に対するパロミデス卿の愛憎……イイ!

では、また次回。

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