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型月円卓好きに贈る『アーサー王物語』のススメ(208):死ぬほど長いトリストラム卿の冒険~トリストラム卿救出~

前回までのあらすじ:マーク王がクソカスすぎて裏切られそう。

トリストラム卿救出(第51~52章)

サドック卿の顔を見た瞬間逃げ出したヘタレクソカスマーク王は、ティンタージェル城に逃げ帰り戦闘準備をさせた。
あと甥たちの死体も探して埋葬した。

だがここでマーク王にライオネスの国でサドック卿とディナス卿が決起した事がバレた。
そこでマーク王は考えた。
教皇からと言って偽の手紙を作り、顔バレしてない聖職者に届けさせる。
手紙の内容は「マーク王は軍隊を率いて教皇のところへ行き、教皇を助けサラセン人と戦うためにエルサレムへ行け。違反すれば破門」となっている。

<ツッコミ>
突然の十字軍。
この手紙がどういう意味を持ってくるのか、これから見ていこう。

この手紙をマーク王はトリストラム卿に見せて、このように伝えた。
「もしもトリストラム卿に異教徒と戦う気があるならば、牢屋から出して自由にしてやり、軍隊をつけてやろう」と。

<ツッコミ>
トリストラム卿に?
嫌な予感。

トリストラム卿は手紙を読み、手紙を持ってきた聖職者にこう言った。


マーク王「ああ、マーク王、あなたはこれまでにわたしを裏切り、これからも裏切るつもりなのか、ああ、聖職者よ。マーク王にこう伝えてくれ。
教皇はマーク王に参上するよう要請されたのだから、ご自分で行くがいいと言ってくれ。
それから王にこうも言われたい。王は裏切り者であるから、わたしは王の命令では決して行かない。
牢屋は出られるときには出る。心からの奉仕は必ず報いられるものと信じているから」


<ツッコミ>
さすがのトリストラム卿もマーク王を信じられなくなったようだ。
もっと早くそうなってほしかった。

聖職者はマーク王のもとに戻って返事を伝えた。


マーク王「なるほど。しかしどうしても騙してやるからな」


マーク王はすぐに教皇がトリストラム卿の参戦を望んでいるという手紙を捏造した。
聖職者がこの手紙をトリストラム卿に渡すと、普通にマーク王の捏造だとバレた。


トリストラム卿「ああ、マーク王、これまでわたしに嘘をついてきたのに、最後まで嘘をつく気か」


<ツッコミ>
マーク王、クソカス度がどんどん上がっていく。

この時、ティンタージェル城内に4人の騎士が負傷していた。

・首が今にも離れんばかりに切られている
・腕が取れかかっている
・槍が貫通
・太ももが二つに折れている

<ツッコミ>
これ「4人の負傷者」じゃなくて「3人の負傷者と1人の死者」では?
首がほとんど取れかかってるのに喋れるのは『忍者と極道』の登場人物かほとんど首無しニックくらいだよ。

この3人の負傷者とほとんど首無しニックはマーク王に叫んだ。


「王よ、なぜお逃げにならないのですか? 国じゅうが公然と反乱を起こしています」


マーク王はブチギレた。

<ツッコミ>
あーあーあー。自業自得だよ。
マーク王もようやくおしまいかね。

ここでパーシヴァル卿がトリストラム卿を探して国にやってきた。
そしてどこからかトリストラム卿の行方を聞いたらしい。
パーシヴァル卿は見事トリストラム卿を解放した。


トリストラム卿「しばらくこの国にとどまれるのでしたら、ご一緒いたしますが」
パーシヴァル卿「いえ、この国にぐずぐずしているわけにはいかないのです。わたしはウェールズに行く必要があるのです」


<ツッコミ>
トリストラム卿だけ助けてどっか行った……。

こうしてパーシヴァル卿はトリストラム卿と別れ、マーク王のところに寄った。
トリストラム卿を解放した事を報告するためである。


パーシヴァル卿「王がトリストラムを牢屋に入れたことは、王にとり極めて恥ずべきことである。
というわけはトリストラム卿はいまこの世でもっとも尊敬されている騎士であり、それにこの世でもっとも尊敬されている騎士たちがトリストラム卿に持っているのは確かです。
もし彼があなたと戦う破目にでもなったら、あなたは持ちこたえられないでしょう」
マーク王「それは確かだ。だがわたしにはトリストラム卿を愛することができないのだ。なぜならトリストラム卿はわが王妃美しきイソードを愛しているからだ」
パーシヴァル卿「何と恥ずかしいことを。そんなことは決して言ってはいけません。あなたはトリストラム卿の叔父ではありませんか。
トリストラム卿のような立派な騎士である自分の甥が、叔父の妻を慰みものにするという罪を犯しているなどと考えてはなりません。
とはいえ、トリストラム卿が罪なき愛を王妃に捧げることはあり得ることでしょう。王妃はこの世でもっとも美しい婦人だと言われているのですから」


<ツッコミ>
うん、トリストラム卿を庇ってくれてありがとうね。
でもマーク王の言う通りなんだよ。
あいつイソード王妃とイチャイチャしてるくせに同名の女と結婚した浮気野郎なんだよ。

パーシヴァル卿はマーク王のもとを去った。
その前にトリストラム卿に決して危害を加えないようマーク王に約束させたのだが、マーク王がそんなもの守るわけがない。

マーク王はディナス卿に兵を鎮めるよう言った。ローマ教皇のため自ら異教徒と戦うという誓約書を送ったのである。
もちろん嘘っぱちなのだが、ディナス卿は兵を解散させてしまった。
この隙にマーク王はイソード王妃と一緒にいたトリストラム卿を捕まえて牢屋に入れたのだ。

<ツッコミ>
うわーい、本当にクソカス。
もうこいつの言う事は何一つ信じるべきじゃねえ。

イソード王妃はトリストラム卿が牢屋に閉じ込められたと聞き、ひどく悲しんだ。
そんな彼女にトリストラム卿から手紙が届く。
「もしできることならあなたと自分のために船を一艘用意してほしい。一緒にログリスの国(イングランドのこと)に行きたいのです」とあった。
イソード王妃は「どうぞ安心してください。必要なものはぜんぶ用意しますので」と返事を書く。
そしてサドック卿とディナス卿に頼んで、トリストラム卿とイソード王妃が逃げ出すまでマーク王を捕まえておく手はずとなった。

計画はうまくいった。トリストラム卿は解放され、二人はログリスに出発したのであった。

<ツッコミ>
逃亡成功!!!!
もう二度と帰るなよ!!!

無事ログリスについたトリストラム卿はアーサー王が馬上槍試合を催すという噂を聞いた。
そうなればトリストラム卿のやる事は決まっている。
変装して円卓の騎士をボコすという最悪な趣味だ。

ラーンスロット卿はそれを見て相手に喧嘩を売ろうとしたが、イソード王妃は相手が誰かを知らせるために指輪を届けた。
おかげでラーンスロット卿は相手がトリストラム卿だとわかり、戦いを回避したのである。

<ツッコミ>
イソード王妃、気が利く~~~!!!
美人な上に気が利く、そりゃモテるわな。

ラーンスロット卿はトリストラム卿を追っていき、再会を喜ぶ。
それからラーンスロット卿はトリストラム卿とイソード王妃を、自分の城である喜びの城に案内した。
この城はラーンスロット卿が自分で勝ち取ったものらしい。それを二人に貸してくれたのだ。
装備も整ってるし、部下にも自分と思って二人に仕えるよう言ってくれたらしい。

<ツッコミ>
めちゃくちゃ親切~~~~。
さすがラーンスロット卿だぜ!

その後ラーンスロット卿はアーサー王のもとへ向かい、トリストラム卿の事をグィネヴィア王妃に報告した。
それをグィネヴィア王妃はアーサー王に伝える。アーサー王は喜び、トリストラム卿のために喜びの城近くにあるロネゼップ城の前で馬上槍試合を行う事にした。


ラーンスロット卿「王よ。このたび、王の出されたお触れで、そばにいるわれわれは危険にさらされるでしょう。わたしたちを妬んでいる騎士たちが多くいるからです。
ですからわたしたちが馬上槍試合で立ち合えば、酷な運命にわれわれはさらされるでしょう」
アーサー王「そのことに関しては、私は心配してはいないのだ。もっとも優れた技をもっているかが証明されるのだ」


<ツッコミ>
呑気か、アーサー王……。

ラーンスロット卿はこれで馬上槍試合の目的を察したので、イソード王妃がいい席で観戦できるようにしてくれた。
こうしてトリストラム卿とイソード王妃は喜びの城でイチャイチャしながら暮らせるようになった。めでたしめでたし。

<ツッコミ>
マーク王がクソカスだからめでたし感あるけど、こいつら不倫カップルなんだよな……。
そしてこの間トリストラム卿の妻の方のイソードはほったらかしなんだよな……。

では、また次回。

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