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wedding ring "memory"

雨があがったばかりの鮮やかな青葉を滴るしずくに、心が涼やかになります。夏日が続いたあとで緑も嬉しそうに輝く日、ご結婚指環のお渡しとなりました。

「両親の結婚指環を使って作りたい」という新婦の願いに、今の工房の設備ではご両親のプラチナリングを溶かして再利用することはできないので、どうしたらベストな形で残していけるかと相談しながら指環のデザインを考えていきました。

そして、たどり着いたのが半分新しく、もう半分はご両親の指環を合わせること。あえてその半分をわからなくするのではなく、18金のブラウンゴールドを組み合わせて遊び心のある指環となりました。ご両親の指環はねじりの入ったデザインでボリュームもあったのでスッキリとさせて、新郎は全体を平らに、新婦は甲丸にして、おふたりとも鎚目を施してなじませるようにしました。

ほんのりと斜めのラインがもとの名残としてわかり、ご両親の思い出も一緒に引き継ぐような指環。ご両親が出会い結ばれた時間の延長線上に、新郎新婦の新しい物語がこれから始まります。そんな思い出がつながる指環となったことから「記憶、思い出、思い出すこと」などの意味の"memory"の言葉を選びました。

おふたりにとっても始まりの瑞々しい気持ちをいつまでも忘れずに持ち続けて。これからも多くの素敵な時間を一緒に過ごし、ご家族の紡いできた記憶が宿る、こころの拠り所となる指環となりますように。

wedding ring:K18brown gold & Pt(ご両親の指環)


ご両親のプラチナリングの面影を残して
もう半分はK18ブラウンゴールド
再利用する前のご両親の指環


ご両親の指環から生まれたもうひとつの指環。


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