WEB小説におけるタイトルのつけ方

WEB小説といえば、長文タイトル、ストーリー説明タイトル、感情タイトルなど、独特のタイトルが目立ちますよね。

このページを開いた、小説作品をお持ちの作者さまへ。

タイトル=読者との出会いという点に注目した「タグから始めるWEB小説のタイトルのつけ方」を提案いたします。

・読みに来てほしい!
・満足してファンになってほしい!
・そのための読者さんに出会うタイトルがほしい!

この記事は、上記をできるだけクリアしたい作者が執筆しております。(WEB小説歴5年、毎日執筆、書籍化7冊)
興味があれば、ぜひ読み進めてもらえたら嬉しいです。

みなさまの小説が、読者さんにとってのお気に入りになりますように。

★タイトルをつけましょう。

目次

1・とにかく長いタイトル
2・タグを抜き出しましょう
3・とくにみてほしい点はどこですか?
4・これを見に来る読者はだれ?興味を示してくれそう?
5・読者が小説にたどりつくまで
6・タグ→タイトル→あらすじ
7・すべてあわせて<WEB小説のタイトル>


1[ラフ]とにかく長いタイトル

手元に小説がありますね(構想中でもオッケーです)
できるだけ長いタイトルをつけてみてください。
※ラフなので、これから修正していきます。

例)ーーがーーしてーーする話
例)ーーはーーなので、ーーしたい、ーーこうなる

例)幼なじみが・俺のことを最近やたらと構うのですが・まさか異世界召喚にまで付いてくるとは思わず・俺をさしおいて勇者になったのに・王子を振り切ってまで・求婚にきました。手土産は魔王の生首。

※WEB小説=なろう系=異世界モノ、というイメージで作りました。

まずここまで。
あなたの小説でしたくをして、進んでください。


2・[推敲]タグを抜き出しましょう

長いタイトルの中から「タグらしい言葉」をさがしてください。

例)幼馴染 転移 シリアス  魔王 巻き込まれ(俺?) 求婚 ハッピーエンド コメディ ラブコメ 恋愛 勇者 こんなはずじゃなかった 男主人公 異世界召喚


わかりやすい言葉に変えます(検索されやすそう?を基準にしてください)
・求婚→プロポーズ

整理してみましょう。

・よくみるもの
・ジャンル
・オリジナル

男主人公 幼馴染 異世界召喚 転移 シリアス コメディ ラブコメ 恋愛 勇者 魔王 プロポーズ ハッピーエンド 巻き込まれ(俺?) こんなはずじゃなかった


人気タグを足します。
+料理(旅もするので要素として不自然ではない。タグに合わせて本文描写を加えてもよい)

小説家になろうさんの場合、タグは10個です。
選びましょう。

幼馴染 異世界召喚 シリアス コメディ 恋愛 料理 魔王 ハッピーエンド 巻き込まれ(俺?) こんなはずじゃなかった

では、このタグが、あなたの小説の”前提”となります。

読者が初めて小説に出会うとき、タグ→タイトル→あらすじと読むことを覚えておいて下さい。

※それ以外の出会いかた(作家読みされるほどの方、SNS告知、ブログ紹介など)はこの記事では例外としています。


3・[推敲]とくにみてほしい点はどこですか?

タグにあることは伝わっています。
また、読者はこのタグの「どれか」に必ず興味を示しています。

その上で、あなたがタイトルとして伝えたいことはなんですか?
どこ・何を見てほしい小説ですか? お店の看板だと思って下さい。
「こんな小説だよ! ここが旨いよ! いらっしゃい!」


よくみるパターンを紹介します。

・テーマ系「どこまでも幼なじみ」

・短文系「幼なじみ勇者」

・長文系「幼なじみ勇者、で俺は? 懐かれているだけの転移者です。旅にもあいつが付いてくる」

・単語系「最強幼なじみ勇者にからまれ英雄譚?」

・感情系「一人でやっていけますけど!?」


「幼なじみ」がとくに見てほしい点です。
でなければ、設定をわざわざ幼なじみにしなくてもいいのです。幼なじみを持ってきたわたしの中には「幼なじみの萌えと執着をかきたい。異世界に行ってもついてきて主人公を守ろうと強くなるほどの」という意図があるはずで。
その意図に気づいたら、読者に「ここが旨いよ! 好きな方、いらっしゃい!」ができます。

なぜこれを持ってきたの? 自分の狙いを、この段階で掘り下げておきましょう。

※タグでは検索しやすい「幼馴染」タイトルではパッと目につく「幼なじみ」にしています。


仮タイトルにタグを足してみます。

【一人でやっていけますけど!?】+ 幼馴染 異世界召喚 巻き込まれ(俺?)シリアス コメディ 恋愛 料理 旅 ハッピーエンド こんなはずじゃなかった
【どこまでも幼なじみ】+ 幼馴染 異世界召喚 巻き込まれ(俺?)シリアス コメディ 恋愛 料理 旅 ハッピーエンド こんなはずじゃなかった

※魔王→旅 と変更しました。
異世界召喚からの旅となると、魔王がだいたい連想されているからです(テンプレ)。幼なじみを強調!と決めたので、旅についてくる執着を選びました。

※ハッピーエンド、なので主人公はイヤイヤながらも幼馴染と旅をしてくっつくのかな、とわかります。そこが「旨み」です。

「幼馴染ものだよ! ハピエンまでが旨いよ! いらっしゃい!」ですね。


あなたの小説に戻りましょう。

ここまでのイメージが、あなたの小説の”前提2”となります。

あらすじを書き、小説のアピールは完成です。
(※今回はあらすじの作り方は省きます)


4・[確認]これを見に来る読者はだれ?興味を示してくれそう?
あなたの小説をどんな人に読んでほしいですか?
全員!よりも範囲を絞りましょう。
どんな人が満足して読んでくれそうですか?(→その人を呼びやすいタイトル)
これが、想定読者です。

タイトルパターンには”傾向”がありますから、読者にあわせて、選びましょう。

・テーマ系……強烈にキャラを推してるパターン。「幼馴染ものがよみたい!」

・短文系……おしゃれなんですよね。「格式高いきちんとした文章をよみたい!」

・長文系……この流れいいね、ストーリー賛同向け。「ネット小説らしいのがよみたい!」

・単語系……タグの組み合わせみたい、ぱっと見で理解できる。「外したくない!」

・感情系……内心描写のゆく先を重視。「こういう思考がよみたい!」


タイトルパターンは、本文のクセをよく表します。
沿ったほうが、読者の満足度が高くなるでしょう。

失敗例。
テーマ系「どこまでも幼なじみ」を「キャラ推しか!」とよみにきて、あっさりと幼馴染がストーリーにいるだけなら「なんだそれほしいのじゃない……」となりやすい。
長文系「幼なじみ勇者、で俺は? 懐かれているだけの転移者です。旅にもあいつが付いてくる」を気軽によみにきたのに、重厚な文章をぶつけられたら、やはり満足にはつながらないでしょう。

想定読者=(あっさり・こってり・軽やか・重厚)を読みたい人!

”今は”それがよみたいんです。
だからタグで検索してタイトルをクリックしている。

読者のプライベートな時間を使ってまで。
軽い・重い・楽しい・苦しい、それぞれの感情が欲しいのに、別のものを提供されても満足とはなりません。

どんなに素晴らしい小説であっても、時と場合によっては不満となります。

書籍を買うときには[興味]があり、よみたいときに開けます。
WEB小説では、よみたいとき=今=読了感をあわせる、まで考えてみるといいでしょう。

タイトルパターン、ぜひ選んでみてください。

あなたの作品は、読者にどのような感情を与えてくれて、タイトルでそのイメージを提供できていますか? 想定読者を呼び込めそうですか?


5・[確認]読者が小説にたどりつくまで
「今、小説をよみたい。こんな小説がいいなあ。あるかなあ」……タグ検索→ タイトルに会う→ 興味一致→ 一話

という流れを、頭の片隅に置いておいてください。

読書の姿勢もイメージしてみてください。

・通勤中に検索……すぐイメージできる[長文系]
・家のリラックスタイム……しっかり文章を期待して[短文系]
・友達とワイワイ盛り上がる……キャラ推しの[テーマ系]

など。
いつ読むのに適した作品だと思いますか?

読者さんと作品の、良い出会いがありますように。


6・[推敲]タグ→タイトル→あらすじ
タグ・タイトルを整えてから、あらすじを書いてみると「プロットと違ってきたな?」ということがあると思います。
読者をイメージしてください。
そして選択です。

・タイトルを寄せますか?
・プロットを寄せますか?

あなたは作品を読んでほしいはずです。

なんとなくこっちかな~、以上の「作品のコンセプト」が今ならよくわかるのではないでしょうか。

・ここを推す!
・読者の好む傾向=自分も書きたいもの
・自分が外せないもの
・読者に譲れるもの

ぼんやりしたイメージをはっきりさせましょう。

作品がもっと届きやすくなるように。

読者に満足してもらって、自分も満足するために。
ここまで納得してから行う執筆は、きっと楽しい!


7・[確認]すべてあわせて<WEB小説のタイトル>
さて最終確認です。

ここまでおつかれさまでした。

タグ・タイトル・あらすじ、できあがっていますか?
全体のイメージは一致していますか?

さらに、それを読む人の姿がイメージできていて、自分にもやる気があれば完璧!


──ただなんとなく、以上のことは学んでいただけたかなと思います。

WEB小説におけるタイトルのつけ方、私はこのようにイメージしながら創作をしています。

また、先にすごくいいタイトルを思いついてしまった!という順番で本文を考えることもあります。そのときは、今一度、この記事の流れで「想定読者に届くか?伝わるか?」確認するようにしています。

ここまで読んでくださってありがとうございました!

<執筆者>黒杉くろん
WEB小説執筆歴は5年。「レア・クラスチェンジ!~魔物使いちゃんとレア従魔の異世界ゆる旅~」書籍化、7巻発売予定


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