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突然の猫ミーム(#毎週ショートショートnote)

「ほんとによく食べるねえ」

黒白のハチワレは夢中で3杯めの猫缶にがっついている。

もとはお隣に現れたノラだったが、いつかわが家の方に棲みついた。
愛猫を老衰で亡くした私にとっては思いがけない出会いで、残っていたフードをやるうちにすっかり懐いたのだ。

若い雄で、体も大きく食欲は旺盛だ。以前の子の数倍の量を1度にぺろりと平らげる。
最近は、このフード代が質素な年金暮らしを圧迫し始めた。

「だけど可愛いもんねえ…」

ヘソ天で寝転ぶ姿を眺めてはため息が出る毎日。



ある日のこと。

放置していた私のTik Tokに、突然怒涛のような通知が押し寄せ始めた。

「何…?」

画面では見慣れたハチワレ猫が喋り躍っている。
既に300万回再生超えだ。
私の写した画像が知らないうちに編集され、UPされていた。

そんな気配は微塵も見せなかったのに、人が寝ている間に夜な夜な慣れぬ作業をしていたのか。
肉球で必死に入力したらしい文章を読んで涙が出た。

『働かざる者、食うべかニャる』

(416字)


猫ミームの意味も知らない猫好きにとって、このお題はなんとか書かねばという思いでした笑 
前半はほぼ実話、画像はわが家で寝ている「彼」です。


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