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無題:毒白

 2023年、6月30日、金曜日。

 月末だから通信制限を気にすることなく、残りのギガ数をAnima IIのアーカイブ視聴に費やす。
 彼女の歌声は、私を悲観的な気持ちにさせることを許しはしない。こんなものを書いているためおよそ耳に入れていいものでは無い。

 鼓舞 鼓舞 鼓舞 、遡上していく。



 2023年。気づいたら6月の断崖に立ち、私は弾劾の席に立っていた。もう半年経つらしい。4月に3ヶ月間購入した定期も、しばらくして切れる。部屋にカレンダーを設けなくなってしばらく経つが、脅迫的なカレンダーは今も絶えず迫る。俺は何をしてきたんだ?しかもこんな紙くずにもなりやしない、電子の海にただデブリを放つだけの行為、なんの意味は無いし、これを書いても何も変わらない。あぁ、書きたくなくなってきた。行替えもだるい。体裁を保てない。しばらく無題シリーズが書かれなかったのは、そんなクソみたいな思考を文章化する元気もなかったから。、


 新学期が始まってから、血まみれになりながらここまで逃げてきた。逃げた先には何も無いのだと頭では分かりながら、ここまできてしまった。
 私はここまで何故か上手くやってきたから、単位は足りていて、まったく授業を取らなかった。その分、普通の人間は空きの時間に様々なことをこなしていくと思うのだが、私は春休みの延長かのように惰眠を謳歌した。結果、たった週2の授業ですら出るのが嫌になってきた。
興味あるテーマのはずなのに、研究のやる気が出ない。進捗が上げられないから、ゼミに居場所がない。そもそも、春休み中に何もしてこなかった。ゼミに出なくなったから、もはやその曜日分をごっそり抜けるようになった。その日の午前には絶対に履修しないといけない講義があるのに、朝、起きる気力が出ない。眠いとかそういうのを通り越して、体が起き上がらない。誰かに諭されなければ、きっとしばらく布団の上にいたのだろう。

 もうひとつの曜日は、他にも興味のある講義があったとはいえ、行く日が増えたり、朝早かったりしたために、厳選した興味のある講義を選んだ日だ。
……1度でたっきり、それ以降出ていない。こうなるのなら、もっと早く履修登録の修正をしておけばよかった。同じ曜日内にある講義は履修を取り消したのに。取り消した履修の分は作業の時間に充てようと思い、修正後の時間割で帰れる時間を伝えぬままにした。その結果、その曜日は“何も無い“のに外に出て、時間を潰さないといけない日になった。それが今だ。


 随分逃げて来たと思う。もはや貴重な体験だろうという思いすらあり、講義に出ずに時間を潰していた行き先をメモしたりもした。逃げている時、最初の時期は良かった。正直楽しさすらあった。ただ、後半になってくると体が鉛のように重かった。梅雨も入って、雨の中逃げていたこともある。まだ見ぬ世界を行ける範囲で見に行った。お金は無駄使い出来ないから、電車代程度にして、たまに奮発してカフェに入ったりもした。定期圏内に縛られていた私はそのうち、その先に足を伸ばすことになる。数百円で繰り出せるのだから、都市圏というのはコスパが良い。ただ、残高が無くなる度にチャージしている瞬間、何をしているのかと思った。随分歩いた。

 そんな、無意味な1週間を繰り返しているうちに、単位を落とす1歩手前に気づいたら来ていて、いや、毎週月曜日が来る度に絶望して、綱渡りをしている日々。もはや綱から落ちてすらいるのに、喉元過ぎれば熱さを忘れるが如くに、また横苦しみを手で退けて横たわる。そしてまた今日だ。何をしてんだ、本当に

 1回下書きを消そうかと思ったし、消えたいと思ったけど何とかこらえた。なんの意味があるんだ、これ。生きている価値がない。言葉が捻り出せない、意味が無い。カスの証明。死ぬ訳には行かないが、もはや消えたい。

 最近の金曜日は、先週に引き続いてただ電車を乗って時間を潰す日だ。今、電車の中でこのクソ文を打っている。同じ車内で自分と同じ趣旨のやつなんていやしないだろう。ラグトレインも真っ青な、各駅停車で旅すらしなくなってしまった。雨が降っていて、歩く気力もなく、ただ移動してスマホをいじる為の時間潰しにはうってつけだ。往復で定期圏内に戻ってそのどこかで降りてしまえば0円だ。浪費してるのは精神と時間。精神と時の部屋か?

これからどう生きていけばいいんだろう 気づいたら大人になっていたし、自覚はあるが精神はついていけてない。終わりなんだ

 終活は本当に何もしていない、研究は、テーマは決まっていて素地はあるが、フィールドワークを春休み中にしなかったし、主要な参考文献は手元になくて読めてすらないし、原稿の執筆に入れてすらいないし、事態も把握出来ていない。8月下旬から9月上旬にはクソゴミ教習所が控えていて、それに向けて予習もしないといけない、夏休みには実習もある。そもそも出席が崖っぷちなのだから実習に出させてもらえるかは分からない。まぁ、あと数回耐えればとりあえず行けるが、問題はゼミに顔を出せるほどの進捗をあげないといけない事だ。やること、やらなきゃ行けないことはある意味まとめられ把握していて、冷静さすら感じさせる。
 必要な本は高くて買えないから、図書館で借りようと思った。近くにある図書館にあったが、歩きで片道3時間もかかる。往復6時間なんて大したことは無いが、正直今日のメンタルで行ける気はしなかったし、何より普段帰ってくる時間に合わせられる自信が無い。他大学の図書館を利用するのも手だろうが、何より手続きとかがだるい。
 そんなんで人生が終わるかと笑われそうだが、正直もはや終わってる。この社会で今後生きて行けるかも分からないし、スキルもないし取得する意欲もないし、淘汰されて当然なんだよな。正直界隈が閉じるまで生きて行ければいいかなとかすらあるが、推しはその後も絶えずこの世界に生きていくのだと思うと、俺らも生きなきゃいけない酷な話だ、
 盤上をひっくり返す情熱の火は燻っても燃え広がらない。腐っていっているだけ。

何も変わらない。変われない。そうやって死んでいく。山のような死体がころがっていて、山を築いている。不思議なことに腐乱臭がしない。自分も腐っているからだろうか?

もういいよな?こんなことを書こうとは思っていたけど、もう少しうまく書く予定だったけど、もういいよ、知らない

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