“半分こ”ってむずかしい

チーズを肴にワイン飲みつつ夫婦で映画なんて観ていると、

(あ、チーズが残り一つだ、よし、半分残しといてやろう)

なんて考えながら残り一切れのチーズを半分にしてパクリと食べる。

映画を観ながらまた暫くすると、

(あれ、チーズもうこれだけか、さっき自分が食べたんだっけな、どうだっけな、まぁいいや半分残しておいてやろう)

と考えながらまた半分にして食べる。

恐らくこの作業をお互いが同じように無意識でやるもんだから、映画が終わる頃にはチーズがもう切れないくらいに小さくなっている。

どちらかが「最後食べちゃって」と言うと、
片方が「さっき一口食べたよ、食べて」と言って譲らない。

お互い譲らずに、チーズを譲り合ってウダウダやる。
(なんなんだこの攻防は)

この話は夜だけじゃなくて朝にもあって、毎朝、納豆1パックを半分個する。(海外に住んでいるので納豆が高級品なのだ)

たいてい僕が先に納豆をご飯にかけて、半分置いておくのだけど、
気持ち、多めに残しておく。

すると妻は器の中の納豆を見て、まだ僕が納豆を食べてないもんだと思い、半分ご飯にかけて半分を渡してくる。

「え、もう食べたよ半分」と言うと、
「うそ、全然とってないじゃん」
「とったよ、残り食べていいよ」
「いいよ、もっと食べなよ」
と言ってまたお互いに譲らずに譲りあう。

チーズといい納豆といい、朝から晩までわれわれ夫婦はウダウダ
譲りあいをやっている。

大切な人とはなんでも半分こにしたいけど、
いつも相手に少し多く渡したいから、難しい。



お蕎麦屋さん開きたい。