農家は農泊よりグランピングをやるべき

少し遡り今年の2月7日に日本ファームステイ協会の設立が発表されました。ファームステイとは農業・漁業体験と宿泊をセットで提供する民泊の一種で通称『農泊』と呼ばれています。鳥取県の平井知事が会長理事に就任しており、地方の民泊は農泊路線で拡大していくのかなという予測をしていました。ですが民泊を取り巻く環境やアウトドアの盛り上がりを見ていて、いまやるなら農泊よりもグランピングの方が魅力的だと思う理由を今回は書いてみたいと思います。

グランピング利用者層の拡大と旅館業法の適用を受けない事業開始の容易さ

まずグランピング施設と共にアウトドア人口も増加傾向にあります。昨年本格的に流行り始めたグランピングは今年のアウトドアシーズンが開幕した4月頃から更に施設数も増え、単なるアウトドアアクティビティに留まらず観光における宿泊スタイルの一つとして定着した感があります。オートキャンプ場を利用するアウトドア人口も2017年版オートキャンプ白書によると4年連続で前年を上回り830万人まで増加しています。2012年から5年間で100万人以上増えている状況です。

またグランピング施設の利用者はアウトドア愛好者だけに留まらず、ちょっとリッチで変わった宿泊体験をしたいホテル・旅館利用者も含まれています。星野リゾートがグランピングと冠する施設を作っていたり、高級ホテル・旅館のラインナップを中心とした予約サイトとして有名な一休もサイト上でグランピング施設の紹介を始めていることから間違いないですね。

利用者層の広がりと需要の拡大といったポジティブ要因に加えて、法規制に引っかからないという事業者側の利点もあります。建築物こそ無いものの、宿泊施設を提供する点ではホテルや旅館に近い業態となりますが旅館業法の適用を受けないのでしょうか? 経済産業省のグレーゾーン解消制度をみると見解が記載されていますが、現状は旅館業の適用は受けないようです。

一方農泊は広さ制限等の条件が緩和されているとは言え旅館業の免許を取得するか、免許が必要ない代わりに宿泊料金を取れない(食事や農業体験料で料金を取ることは可能)という状況でした。

今まで旅館業の免許が無くても営業できていた、いわばグレーゾーンだった民泊も住宅宿泊事業法の施行に伴い、最大手のAirbnb が住宅宿泊事業の届け出番号か旅館業の免許の提出がないホストのリスティングを、6月15日以降掲載しないという判断をおこなったことにより、今後は法規制に則った営業を徹底していかなくてはならなくなりました。

田園風景や牧草地も立派なグランピング場になり得る

以上がこれからグランピングを事業として始める魅力的な理由です。ですが開始にあたり最低限必要なものが一つだけあり、ある程度の広さを持った土地です。農家や牧場主など広大な土地がある事業者ならば新たに土地を準備する必要もないので、そこが農地所有者が始めるのに適していると考える最大の理由です。

ですが一点忘れてはならないのがアウトドアの逃れられない宿命、季節要因です。キャンプシーズンは通常4月〜10月の半年間くらいになり、快適さでキャンプに勝るグランピングとはいえ冬場の利用者は期待できないでしょう。上記期間をスタンダートな営業可能日数と考えると、奇しくも民泊の180日規制とほぼ同じ日数ですが、法規制に沿った設備投資が必要無いので参入・撤退のハードルは低いです。

実際に牧場を有効活用したキャンプ場の成功事例が千葉にあります。グランピングをメインとした施設ではありませんが5月から8月の間だけ牧草地を一時転用してキャンプ場として活用しており、年々来場者数は増加しており今では野外フェスティバルも行われる程大盛況しています。

今後、農場や牧場など地方の土地を所有するオーナーが農泊とともにグランピングを推してくれれば個人的にも魅力的なアウトドア施設が増えて地方が楽しくなるなーと思っている次第です。

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余談ですがグランピングと共に話題になっているトレーラーステイは旅館業法の適用対象になりうるようです。日本トレーラーハウス協会による2016年のプレスリリース中に以下の記載があります。



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Shogo Katayama

地方とアウトドアビジネス

近年のアウトドア、特にキャンプの復活と地方創生の流れに乗って地方でアウトドアパークの設立を目論んでいます。活動と情報収集メモ。
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