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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【1月10日㈬~1月16日㈫】

昨年8月19日から上映がスタートした渋谷シアター・イメージフォーラムでの『オオカミの家』が、21週間のロングラン興行を終え、遂に1月12日に最終日を迎えました。暑い盛りの昨年夏から始まって、秋、冬と3つの季節が移り変わったことになります。うちの会社の配給作品の中では、2018年9月22日に新宿武蔵野館で公開され、翌年2月22日まで上映が続いた『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の22週に次ぐメイン上映館でのロングラン記録です。私が現役の間に、これらの記録を破る、あるいは匹敵するヒット作を、ふたたび生むことは出来るのでしょうか…。

最終日は19:10からの1回上映。最後の最後にどんなお客様がいらして下さるのか?というのをこの目で確かめたく、開映前に劇場にご挨拶に伺いました。当日、「せっかくだから何か入場者プレゼントは出来ないかな」と思い立ちましたが、ポスターやポストカードは劇場で販売中のものしかないのでプレゼントで配るワケにはいかないし、サンプリングでお配り出来るタイアップ商品も無し。さて困った。事前に準備しとけばよかったな…。

そういえば12月の関係者打ち上げの時に配った大入り袋がいくつか余ってたな。それを抽選でプレゼントしようか?いやいや大入り袋を抽選で、ってのもヘンだよな…。そうだ、どうせだったら入場者全員にお渡し出来る分、作っちゃえ!ということで、近所の文房具店に大入り袋を買いに走り、あとは劇場のオンライン座席予約表の埋まり具合をチェックして入場者数を確認しつつ、皆で協力してタイトルをコピーしたシールを大入り袋に貼って増産。ギリギリセーフで入場開始前に劇場に到着して、50名あまりのご来場者全員に“今後のザジの配給作にもご縁がありますように“との願いを込めた5円玉入りの大入り袋をお渡しすることが出来たのでした。
※トップ画像は、その日の館内の様子。髪の色、様々。最後まで客層は20代と思われる若い方が中心でした。

次に大入り袋を出せるのは、いつになるのやら…

翌13日からは下高井戸シネマに劇場を移して1週間限定でレイトショー上映中の『オオカミの家』。私は伺えなかったのですが、初日の上映後にはドイツ映画研究・日大文理学部教授の渋谷哲也さん、ラテンアメリカ映画研究の新谷和輝さんをお迎えしてトークショーが行われ、立ち会わせて頂いた宣伝スタッフの報告によると、遅い時間にもかかわらず80名以上のお客様がご来場下さり大盛況だったそうです。メイン館での上映が終了しても、まだまだ快進撃は続きそう。引き続き公式サイト、SNS等でチェック、よろしくお願いします!

『オオカミの家』ヒットの話題の陰に隠れ気味になってしまいましたが、ジャンニ・アメリオ監督作品『蟻の王』も全国順次公開中です。静岡 シネマイーラ、広島 八丁座宮崎キネマ館では本日18日までの上映、19日からはシネマテークたかさき、20日からは川崎市アート・センター アルテリオ映像館、柏 キネマ旬報シアター、金沢 シネモンドでの上映も始まります。お近くにお住まいの皆様、ぜひ劇場でご覧下さい!

2023年6月24日に始まった“ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ リプリーズ”から1週も途切れることなく、ザジの映画をかけ続けて下さっている渋谷シアター・イメージフォーラムすが、『オオカミの家』の上映が終わった今も、昨年末12月23日から始まった“カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol. 2“を引き続き上映中なので連続記録を更新中です。当初の予定では今週末1月19日で終映の予定でしたが、好評につき来週26日までの続映が決まりました。…ということで現在ザジ配給作の連続上映は31週目!今後ザジがイメージフォーラムさんを買収して、シアター・イメージフォーラムのオーナーにでもならない限り(笑)、もうこんなことは起こらないのでは?と思っております。今後も良い関係を続けて行けたら、と心から願ってます!

そして来週末、1月26日㈮からはBunkamuraル・シネマ渋谷宮下を皮切りに『ノスタルジア 4K修復版』の上映がスタートします。昨年後半は『ゴーストワールド』『アメリ デジタルリマスター版』がリバイバル公開されヒット、年明け1月5日から公開が始まった『レザボア・ドッグス デジタルリマスター版』も初めてスクリーンで観る若い客層と、1993年の初公開当時に熱狂したファン(今は50代?)で賑わっているようで、90年代、2000年代に若者に支持されてヒットした作品のリバイバルがブームの様相を呈しています。『ノスタルジア 4K修復版』は、これらよりさらに20年前後古い80年代の作品なので、初公開当時背伸びをしてシネヴィヴァン六本木に観に行った層(含む、私)はすでに60代前後。さらに幅広い年齢のお客様にご来場頂けたら良いなぁ、と思っております。

『ノスタルジア 4K修復版』、大スクリーン、高画質でご堪能下さい!

2024年は今後も単独作品のリバイバル、特集上映等々、数々の企画が控えているようです。ザジはとりあえず今年は『ノスタルジア 4K修復版』以降は新作の配給が続きます。その間に、「次はどんな作品のリバイバルをしたら良いか?」「どの監督のレトロスペクティヴをしたら喜んで頂けるか?」、アイデアはいろいろあるので、コツコツリサーチして的を絞って行くつもりです。早ければ来年2月、4月辺りに何か仕掛けられたら良いな。年が明けたばかりなのに、もう2025年の話をしてどうする?という感じですが、どうぞご期待下さい。

texte de daisuke SHIMURA


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