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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【9月15日㈬~9月21日㈫】

第43回ぴあフィルムフェスティバルも、いよいよ9月25日まで。ナワポン・タムロンラタナリット監督の特集上映“タイからの新しい風”も、明日23日12:30~の『ハッピー・オールド・イヤー』上映をもって終了です。まだ空席あります!今後しばらくは『ハッピー~』をスクリーンでご覧になれる機会はないと思いますので、未見の方、再見されたい方、ぜひこの機会に!オンライン、こちらから座席予約が可能です!

平日昼間の上映も多かったので、全プログラム制覇はならずでしたが、私もこの機会に『ハッピー~』以外の長編6作品を全て、スクリーンで日本語字幕付きで観ることが出来ました。いやぁ、今さらですが面白かったです。特に『フリーランス』と『ダイ・トゥモロー』は、当時観る機会があったなら、ザジで配給したくなっただろうこと間違いなし。昨年の『ハッピー・オールド・イヤー』との出会いは“必然”だったのだなぁ、と割と本気で思います。現在脚本執筆中という新作が楽しみです!

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※ 『フリーランス』の一場面。『ハッピー・オールド・イヤー』の元カレ・エム役のサニー・スワンメーターノンさん、大好演!

先週、今週は国立映画アーカイブに通いながら、同時に新作のプライベート試写もありました。こちらは“プライベート”というぐらいですから、詳細は書けないのですが、配給会社のスタッフに、オンラインではなくスクリーンで新作を観てもらい、買付けを検討してもらいたいと希望する海外のセールス会社が、わざわざ東京で実施する試写。1本はまさに「ザジに配給してもらいたい」と名指しでセッティングしてくれた試写。もう1本は先方がより広く声をかけて、15社ぐらい(見た目の推定です)参加した試写でした。

2作品とも、売り手側が「大きなスクリーンで観てもらいたい」と希望するのが納得出来る作品でした。音の迫力も全然違うし、2時間なら2時間ガッツリ集中出来るし、海外の映画祭やマーケットに行けない状況下、こういう機会を作ってもらえるのはとても有難かったです。さて、この2本、今後日本国内において、どういう展開になって行くのでしょうか?ザジはどうする?

一方で、先週からオンラインでもせっせと映画を観ています。前にお伝えしましたが、私、生まれて初めて審査員という任務を仰せつかっておりまして、第18回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭国際コンペティション部門の出品作10作品を毎晩1本ずつ試写しているのでした。可能であればこれらの映画も大きなスクリーンで観たいところですが、映画祭自体、今年もオンライン開催ですし、審査員4名のうち2名は海外在住、皆さんお忙しい中、指定された場所や時間に10本の映画を観るのは、現実的には無理なので仕方ありません。なので、少しでも良い視聴環境を作らなきゃ、とPCをテレビに繋いで、テレビの大きな画面(うちは何インチなんだろ?)で、ヘッドフォンで音量を上げての鑑賞。もちろん早送りなんてしませんし、出来れば一時停止して中断するのも避けたいので、PLAYボタンを押す前には、ちゃんとトイレにも行っておきます。ま、家なので「一杯飲みながら」っていうのは許してもらっていますが(誰に?)。

今回、せっかくの機会なのだから、とお受けした審査員ですが、予想していた通り、審査って難しい。世界の情勢と無縁ではない作品が多いので、自身に一般的な常識が欠けているがゆえに理解出来ない箇所があったとしたら、それは作品のせいではないし、最終的には“好みの問題”になるのは仕方ないにしても、作品の質を見極める、ある程度の客観性は必要だろうし。“映画祭審査員の手引き書”が存在するなら読みたいぐらい。あったとしても今から読んでいては手遅れですが(笑)。いや、業界の知人友人には映画祭審査員経験者もいるし、今からでもアドバイスを仰ごうか…?

…などとグチグチ言っていますが、自分なりに判断するしかありませんよね。伊達にこの仕事を30年以上やっているワケではないし、今も現役の映画ファンとして映画館にせっせと通って、同時代の映画を観続けているのですから。そうだそうだ!と自分を鼓舞して、今夜もPCをテレビに繋ぐ私。配給に携わってきた立場の人間として、自分なりに決めた指針は「一人でも多くの人に観てもらいたいと思うか?」。頑張って任務を全うする所存です!

でも観ながら取るメモには、「なかなか良いんじゃ?」とか「ちょっといい感じ」とか、幼稚な言葉が並びます。この絶望的な語彙力の無さで、ちゃんと他の審査員の方に、自分の意見を伝えることが出来るのか、今からとっても不安です…。

texte de daisuke SHIMURA




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