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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【3月3日㈬~3月9日㈫】

オンラインで開催されていたベルリン国際映画祭が3月5日に終了し、同日各賞も発表されました。最高賞である金熊賞はルーマニアのラドゥ・ジュード監督の『Bad Luck Banging or Loony Porn(英語題)』が受賞。先週お伝えした都内でのバイヤー向け試写でも上映されていましたが、私は未見。ご覧になった方の感想がお聞きしたいところです。審査員大賞にあたる銀熊賞を受賞したのは濱口竜介監督の『偶然と想像』。おめでとうございます!本公開が楽しみです!

さて。ここのところ情報解禁に向けて準備をしていた、ザジの次なる企画ですが、先週予告させて頂いていた通り、本日無事に発表になりました。『あなたの番です 劇場版』…ではありません(VIVA !原田知世さん!)。“カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ”です!フランス生まれのフランス育ち、60年代に出演したイタリア映画で世界中に旋風を巻き起こしたカトリーヌ・スパークの主演4作品を一挙上映します。題して《 SPAAK ! SPAAK ! SPAAK !》。“渋谷系”華やかりし90年代に『狂ったバカンス』、『太陽の下の18才』の2作品連続上映、その後『女性上位時代』がNSWさんの配給でリバイバル公開されていますが、今回はその3本に『禁じられた抱擁』を加えての上映です。

コロナ禍のこんなご時世なので、パーッと明るくやりたい!と思いまして、ビジュアルや予告編をウキウキ楽しい感じで作り込んでみました。デザインはうちで過去に手掛けてきた特集上映、“ドゥミとヴァルダ、幸福についての5つの物語”“アニエス・ヴァルダをもっと知るための3本の映画”、“ミシェル・ルグランとヌーヴェルヴァーグの監督たち“でもプリティーなビジュアルを作ってくださった、同じデザイナーさんによるものです。

今回は若い女性にたくさん観に来て頂きたいので、根が“昭和”な私は一歩退いて、ディレクションは若い女性宣伝スタッフたちに任せています。そこで彼女たちから出てきたワードが“it girl”(イット・ガール)。ファッション・リーダー(死語?)的な“旬な女の子”を指す、女性誌にもたびたび登場する、 以前からあるキーワードのようなのですが、私は初めて聞きました。“it”はイタリアの略かと思った。もしくはスティーヴン・キングが関係してるのかな?とか(ペニーワイズ!)。どちらも違います。語源は1920年代のアメリカ映画『it』からだそうで、その映画に主演した女優のクララ・ボウを“it girl”と呼んだのが始まりなのだそうです。一世紀も前に生まれた言葉なんですね(@_@) チラシも完成しましたので、劇場で見かけたらぜひ手に取ってくださいね。

予告編もすでに完成して、上映劇場のヒューマントラストシネマ渋谷でかけて頂いています。4作品をそれぞれ“CUTE”、“WILD”、“COOL”、“SEXY”と括ってみたのは私のアイデア。そして予告の最後に出てくるキャッチコピーめいたテキストも私のアイデア…というよりも、これは趣味です。THAT'S 昭和!うちの宣伝スタッフ女子2名には、元ネタは気づかれませんでした。

このキャッチコピーというものに関しては、前々回の連載“Histoire De Zazie Films”でも触れていますが、この機会にもう少し種明かししますと、私がキャッチコピーを考える際に、参考にさせて頂いているのは何を隠そう“昭和歌謡”。作品を観た後、「今回は阿木燿子風に行こうか」とか「阿久悠な感じで」とか「松本隆っぽい雰囲気で」(以上、すべて敬称略)とかイメージを膨らませて、なりきり〇〇として言葉を選んでいきます。今回は〇〇風ではなく一部分をまんま使わせて頂いていますが、これ阿久悠先生だと思ったら、訳詞は岡田富美子先生でした。私としたことがずっと勘違いしてたことに今日気が付きましたm(__)m 

でも、このキャッチコピー創作法は、やっぱ観客のターゲットが昭和世代な場合のみ機能するのかもしれませんね。今の若い層に向けて昭和歌謡を引用してもちょっと違うのかもしれません。でも頑張って「あいみょん風に」とかやっても(誰を例に出したら適切なのか?すら分からん)悲しい結果に終わるのは目に見えています…。キャッチコピー作りもそろそろ後進に譲りましょう…(´;ω;`)

切なくなってきたので(笑)話をカトリーヌ・スパークに戻します。劇場では特別鑑賞券もまもなく発売開始!1回券には1枚、4回券には4枚のポストカードが付いてきます!この絵柄のセレクションも若い宣伝スタッフ。「カワイイ!」と気に入って頂ければ幸いです!

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昭和歌謡ついでに、先日の新聞に、4月16、17日の両日、東京国際フォーラムAで開催される、昨年亡くなった筒美京平先生のトリビュート・コンサートの全面広告が掲載されていました。なんという豪華なメンツ!ということで、さっそく先行抽選予約に応募してみました。結果は3月16日だそうです。全く映画と関係なくてすみません。

                     texte de Daisuke SHIMURA

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