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祖母がくれた福


今日の朝、外の空気を吸いたいと思って外に出た。
今日は太陽が温かく出迎えてくれた。今年は雪が少なくて嬉しい反面、雪の結晶が舞う景色を見ることと、雪を踏む音が聴けないのが少し悲しい。


しばらくすると祖母がやって来た。祖母の家は隣で庭には畑があり、畑の横にはたくさんの植物が生えている。春には梅の花。夏には向日葵。秋にはコスモス。冬には椿。四季折々の景色を見ることが出来るため、玄関に座って畑の横を見るのが好きである。


祖母がハサミで、ある植物を切っていたため近くまで行ってみた。

「何してるの?」

「凄く綺麗な赤色な実だべ〜?。これよ、ナンテンって言うんだ。」

「ナンテン??」

「んだぁ。ナンテンはな、赤い実が黒い実になるから、赤字から黒字になるようにぃとか、ナンテン、だから難を転ずる縁起物とされているんだよ。」

「難を転ずる、、、へぇ。受験生にピッタリだ。」

「いるか??ほれ、ここらへん綺麗だべ。」

ということで祖母からナンテンを貰った。

祖母から貰ったナンテン(南天)

玄関に飾ったら、とてもお正月っぽい感じで雰囲気が良くなった。


毎日畑の横に生えているナンテンは見ていたが、縁起物だったとは知らなかった。


植物に意味を持たせたりする花言葉は興味深い。昔の人たちのそういう物の見方が好きだな〜と思う。
私の祖母は小さい頃、道に生えている花を見つけてはその花の名前と花言葉を教えてくれた。
今の人達はどうだろう?
道に生えている花を見て、あの花の花言葉はね〜なんて言えるだろうか、、。
スマホで写真を撮ればその花の名前が出てくる時代。本当に時の流れは一瞬であると感じる(Z世代ですよあなた。)


玄関に飾ったナンテンを連れ出して、自分の勉強机に置いた。

「福が来ますように〜。頑張るので見ててくださいな。」

と赤い実に向かって呟いた。

ナンテンをくれた時の祖母の笑顔を思い浮かべ、胸の中心が温かくなるのを感じながら再びシャープペンシルを握った。

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