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着ぐるみの中の世界

最近、仕事の繁忙期なので投稿が遅れ気味です・・・。
でも今回は、繁忙期だからこその投稿でございます!

皆さん、ゆるキャラの着ぐるみ、はご存じでしょうか。
どこかしらで見かけたことがあると思うのです。
皆さん、着ぐるみを見かけたとき、どう思われますか?

「可愛い」とか「大変そう」がまぁ多数ですかね。

「中に入りたい!」と思った方はいらっしゃいますでしょうか?
その方は必読の記事ではないでしょうか?(笑)

つまり、つい先日、中に入ってきました・・・。
初めてというわけではないです。まぁざっと10年ぶりに入りまして、そのことを書こうかと思います(笑)。

仕事柄、様々な企画をしておりまして・・・。
とあるクライアントのプロモーションの一環で、とあるキャラクターを生み出し、その着ぐるみを制作し、店頭イベントで活用しています。
もちろん詳細は言えないのでお察しください。

基本的には僕はそのイベントを運営する側なので、様々なスタッフに役割をお願いしております。着ぐるみの中に入るスタッフもしかりです。

でも時に、想定外のトラブルは起こるものでして、そういった緊急の場合、体が空いている(まぁ管理している立場なので空いているというのは本来ちょっと違うのですが・・・)僕がやむなく着ぐるみの中に入る、という事例が過去3回ほどあります。といっても全て10年前のことです。

そして10年ぶりに4回目の出動がつい先日発生したのです。

様々なトラブル内容があるのですが、(例えば、急に閉所恐怖症が発生したりww良い思い出です。。。)今回は、“中の人“が着用するはずのチョッキが箱に入っていないことが直前に発覚し、それがないと体の形状を支える紐(テープ)を無理やり束ねて、それを肩で担ぐ必要が出たのです。

そうなると、元々手配していた女性スタッフには過酷過ぎる・・・。結構な力仕事になります。。。

じゃあ、、、空いてる?僕が?中に?入るしか?無いだろう、、、ということで着ぐるみの中の世界へと没入してきました。

はい、前段が長くなりましたが、この通り、普段から積極的に着ぐるみの中に入る人ではないのですが、やむなく、たまーに、入ることのある人間です、という説明です。

で、この着ぐるみ中の世界、というのが多くの人は体験したことがないと思うので特別にレポートしたいと思います。(ネタが生まれて良かった~、でもありますw)

皆さん、見ず知らずの小さなお子さんから、大好き~♡と抱きつかれたことがありますか?

僕は、着ぐるみの中の住人の時のみあります。

※ちなみに、僕が入ることのある着ぐるみは結構大きくて、正直、外から抱きつかれたとて、その感触は伝わってきません。
イメージとしては浮き輪を着用している時に、その浮き輪の外側を押されているような感覚です。
なので、抱きつかれている感触を喜んでいる人ではないということは明確にしておきます。そう、キモイ話ではないのです。昨今、センシティブですからね(笑)。

で、この着ぐるみは本当にキティちゃんに負けないぐらい可愛いキャラクターなので、だいたい小学2年生以下の子供達からは男女問わず、めちゃめちゃ愛されます。(3歳くらいだと怖がられたりもしますがw)

そして、その小さな子供達がテンション爆上がりで僕の(着ぐるみの)方に駆け寄り、抱きつき、一緒に写真撮りたいと叫び、離れたくないと手を繋ぎ続けるのです。

中にいる僕は、限られた視界ではありますが、その様子を見てただただ「平和やなぁ~」と思うばかりです。
こんなにも見ず知らずの人から求められることってあります?
いやあるはずがない!

この感覚、人気アイドルとかとも違いますよね。
だって自分を晒してないですから。
あくまでもガワ(側)の着ぐるみが人気なんであって、しかもその子たちは中身のことなんて考えることすら無いのです。

つまり、その子たちにとっては僕は存在しておらず、僕はその着ぐるみのただの純粋な命(エンジン)なのです。。。
純粋な『命』だけの役割をしたことって無いと思うのです。着ぐるみの中の人しか・・・。

その瞬間は本当に特別であり、唯一の体験であるなぁーと改めて思いました。

もしかしたら、仮面ライダーショーやプリキュアショーといったイベント会場で催されるキャラクターの”中の人”も近い気もします。

でも、あれって、そこそこ特殊能力というか、練習・段取りも含めてしっかりと修練しないといけませんよね。

でも我が着ぐるみは、中に入って、ゆらゆら揺れているだけでオッケーなのです。それだけで人間から絶大に愛されるのです。

「あぁ~、立ってるだけで、こんなにも子供達に愛され、そして喜ばれるなんて素敵な仕事だなぁ。」と思うのです、一瞬。

本当にこれで家族をちゃんと養えるぐらい稼げるなら、専門職にしても良いぐらいだわ~なんてメルヘンに浸っていると、
ふいに、
「ご苦労様です~」とか、
「あら~大変ねぇ~」とか、
「これ、どこから見えてんの?」とか、
「暑いやろ~?」とか
「ちょっと踊ってみてよ!」とか、、、
言ってくるデリカシーの無い大人が現われるものなんです。
おいおいおい!小さな子供達がいるんだぞ!!と反論したくなります。
もちろん声を出すことはできません・・・。もどかしい思いです。大人って・・・(涙)

例えるなら、赤信号を待っている小さな子たちがいるのに、全く車が通らないからといって大人が信号無視するようなものですよ。
子供達がいる時はやっぱり青信号になるまで待とうよ、っていう話ですよ。

かと思えば、小学低学年と同じくらいのテンションで
「可愛い~♡」と叫んで、抱きついてくれる女性もいます・・・。
(年齢問わず)

おいおい、あなた、中に人がいることは分かってますよね?
外側が可愛いからって、中の人が女性とは限らんのだぞ?
今回のように40歳を超えた中年男性だっていうことはあるわけで・・・。
いくらこちらに感触は届かないからといって、それはちょっと止めた方が良いだろう?それくらい想像した方が良いよ?

例えるなら、女子会をしていて、話が盛り上がるのは分かるが、芸能人や映画やカフェのメニューやらの批評が勢いあまって批判になることがあるけど、その芸能人のファンが隣のテーブルに座っているかもしれんのだぞ?その映画の大ファンが店内にいるのかもしれんのだぞ?その美味しくなかったメニューを開発した張本人が厨房にいるのだぞ?
ということですかね。ちょっと違うか・・・(笑)

いずれにしても、
結局、メルヘンの世界に没頭することは出来ず、大人たちの煩悩により、ただの『命』が、現実世界に引き戻され、44歳の中年男性を自覚せざるを得ないのです。

着ぐるみの中とはそんな世界です。
以上です。(急に終わる!w)

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