はま〜@シウマイ系税理士

税理士です。税金関係の超短い小説(ショートショート)やエモい小説風の日記を書いてます。…

はま〜@シウマイ系税理士

税理士です。税金関係の超短い小説(ショートショート)やエモい小説風の日記を書いてます。1話が3分くらいで読める量です。たまにハッシュタグ祭りを主催したときはそれもまとめたりしてます。

最近の記事

一時支援金とOK牧場

あの税理士さん、頼まれたことは絶対に断らないんですって。 そんな噂で持ちきりの税理士がいました。 「確定申告してください。」 「OK牧場」 「領収書を持ってきたので、丸投げしていいですか?」 「OK牧場」 「自分でfreeeに完璧に入力したんですけど、念のため見てもらえませんか?」 「OK牧場」 なんでもかんでも「OK牧場」と快く受け入れます。 いつも「OK牧場」と言っているので、いつのまにかその税理士には「ガッツ石松」というあだ名が付きました。 ガッツ石

    • エコとありがとうの人

      どこにでもあるような普通のコンビニがありました。 私はそこの店員さんが好きでよく通っていました。 親切ですし、面白いですし、私が困ってるときには、よく相談に乗ってくれるんですよ。 店員さんは夢があって、夢の実現のために頑張っているんだそうです。でも、それだけでは生活ができないので、生活費を稼ぐためにアルバイトをしていると言っていました。 ある日コンビニに買い物をしにいくとこんなことを言われました。 「エコのため、ビニール袋を廃止しました。」 「あぁ、そうなんですね

      • レーザーレーサーを着たジーサン

        俺、ある会社を営んでいるんだ。 従業員が10人くらいの小さな会社なんだけどね。 ある日、掃除のジーサンを雇ったんだよ。 いつもレーザーレーサーを着ていて変なジーサンなんだけど。 レーザーレーサーって、着ると泳ぎがむちゃくちゃ速くなる水着ね。 プールで泳ぐわけでもないのに、何故かいつも着ているんだ。 そんな変なジーサンなんだけど、仕事がすごく速いんだ。 掃除なんてすぐに終わってしまうんだよ。 しかも、彼が掃除をすると、玄関、トイレ、デスクあらゆる

        • 不思議なハサミ、金、消費税還付

          お坊さんだけが持つことが許されるハサミがある。 知ってた? そのハサミを使うと除霊が簡単にできるんだ。 チョッキン 何かを切る真似をするだけで、除霊できるんだ。 すごいでしょ? ただね、そのハサミを使っていると、人体に影響があるんだ。 そのハサミを使うたびに、髪の毛が薄くなっていくんだ。 ハゲていくんだね。 だから、お坊さんって、髪の毛がない人が多いんだよ。 知ってた? このことは、みんなには内緒だよ。 ------------------ 武蔵小杉

          ハロウィンと税金の使い道

          「いま日本では災害が続いて人手もお金も必要な時に1億円も税金を投入して警察も警備を強化しなければいけない状況っていうのは非常に残念に思います。」 ハロウィンの際に、渋谷で発生する警備料に対するコメント。 とあるアナウンサーの言葉だ。 ミタパンというアナウンサー。 素晴らしい発言。 小悪魔的な容姿とは違い、とても真っ当な意見。 確かにバカ騒ぎなんかに、大切な税金を使いたくないよな。 ミタパン、一気にファンになった。 彼女のコメント

          ハロウィンと税金の使い道

          オオカミ少年と無申告

          村一番の人気者がいた。 多くの町民から愛されていた。 とにかくシャベクリが上手いんだ。 少年がいるところには、いつだって人が集まった。 特に、おいしいキュウリを作る人になりたいという漫才は、みんなのお気に入りだった。 でも、少年には悪い癖があった。 ある場所に行くと嘘ばかり付いていた。 少年はある場所がとっても嫌いだったのだ。 自分のお金をたくさん持っていってしまうから。 ----------- 「狼に家を燃やされたので

          オオカミ少年と無申告

          【3分小説】一万円札と輸出戻し税

          「カネは天下の回りもの」 なんて使い古された言葉がございまして、 お金がバレリーナみたくクルクル回る、という意味だと思う人は当然いないわけでございますが、 お金は貯めておかずに使わなきゃいけないよ、という意味だと思っている人も一定数いるらしいので誤解を解いておきますと 実はお金は常に世間を巡り巡っているものだから、お金持ちでもいつかお金がなくなることがあるし、逆にお金がない人だってそのうちお金持ちになるかもしれないよ、って意味なんでございま…… おっと、あ

          【3分小説】一万円札と輸出戻し税

          【日記】お墓と2つの士

          「俺は自分の名前が嫌いなんだ。」 祖父の言葉で、印象に残っているものの1つだ。 祖父の名前には「士」という漢字が使われていた。士は武士の士にも使われる。人を殺めることを生業としていた武士に使われている漢字が自分の名前に入っている………祖父はそれがどうしても気に入らなかったのだ。 彼が亡くなってもう8年が経つ。 もし生きていたら今でも同じことを言うのであろうか。 私は生後8ヶ月の息子を抱っこしながら、祖父の墓石に刻まれた「士」という漢字を見つめていた。 ---

          【日記】お墓と2つの士

          【日記】木星と私

          「木星と私、どっちが重いと思う?」 家に帰ってくるとすぐに娘は妻に問いかけた。娘の瞳は満点の星空のように輝いている。 「さぁどっちだろう?」 妻は、誰かさんのようにヘンテコな表現をするようになった娘に、目を細めながら返事をしていた。 --------- はま〜と娘は、神奈川県藤沢市にある湘南台文化センターに出かけた。 湘南台文化センターは、小田急線の湘南台駅から徒歩5分で行ける施設だ。子供が遊んで学べるものが充実しており、プラネタリウムやビデオギャラリー

          【3分小説】イートインとボロボロの斧

          またあの常連さんが来た。 いつも店に入ってくるとすぐに、イートインコーナーに向かう。 荷物を置いて席取りするんだ。 荷物といっても「ボロボロの斧」だけどね。 ボロボロの斧は、場所取りには最適の代物だ。昔話にでてくるような金の斧や銀の斧と違って、誰も盗もうと思わないからね。 斧を置いた常連さんは、イートインコーナーに貼ってある「ウユニ塩湖のポスター」を見ながら機嫌良さそうに歌を歌っている。 「ヘイヘイホー」 だってさ。 ------- 「よぉ、サク。

          【3分小説】イートインとボロボロの斧

          【3分小説】カクレクマノミとカフ控除

          「カクレクマノミ」っていう魚を知ってる? カクレクマノミって不思議で、ほとんどの魚が性別ってないんだ。 何十匹という群あったとしても、そのうち2匹しか、性別がない。 オスとメスが1匹ずつだ。 「税制」も一緒でほとんど性別って関係しないよね。 何百って税金の制度があるけど、性別でなにかが変わることは少ない。 男女で異なる税制で思い浮かぶものは、寡婦控除と寡夫控除かな。 めんどくさいからまとめてカフ控除って呼ぶね。 結婚相手が先に死んだ場合とかに税

          【3分小説】カクレクマノミとカフ控除

          【3分小説】タピオカグリーンティーとキャッシュレス化

          タピらずに 歌えるものか カラオケぞ 「これ私の作品なんですよ。」 常連さんが、ボソボソと言った。サラリーマン川柳の優秀作品が書いてある紙を私に嬉しそうに見せながら。 「eさん、よかったですね。なんだか私も嬉しいです。」 私は出来立てのタピオカグリーンティーを渡した。 私はその常連さんをeさんと読んでいる。 本名も職業も知らない。わかっているのは、彼の顔がeという文字に似ていること。 そして、ボソボソしゃべることだけだ。 ----------- 私は

          【3分小説】タピオカグリーンティーとキャッシュレス化

          【3分小説】イカと売上と消費税

          オフィスには大量のダンボールが積み重なっていた。 ダンボールは日に日に増えていく。 僕はこのダンボールに押しつぶされそうになりながら事務仕事をしている。 ピンポーンとインターフォンが鳴った。宅配便だった。「いつもありがとう」と言って荷物を受け取った。 かなり大きめの箱だ。 ダンボールを開けてみると、中には大量のイカが入っていた。 --------- 「売上が落ち込んでいる。」 「消費税の増税があったせいだ。」 「たった2%の消費

          【3分小説】イカと売上と消費税

          【3分小説】配偶者居住権と狼の陰謀

          3匹の子豚って話を知ってるかい? 藁の家や木の家に住んでいた豚が狼に食べられて、レンガの家を作った豚が生き残った話あったでしょ? そのレンガの家を作ったのが僕だ。 あの悲しい事件のせいで、二人の兄を失った。僕の家族は僕と父と母の3匹だけになった。 物語は僕が狼を撃退して終わっているんだけど、現実ではまだ続きがある。 あの狼は今でも家まで僕を食べにくるんだ。いろんな変装をしてやってくる。この前は税理士のフリして僕の家にやってきたよ。 「配偶者居住権って知って

          【3分小説】配偶者居住権と狼の陰謀

          【3分小説】タコ店長と店内飲食

          2019年9月。消費税の増税まであと1ヶ月を切った。 ここはハンバーガーショップ。海の生物であるタコがオーナー兼店長をしている 店の奥から「うーん、うーん」と店長が何やら悩んでいる声がする。 気になって奥の方を覗いてみると、店長が頭を抱えている。横には散乱した算数ドリルがあった。 僕は知っている。 店長が悩んでるのも、算数ドリルが散乱しているのも、全部、消費税の増税のせいだ。 話は少しだけ前に遡る。 --------- 「わーいわーい」 店長

          【3分小説】タコ店長と店内飲食

          【3分小説】軽減税率と白い豚

          うちの牧場にはちょっと変わった豚達がいる。なんでも「軽減税率」とかいうものの対策だそうだ。 僕はその変わった豚達とお友達で、毎日必ずお話をしている。 「ボウズ、俺達はなんで肌の色が真っ白なんだろうなぁ」 ある日、一匹の白い豚がボヤくように呟いた。 「他の牧場の豚はピンクなんだろ?それなのに俺たちは真っ白だ。なんか自分達が豚じゃないみたいで恥ずかしい」 悲しげな表情で僕に向かって言う。 「軽減税率とかいうものの対策らしいよ。」 軽減税率

          【3分小説】軽減税率と白い豚