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フィルムカメラをデジタイズしてみるぞい(1/n)

こんにちは

こんにちは。れんずと申します。某大学きらら同好会に怪文書を送りつけたり、

個人サークルで同人誌を頒布したりしておりました。

在庫が自宅にあるのですが、メロンさんへの委託作業が済んでおらず……近いうちに作業終了させて再頒布させていただきます。。。

という自己紹介はおいといて、今回私はフィルムカメラをデジタイズしてみようという大目標のもと、活動を始めましたのでその記録と備忘録を兼ねて本稿を執筆いたします。とりあえず今回は背景と仕様確定、具体的な方針決定までを書きます。次回更新はいつになるやら…

動機

フィルム、高くない…?

 動機は小見出しの通りです。こんなインターネットの奥底まで見に来られる方なら実感しているでしょうが、フィルムの値上げはとどまるところを知りません。物流停滞、安全な資産としての銀の需要増加などのあおりを受けた、フィルムの国内での暴騰、映画用の詰め替えでさえひとこえ2000円…… 最近フィルムを始めた人間からしても、さっきまで650円だったColorGOLDやColorPlusがいまや1500円超えるようなことになろうとは…… 嫌な趣味を引き当てたものです。正直馬鹿らしくなってしまいます。

 私もフィルムを使うようになって、デジタルの便利さというものを再認識させられるようになりました。躊躇なくブラケット撮影できたり、撮影結果をモニタやPCで確認し、そのまま画像処理に回せたり。やはりデジタルは神。デジタルしか勝たん。
 一方で、フィルムを始めてデジタルの不便さ・欠点を補うこともできるようになりました。デジタルは充電済電池とメモリーカードをAND条件で満たさないといけない。これが普段ポンコツな私には非常に難しいのです。本郷で雪を撮ろうとしたら「メモリーカードがありません」。いざ駅で電源を入れようとしたら入らない。あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!ということがフィルムを始める前から多々ありました。これだからデジタルはよ~~~~~~(怒) そこで機械式フィルム機を持っておけば、何枚かは写真に残すことができます。先述の雪の日の本郷などがまさにそれでした。

 余談ですが、このときに撮った雪の写真はいまだ私の中で代表作の地位を占めています。愛、愛です。愛は世界を救います。

でもフィルム機を使いたい!

 デジタルは便利だと言っておきながらなんですが、私はデジ機より(機械式)フィルム機の方が、手で持って弄る機械としてはすきです。操作系は極めて単純、設定値は常に部品上に表示されています。しかも巻き上げ操作も重量感も程よい重さで、触ってて気持ちいい。動作音も内部の部品の動きから出る軽快な(?)機械音で、耳に良い。特にPENTAX SP系の軽いミラー音やkiev-4aの1/10のシャッタ音が私はだいすきです。
そしてなによりも!顔がいい!!!

 感性は人それぞれですが、かっこいい とはこういうものを言うと思います。武骨で繊細な直線美。男の子はこういうものに惹かれるのです。古事記にもそう書いてある。しかし悲しいかな、このようなかっこいいカメラたちは、往々にしてフィルム機なのです。そうこうしているとある日、天から声が降ってきました。

じゃあ、そいつらをデジタル化すればいいんじゃね?(天才の発想)

 そうです。デジタル化したフィルム機なら、フィルムの値段を気にせずフィルム機で写真を撮れます。やったねたえちゃんフィルム機が使えるよ
FujiのXシリーズ使ったら? という冷静な声が聞こえますが、冷静になってはいけません。趣味の工作、同人誌執筆、丁寧な生活。これらはほっと一息ついた瞬間に意味が瓦解していきます。冷静になってはいけません。

どんなカメラを作るか

 フィルム機をデジタイズするのはいいが、どんなカメラを作るのか決めていません。改造元は? 改造の基本方針は? どんな機能が必要・不要か? この辺を私の感性と相談しながら決めていきましょう。

改造元 フィルム機側

 まずはフィルム機側、「なにを」デジタイズするかです。絶対条件はただひとつ

  • かっこいいカメラ

 これだけです。そうなれば私の中で第一候補は決まっています。黒塗りКиев-4аモスクワオリンピック記念ソ連国内向けモデルです。

 いちおう第二候補も考えておきましょう。プランBは大切です。私の中ではPENTAX SPがそれにあたります。この選定には技術的問題も絡んできますが、それへの言及はあとに譲りましょう。当然、SPも軽くてかっこいい、良いカメラです。

 第3候補もあります。ГОМЗ Ленинградがそれです。

 かっこいい、(実質)FP接点使用可、シリアルナンバーの上2桁が00個体、宇宙進出した初のスチルカメラというロマン付きですが、コイツの改造は暫くナシです。機構上フィルムの巻き上げドラムを空で回し続けるのが良くないらしく、修理がどうにもならなくなったらデジ機に改造します。あと今この子は距離計が狂ってる……

改造の基本方針

 これらのカメラをどのように改造するかです。念頭に置いたのは復元可能性です。すなわち、デジタイズしたカメラでも、フィルム機として使えるようにすることを重視します。また、フィルム機側を分解することは絶対に避けます。これは私のカメラいじり技術の問題と、復元可能性を考えてのことです。すなわち、フィルム機本来のシャッターでイメージセンサーに光を届けることになります。この点でkievは非常に有利です。裏蓋が取り外せるため、フィルムを交換する要領で裏蓋を交換すればよいことになります。デジタル用の裏蓋は適当にebayからジャンクで取り寄せればいいでしょう。 
 次に重視するのは操作系の単純性です。デジカメに搭載された、もしくはマイコンでできる様々な処理は抜きにして、単純に「写真を撮る」だけの機械を作ります。機能もフィルムに寄せて、撮影後の確認や編集機能も無くします。感度変更は……感度を変えたデジタルバックを複数作ればいいでしょう(脳筋)。そのレベルで操作をフィルム機に寄せます。
 当然、レリーズ操作もフィルム機に寄せたいわけですがこれはちょっと難しいです。シンクロ接点で同調させることも考えたのですが、kiev-4aはX接点のみ搭載しています。FP接点を使用して前幕の走り出しからセンサーの露光ができればよかったのですが…というわけでFP接点を搭載したPENTAX SPがめでたくフィルム機側の第二候補に収まったのでした。SPならジャンク300円で入手できるぐらいには転がってるし、ひとつやふたつ復元不可能になるまで改造・破壊してもええやろという意図があったわけではありませんよ? ええ。

改造元 デジタル側

 さて、デジタル側です。これにも手法にふたつ候補がありました

  • イメージセンサを買ってきてマイコンで駆動する

    • 秋葉原の電子部品屋で売っているカメラ・センサを使う

    • ebayで中国などから出ているデジカメのイメージセンサをマイコンで駆動する

  • デジタルカメラを分解・改造する

 前者のイメージセンサを買ってくる案について、部品屋のカメラ・センサはいずれも数ミリ四方と、カメラオタクにとっては非常に小さなものでした。8mmの映像を見慣れているわけでも、8mmカメラをデジタイズするわけでもないので、最低でもセンサーサイズはM4/3、妥協してAPS-C、フルフレームだとにっこりするレベルでセンサーへの要求が厳しいです。また、一般的な35mm用レンズをボディに装着するため、センサーサイズが小さいとたとえЮпитер-12をつけていても望遠になってしまいます。それはちょっと...だいぶ……嫌だな……
 デジカメのイメージセンサをマイコンで駆動することも考えましたが、イメージセンサの仕様書なんて出てくるわけもなく、駆動も0から勉強する必要があったので、今回は断念します。

 すると消去法的にかデジカメを分解・改造することになるわけですが、これには先行研究が多く存在します。しかし、これらと今回の試みが決定的に異なる点は、デジカメ側の操作もほとんど殺してしまうことです。モニタも再生ボタンも、写速ダイヤルも感度変更も、デジカメ側のシャッタや露出計さえも取り除くことを考えています。つまりデジカメさんには「自分のことをNikon D800だと思っているkiev-4a」になってもらうわけです。ごめんね……でもジャンクとしてカゴに放置プレイされたり転売屋を渡り歩くよりマシでしょ…? 私のエゴだけど、赦してね……
 全体の造形としてはデジカメから取り外したセンサと基板類、バッテリを、カメラ内の本来フィルムが入っていた空きスペースや、それが足りなければ別途購入するモータードライブのガワになんとかして埋め込み、フィルム機本来の形態と雰囲気を大きくは損なわないものにしようと考えています。

参考文献

 それでは今回はここまでとし、以下にフィルム機をデジタイズした例や、似た事例を複数列挙して備忘録兼参考文献とさせていただきます。それではゆるゆるとやっていきますので、よろしくお願いいたします。

特に最後の記事ではシャッターをなくす改造をしており、大いに参考になりそうです。

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