タンポポ

人生を徒労に賭ける 寄り道をしましょう

今頃は、アメリカでの挑戦の真っ最中だと思いますが、
その模様はまた後日あらためてお伝えしますね。

先日、禅の師匠である藤田一照さんからお聞きした一言が
心に残りました。

「人生を徒労に賭ける」

一照さんが高校時代の同級生に会ったときに、
「おまえは高校のとき、『この人生を徒労に賭ける』と言った。
高校のときのお前のままで生きているのが素晴らしい」
と言われたそうです。

藤田一照老師の紹介はこちら
http://fujitaissho.info/

愛媛県出身の一照さんは、当時、兵庫県の灘高校に通っていました。
灘高校といえば、言わずと知れた日本でも屈指の進学校ですよね。
そして、その後東大に進み、大学院を中退して、
禅の修行に入ることになります。

一照さんは同級生からその話を聞いたとき、ご自分の言葉を
覚えていなかったそうですが、なぜかとても嬉しかったそうです。

「人生を徒労に賭ける」の「徒労」とは「無駄」。
つまり、「人生を無駄なことに賭ける」ということとも言えるのではないでしょうか。

この話をうかがって、高校生のときからこのような考えを
持っている方がいることに衝撃を受けました。

一方で私は、無駄なことが嫌いでした。
最近まで、無駄なことを排除して生きてきたように思います。

無駄なく、効率的に生きる。
無駄なく、必要なことをやる。
無駄なく、まっすぐに生きる。

この人生が無駄に終わらないように、努力する。
いかに社会に適応し、社会の中で認められる人間になっていくか。

結果が見えないものは無駄に見えていました。
だから、目に見える目先の結果を優先し、努力してきました。

どこかで、人生が無駄に終わることを恐れてきたのかもしれません。
何か自分にしか出来ないすごいことを成し遂げたい。
しかし、何かすごいことを成し遂げるようと思うほど、
自己嫌悪に陥ったり、焦って結果を求めすぎてしまうのです。

これはこれで、頑張って生きてきた精一杯の自分だと思いますが、
目に見える成果を求めていては見えない、
もう一つの大切なものがあることが分かってきました。

7年前にアメリカへの挑戦をはじめて、
自分の無力さ、そして頑張ってもどうにもならないことを知りました。
でもそのおかげで、
徒労に終わってもやりたいことに出会えたような気がします。

成功するためではなく、ただアメリカに行きたいから行く。
多くの人との出会いを求めるのではなく、1人との出会いを大事にする。
すごいことを求めるではなく、普通のことをする。
ないものではなく、あるものを見る。

意味がないと思ってきたことを大事にする感じでしょうか。

意味があると思ったことだけ選んで生きてきた私にとっては、
意味が見えないコトへの挑戦は怖すぎます。

若いときは寄り道がない人生でした。
40代にしてようやく寄り道をすることが出来ました。

これはこれですごく贅沢なことですよね。
しかし当初はそんなことにも気づかず、
何か新たなものを発見した自分に酔っていたかもしれません。

妻に「意味がないことこそ豊かさなんだ」と懸命に語っていたら、
「あなたの言うことにはすごく違和感がある。
毎日仕事にいって働くことではダメなの。」と鋭い指摘を受けました。

そのとき、意味がないことに偏っていた自分に気づかされました。
豊かに生きることにこだわりすぎていたのだと思います。
禅を学ぶ中で、どこか分かった気になっていた自分がいました。

人生をより豊かに生きることは大事なことだとは思いますが、
絶対的に必要なものは、他にたくさんあります。

日々食べること、健康に生きること、仕事をすること、
家族を養っていくこと……

自分を磨くというのは、衣食住が足りてのこと。
私がやっていることは、ある意味贅沢なこと。
そんな基本的なことを忘れていました。

どこかで自分のやっていることが、意味あることだと思いたいし、
誰かのため、社会のために役に立っていると分かって欲しい。
だから、どこかで力が入っていたように思います。

より良く生きるというのは贅沢な悩みですね。

私のやっていることはまさに無駄なこと。
贅沢の部類に入るのだと気づいて、むしろ心が楽になりました。

無駄なことを無理強いする必要もないし、
ことさらいいものだと強調することもない。

でも、この無駄なことに賭けたい自分がいるのです。

無駄に賭けるとは、結果が出なくてもやるということ。
人や社会からの評価には関係なく、
自分の中からこみ上げてくる何かに突き動かされている状態。

アメリカでは、私の話を進んで聞きたい人など、誰1人いません。
ある意味、ただのおせっかいでお邪魔しています。
なのに、行き続けている自分がいるのは、自分でも不思議です。

多分、無駄なことに賭けたい自分がいるのです。
この人生、たとえ徒労に終わっても、
信じたことをただやり抜きたい。

それがどこかで何かのお役に立てれば、
これほど嬉しいことはありません。

もちろん徒労に終わったら本当に残念ですが、
だからこそ、笑いながら、そしてこの瞬間を突き抜けていける
のではないでしょうか。

「人生を徒労に賭ける」

この言葉は私の座右の銘になりそうです。
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