夕日と朝日

禅を仕事に取り入れる 「終わりは始まり 始まりは終わりの仕事術」

あなたは、朝起きるのが得意ですか?

私は、朝起きるのが苦手です。


あなたは、苦手な仕事にすぐに取りかかれる方ですか?

私の場合、仕事にもよりますが、とっかかりは悪い方です。
やらなければならないという気持ちはあるのですが、
苦手な仕事ほど後回しにしがちです。

それでは、あなたは、どのように仕事を終えていますか?

・とことんまでやりきって終わる。
・エネルギーが空っぽになるまでやる。
・余力を残して終わる。
・楽しいくらいで終わる。
・何となくズルズルと続けてしまう。
・時間で決めて終わる。
・決めたタスクを完了したら終わる。

色々な終わらせ方があると思います。

私のように始めるのが苦手な方は、スタートが重いといえます。
スタートにたくさんのエネルギーが必要なのです。

いかに朝いい立ち上げをするか。
いろいろ試しましたが、なかなかいいリズムが生まれません。
そこで、「いかに終わるか」を大事にしはじめました。

たとえば、朝の目覚めをよくするために、
夜寝るときにお腹を空かせておきます。
すると、朝ご飯が食べたくなるので、朝起きやすいのです。
そのため、夜は満腹にしないようにしています。

以前はつい、晩ご飯を食べるのが楽しくて食べ過ぎていたのですが、
これではお腹がもたれてしまいます。

「腹八分目」とは、食べ終わるときに余裕を残しておくこと。
これが健康にいいとは、古の人は上手く言ったものです。


また私は、経理が苦手です。
なので、取りかかるまで時間がかかります。
しかし、面白いもので、経理の仕事をやりきったときには、
充実感にあふれています。

そこで、その月の経理をやり終えたら、
次の月の経理を始めておくようにしました。
たとえば、伝票を日付順に整理しておくなど、
何か次へのとっかかりをつけておくのです。

たとえば、時計が一周回って12時で終わるのではなく、
12時5分で終わるようなイメージです。
これによって、「イチからやらなければ」とならず、
力をかけず自然にスタートできます。

スタートが苦手な人は、一から始めないことが肝心です。
楽にスタートできるように工夫するのです。


私は、昔からよーいドンというリズムが苦手でした。
それよりも、シンコペーションのリズムというか、
少しズレている方が心地よいのです。
終わりと始まりが重なっている感じでしょうか。

スポーツでメンタルトレーニングの指導をしていても、
上手くいっているプレーは、心と身体が少しズレています。
しかし、緊張したり、結果を考えたり、欲が出ると、
心と身体はこのズレを失います。

考えて習得できるモノではありませんが、
少しズレた状態とそうでない状態を知っておくことは大事です。


先ほど「腹八分目」と書きましたが、
何事もやり過ぎないことも大事ではないでしょうか。

美味しくても食べ過ぎない。
調子が良くてもやり過ぎない。
燃え尽きるまでやらない。

目がさえていても早く寝る。
朝眠くても寝過ぎない。

何でもやり過ぎると、必ず反動がやってきます。
やりすぎて終わるのは、その瞬間は満足できても、
決して自然な終わり方ではないのです。

禅の師匠は、「物足りないくらいが丁度いい」とおっしゃっていました。

理由についてはおっしゃいませんでしたが、
私の経験では、お腹いっぱいだとエネルギーがわいてきません。
少しお腹が空いているくらいが、
次に動くエネルギーになるように感じます。

人と話すときも、
思っていることをすべて話しきって満足というときは、
自己満足になっていることが多いです。
相手が半分、自分が半分くらいの割合で、
話し足りないくらいの方が、相手とのいい会話ができています。

なぜなら、私たちの人生は、1人で生きていないから。
常に何かに支えられ、生かされているから。
そして、常に動き続けています。


あなたは、お寺などで〇い書画を見かけたことがあるでしょうか。
円相と呼ばれているあの円は、宇宙の真理を現していると言われています。
〇を見ていると、どこが始まりで、どこで終わるのは分かりません。

一年を見ても、梅が終わる頃、桜が咲く準備を始める。
蝉の鳴き声が終わる頃、赤とんぼが飛びはじめる。
季節にも明確な境があるわけではありません。

春から夏へ、夏から秋へ、秋から冬へ、冬から春へ、
そして再び春から夏へ。

大晦日を私たちは特別な時間と感じます。
一年を振り返り、新たな年へと移りゆくつかの間のとき。
毎年一回訪れるこの瞬間は、
何か特別なときのように感じます。

私たちは、時を進んでいると感じると同時に、
時は繰り返すとも感じているのです。


これは一日も同じ。
終わりは明日への始まり。

また一息も同じ。

それが自然の循環の中で生きるということだと思います。
流れに逆らうと苦しくなります。


メルマガの原稿を書くときも、
以前は一本を書き上げて終わっていました。
しかし、それでは次の原稿を書き始めるのに、
かなり労力が必要です。

元気なときはいいですが、
書くエネルギーがわかないときに、
続けるのが苦痛になります。
書くことがない日には、
パソコンを開くことさえ苦痛になります。
それでは、書き続けることはできません。

そこで、原稿も一気に書き上げないようにしています。
あえて完成させず、余力を残しておきます。
そして、次の原稿を書き始めるときに、
前の原稿を読み返す時間を作るのです。

そうすると、新たな視点で原稿をみることができて、
追加したい部分や修正したい部分が出てきます。

前回の続きから取りかかることで、少しの労力で始められます。
そして最初に原稿を完成させることで、いい流れができるのです。


終わるときは、次への始まりを意識する。
やりすぎるのではなく、
余力を残して、やり足りないくらいで終わる。

始めるときは、静かに始める。
前の続きから始めてみる。
前回までを見直してみる。

これが私の「終わりははじまり。はじまりは終わり」の仕事術です。
何かご参考になれば、幸いです。


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