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逆噴射小説賞応募作

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物語の『書き出し』だけの小説賞。 逆噴射小説賞に応募した作品をまとめたマガジンです。 ※第一回賞は400文字、第二回賞は800文字の冒頭のみです ※ごく一部の作品を除き、続きは… もっと読む
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#逆噴射小説大賞2021

逆噴射小説大賞2021、奨励賞を獲得しました!

小説の冒頭800文字で挑む賞、「第4回逆噴射小説賞」の結果発表が本日2月28日に行われ、拙作『玄獣狼、吼える』が奨励賞に選ばれました。やったぜ!!!!! 賞に関する説明は、主催者であるダイハードテイルズさんの記事を参照していただくとして。まずは奨励賞を戴けたこと、嬉しく思っています。 ありがとうございました! noteでの結果発表・コメンタリー記事は三月に公開されるという事で、どのようなコメントを戴けるのか、また今回まだ発表されていない最終選考作品にどのようなものがあるの

玄獣狼、吼える。

 獣とて、剣に焦がれることはある。  山の主を喰い殺し、妖魔さえ己が獲物とした魔狼は、その日生まれて初めて自身の脚より迅く、自身の牙より鋭いモノを見た。  近くの国に名を轟かせる剣豪、武路譲羽の剣である。  魔狼の牙を凌ぎ、駆ける爪に先んじて繰り出される斬撃に、魔狼は美しい黒毛を幾度となく裂かれた。けれど譲羽は魔狼の返り血さえ浴びることなく、涼しい顔をして月下に立っている。  魔狼は思った。この人間に勝つことは出来ない。  であればせめて。この山で最強を誇った牙の持ち主と

屍滅鉄騎クソだる日記

 ヒトをゾンビ化するウイルスを放ったのは、世を儚んだオッサンなのだと言う。  曰く、世界はどんどんと悪くなる一方であり、未来に希望などは無いらしい。  だから全てを滅ぼして、最初からやり直してしまう方が人類の為だとか。  そんなオッサンの言葉に世の多くのオッサンオバサンが迎合して、自らゾンビウイルスに感染して他のオッサンオバサンをゾンビ化していった。  テレビでいつも文句言ってるオッサンはそれが政府のせいだとか言ってキレて、ウイルスを撒いたオッサンは被害者なのだと言い出して