ブレイクカード・プリミティブ

 人生の価値はカードで決まる。

 強いモンスターを封じたカードがあれば戦いに負けないし、便利な能力を持つモンスターなら生活や商売に役立てられる。
 それで得た金で、更に良いカードを手に入れる。そのカードで更にカードを得て、更には……

 ……要は、強いカードを持っていない人間は駄目ってことだ。
 中途半端でもいけない。下手に強いカードを持っていても、より強い者に奪われて弱者に逆戻り。俺の父がそうだった。
 巨人のカードで広い農園を耕していたのに、そのカードに目を付けられ……勝負に、負けた。巨人を失い農園は閉鎖。路頭に迷って、母と俺を残して首を吊った。

 だから俺は諦めていた。
 弱いカードしか持たない俺は、一生底辺から抜け出せないのだと。

「けどまぁ、こういう事もあるもんだ」

 俺は地面に倒れ伏した貴族を見下ろし、笑う。
「何故だ……俺の蒼竜ブラストラゴが、そんな雑魚に……!」
「知らないのか? 組み合わせって言葉を!」

【続く】

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