主人公ではない話

日頃大切にしている考え方や座右の銘などはありますか?

このnoteは私の半生から書き始めたこともあって、「私」が主語になっている内容が多いです。その中で散々「自分が大事だ」「この世で最も尊重すべきなのは自分の意志だ」みたいな話を書いてきたんですが、それはそれとして、私はあんまり自分のことを主人公だとは思っていないんだよな、という話をしてみます。


主人公の人、たまにいますね。傍から見ていて「この人完全に主人公として生きてるでしょ」という人が。いつも人々の中心にいて、妙に画面映えのする何かしらが巻き起こっている。それらは大抵、人を惹きつけるものをその人自身が放っていることで、良くも悪くも「呼び寄せて」いたりします。私の知り合いにも、何人か主人公っぽい人がいますね。

主人公たちが歩んでいる、面白くて派手なストーリーと比べたら、私はせいぜい「ときどき登場する脇役キャラクター」くらいに過ぎないのだろうと感じています。でも、それでいいですし、むしろ、それがいいです。いつからか、そのように考えるようになりました。

集合写真で一番後ろの端っこに行きたくなるのと同じような感覚で、主人公じゃない立ち位置のほうが私にはしっくりきます。自分を最大限に尊重することと、自分が主人公ではないことは、何も矛盾していません。若い頃なんかは、人気者に憧れるような気持ちもあって、そのあたりの区別があまりついていなかったようにも思います。

自分が主人公側ではないことをはっきり自覚して納得できたその瞬間から、ようやく私のストーリーが本格始動できた、という印象があります。


で、今ではその認識からもう少しだけ発展して、欲を言えば相棒シリーズの神川くんとか、こち亀だったら日暮さんのような、定期的に訪れる風物詩や自然現象に近い存在になりたい気持ちが芽生えてきました。

そういえばあの時あの人に会ったなあ、とか、あの時あんなことがあったなあ、なんて具合に、誰かの思い出のどこかに、気ままに出現はしていたい。主人公じゃないほうがいいけど、ときどき、ちょっとした役割が欲しい。

結局これ、なかなかのワガママを言っているわけなのですが、そういう心がけというか、生きていく上でのイメージ感は持っています。ここ何年かは、わりとできている気がするんですけどね。


それらを一言でいうなら、私の理想の人生像は「いい感じのモブ」なのかもしれません。座右の銘らしい座右の銘、特に設定していなかったのですが、しばらくこれを座右の銘にしてみようかなと思いました。

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