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東北2023秋 その3

Day3 松島ステージ

チェックアウト時間ギリギリまでホテル客室でのんびりと過ごし、中津川を遡上する鮭の物真似をしながら盛岡を立ち、秋田新幹線で仙台駅へと向かった。秋田新幹線、また会えたね、ありがとう。

仙台駅間近のホテルに荷物を預け、直ぐさまJR仙石線で松島海岸へ向かった。ローカル電車旅である。風情がある。車内には地元の女学生や、ちらほら外国人観光客もいた。あっ、あの人は泰人だ。困っている素振りだな、泰語で話しかけようか。否、止めておこう。

電車は程なく松島海岸駅に着いた。ホームに降り立つと焼き牡蠣の匂いが漂ってきた。焼き牡蠣駅に改名しても嘘ではないな、そんなことを思いついた外国人観光客の後をつけるように、松島海岸に赴いた。

高校の修学旅行以来、およそ40年ぶりとなる海辺の風景が感慨深い。当時と比べ、観光船の数が異常に増えた気がする。海面を埋め尽くすこの船の数はパタヤビーチのようだ、そんなことを思いついた外国人観光客の後をつけるように、松島五大堂に赴いた。

「松島と言えば、一番の売りは何であろうか。」天才数学者達を悩ませてきたミレニアム懸賞問題の一つである。この難問に対する模範解答は、そう、「かまぼこ炙りアクティビティ」だ。

竹串に刺された生かまぼこを電気グリルで炙ることで、熱エネルギーを付与されたかまぼこ内部の水分が気化し、体積を膨張させた水蒸気がその運動エネルギーによってかまぼこ本体を膨らませ、徐々にだが確実に焼きかまぼこは完成していった。

初夏を思わせる爽やかな陽気の松島を後にして、名物の待つ仙台に戻った。
「さぁ、夕食だ。」
「勝どきを上げろ。」
「牛タンnightの始まりだ。」
ホテルで洗濯をしたかったので、牛タンnightは早々と打ち切った。徐々にだが確実に仙台の夜は更けていった。

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