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協働し創造することで不確実性に親しむプロダクト”Your Pleasure”

プロダクトを創ることの難しさと楽しさを感じ続けた7か月間でした。

ものづくりは、当たり前だけれど「0→1」を生み出すことです。アイデアやコンセプトやソリューションやビジネスモデルではなく、確実に物理として世の中にないものを現実世界に創出すること。

正解がない、あるいはすべてが正解と言える中で、言葉とモノと体験を一つ一つ確かめていきようやく生まれたのが、私たちのプロダクト「Your Pleasure」です。

不確実性への恐れというバイアスをやわらげ、創造性を取り戻すことへのチャレンジ

私たちのプロダクトのコンセプトは、「不確実性への恐れというバイアスをやわらげ、創造性を取り戻すこと」ということです。

不確実性への恐れとは、失敗したくない、間違った選択をしたくない、新しいものより前例があるものが良いという、誰もが知らず知らずに身につけたしまった考えであり、バイアスです。

しかし、現代は不確実な時代と言われます。私たちは、この不確実な時代を生きていく中で人が創造性を取り戻すためにこのプロダクトを考えました。

人々が、楽しみながら自然に不確実に慣れ親しみ、結果として創造性を発揮することって実は簡単だよ。普段帰らない道を帰る、選ばない色の服を買ってみる、あまりしゃべったことのない人と会話してみる、そんなちょっとした変化することへの思いをすこし考えるきっかけになればと思ってます。

プロダクト設計について

私たちのプロダクト「Your Pleasure」について説明します。

簡単に言いますと、鏡の空間の中に、自然物と鏡でできたブロックを2人で交互において造形物をつくるものです。おそらくイメージしやすいものとして「レゴ」があるかと思いますので、それと比較して説明します。

プロダクトルール

1.2人で協働すること
2.創るものはテーマが与えられる(例:希望を作ってください)
3.お互い3回ずつブロックを置くことができる
4.ブロックを置く人は、指令カードを引いてそこには、使うブロックの種類と数が書かれている
5.3回終わったら、最後にそれぞれ作ったものにタイトルをつける
6.お互いの感想を言い合う

(写真は同じテーマで別の3組が作ったプロダクト。一つとして同じ造形物が作られることがない)

終わった後の感想は、実に様々な意見が飛び交うことになります。

「あそこにブロックを置いたのは、恐れたら隠れるかな、と思って!」
「希望は上に伸びるから、上に積んでいったんです。」
「橋をかけることを希望をつなぐことのイメージとして使った」
「中心にある多角形のブロックが、希望の象徴でそこに人々があつまっている姿を現してみました」

(写真は、2人で作ったものに対してそれぞれがつけたタイトル)

さらにそれぞれ同じテーマで、別の組み合わせの人が作った造形物をみて、自分たちの作ったものとの違いについて話は弾んでいきます。

ミラノでこの不確実性が生み出す創造性の体験が通用するのか?

実は、私たちのプロダクトはまだ完成しているわけではありません。

今まで何十回とプロトタイプを重ねて、当初の形やブロックの種類、ルール等もかなり変更、調整を繰り返してきました。

そして、コンセプトである「不確実性への恐れというバイアスをやわらげ、創造性を取り戻すこと」という価値検証は一定以上できたと考えています。

だからこそ、創造性という意味で、世界でもトップのミラノの地で私たちの提案するコンセプトと価値がどこまで受け入れられるのか、それを試す。

最後にして最大のプロトタイプの場所が、ミラノサローネ・ミラノデザインウィークということでもあります。

そして今日、私たちは、ミラノへ行きます。

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