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第132回MMS放送 「マインドフルネスに基づくリーダーシップ開発、人材開発手法を企業、組織に提供する」 (一社)マインドフルリーダーシップインスティテュート 代表理事 荻野淳也さん(2016/7/29対談)

●enmonoとの出会い

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enmono三木 はい、第132回マイクロモノづくりストリーミング、本日も始まりました。司会は株式会社enmono三木でございます。本日はマインドフルリーダーシップインスティテュートにお邪魔して、荻野さんに色々とお話を伺っていきたいと思います。よろしくお願いします。

荻野 はい、お願いします。

三木 あといつもの声の出演で――。

enmono宇都宮 宇都宮です。よろしくお願いします。

三木 我々と荻野さんとの最初の出会いは鎌倉の宍戸さんの家で開かれたピザパーティでしたね。

荻野 本当はその前に鎌倉でトレランをしようということで、その最後にピザパーティをしようとしたんですね。前日に台風だか大雨だかが降って、トレランの方は中止になって……。

三木 そこにマインドフルネスを実践されている方が何名か集って、宍戸さんからも「荻野さんは禅に興味を持っているのでぜひ会った方がいいですよ」と伺いまして。

宇都宮 共通の知人・友人が多いんですね。前野さんとか清水さんとか。

荻野 僕は一番はじめ、清水さんか、それか前野先生から紹介してもらったんですね。Facebook上で。

三木 僕は僕なりに鎌倉を中心に中小企業の中で色々と塾みたいなことをやっていて、前野先生のところへお話に行ったら、「荻野さんという方がいらっしゃる」と聞いてはいたんですが、初めてお会いした時も今も非常に柔らかい印象の方で。
三木 荻野さんの会社の監修で刊行された『Search Inside Yourself』、こちらの売上が非常に好調だそうですね。

荻野 今現在で2万部を超えたとのことです。

三木 こういう関連の本でそれだけ出るというのは、最近ではなかなかないんじゃないかと思うんですが。

荻野 組織開発やリーダーシップの本で定評のある英治出版さんが出してくれているんですけど、今年一番のベストセラーだと言っていただいてます。

三木 おお、素晴らしい。私も1年くらい前に原書で読んだんですけど、非常にわかりやすい英語で、あまり英語が得意でない私でもすらすら読めました。

荻野 アメリカでは2012年に出されて、ベストセラーになりました。マインドフルネスがビジネスの世界で広まっていったきっかけになった本だと思っています。

三木 荻野さんがメディテーションやマインドフルネスに初めて気がつかれた経緯を簡単にお話いただければと思います。

荻野 経緯としては10数年前に遡るんですけど。

三木 はい。

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荻野 私のキャリアを簡単にご説明させてもらうと、10数年前に外資系のコンサルティング会社で会計のコンサルティングとか組織作りとか戦略推進のコンサルティングとかをしていました。その後、2003年~2004年くらいに未上場の会社に転職をして、上場の担当者/リーダーとしてやってくれということで転職をして、1年くらいで上場したんですね。その会社は創業から3年以内に上場したということですごい注目を浴びたんです。

三木 相当な仕事量があったんじゃないですか? 殺人的というか。

荻野 仰るとおりです。上場した後も私は経営企画室長ということでIRとかPRとか、それからなぜか社内の研修とか。あとIT部門ですね。サーバどうするのとか、システムどう作るのとか。あとはその会社はコンサルティングみたいなこともやっていたので――コンサルティング部は別にあったんですけど――そのメンバーができない案件が僕のところへ降ってくると……なにからなにまでやってたんです。

三木 総務部長……というか総務担当としてもやるというか。

荻野 もうそんな感じですね。なんでもかんでもやっていました。数字も稼ぎ、社内の内部監査をし、内部体制を作り、外部に対する情報を発信する。

三木 家に帰れなかったんじゃないですか?

荻野 上場する前もした後も、入社してから1年はほぼ休んでないですね。土日も出勤してなにかをしていました。上場した後も四半期開示というものがありますから、どんどん忙しくなるわけです。当時でいうと1日18時間~20時間働いたと思います。

三木 寝てる時間が4時間しかない。

荻野 そうですね。始発で出社して、終電で帰る。もしくは終電を逃し、始発で帰ってシャワー浴びて戻ってくる。

三木 身体壊しますよね。

荻野 上場するまでは大きな目標があって、社員一丸となってそれに向けてなんとかやってやろうという感じだったので、やっぱりモチベーション続くんですね。大きな目標を達成した後に、まさに燃え尽きな状態になってしまって。
荻野 とはいえマネージメントメンバーの一人として、社内を鼓舞しないといけない。次はこういう風に、外部にはこういう計画でこうやっていきますよと話をしてる張本人だったりするわけです。その計画をドライブするために、自分自身がモチベーションを高めなきゃいけない。こうならなきゃいけないという風に自分をどんどん追いこんでいって……でもモチベーションが上がってこない。

三木 やらなきゃいけないタスクと、自分の内側の冷える感じが逆回転なんですね。

荻野 心も身体も疲弊していきました。その会社は毎日朝礼があってなにか発表をしなければいけないんですけど、ある日自分の担当の時に、疲れなのか自信がなくなってきたのかよくわかんないんですけど、言葉が出なくなってしまったんです。何度も何度も吃(ども)って、言葉が出なくなってしまった。
荻野 社員からは「荻野さんどうしたんですか?」と。多分それはその時点でお医者さん行ったら、「あなた鬱状態だから明日から出社しちゃダメです」と言われるような状態だったんです。そういうのもわかっていたので、敢えて医者に行かず仕事を続けました。

三木 どのくらい続けられたんですか?

荻野 多分半年~1年続けたんでしょうね。


●追いこまれていた頃に体験した初めてのマインドフルネス

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荻野 ちょうどロハスというのが流行っていた時期だったんですけど、その時期に外部の友人から週末農業に誘ってもらったり、その友人のやっていたロハスクラブネットワークに参加させてもらったり。
荻野 それがきっかけで、週末にあるヨガスタジオでヨガと瞑想の会があるから行ってみようよと誘ってくれたんですね。若い女性の間で流行っているらしいので、そういう人がいっぱいいるかもしれないという下心もあり、行ってみようかと。で、午前中仕事をして、午後そのスタジオに行ったんです。
荻野 それが90分のクラスで前半の60分がいわゆるヨガのマーサナという運動ですね。残り30分ちょっと長めに瞑想の時間があったんですね。人生で初めてヨガと瞑想をしたんですけど、90分のクラスが終わったあとに、僕は衝撃的な体験をしたんですよ。

三木 どのような?

荻野 多分それが今で言うマインドフルネスの状態を味わったということだったんです。頭とか心がクリアになって、なんかスッキリしちゃったんですよね。

三木 スッキリしちゃった(笑)。

荻野 パーって晴れて。鎌倉の、雲一つない快晴の朝みたいな、そんな晴れやかな感じになって、逆にびっくりしたんですよ。「この状態はなんだ!?」と。今までずっとハードワークしていて、身体は疲弊しきっていますので、頭の中もスッキリした状態を味わって、相対的に今までどれくらい自分が頭の中で思考していたのか、どうでもいい感情とかに詰まってたのかということに気づかされたんです。

宇都宮 それまでは気づいていなかったということですか?

荻野 気づいていなかった。なぜならば、そういうなにもしない時間をとるとか瞑想するとかヨガをするとかって今までなかったので、ここまではっきりクリアな状態ってなかったんです。その時も会社のビルの地下にジムがあったのでそこで通って走ったりとかフルマラソンをやったりしていてスッキリ感はあったので、もしかしたら近いような状態はあったのかもしれないですけど。そこまでクリアな状態を味わったのは初めてだったんですよね。

宇都宮 クリアというのはどういうイメージでしょうか? 脳が晴れるということですか? それとも視界が広がる?

荻野 心も身体もすっきりするっていう状態ですね。我々がよくマインドフルネスの状態を説明する時に、スノードームを出して説明するんですけど、出してもいいですか?

三木 どうぞどうぞ。

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荻野 こういう風に置いておくとスノードームの中が晴れてきますよね。でも、こうなるとどうでしょうか?(ドームを振る) もうなにが中にいるのかよくわからない状態ですね。これがマインドフルネスの対極にある状態。多くのビジネスパーソンがそういう状態にあるのではないかと思います。

三木 雑念だらけの。

荻野 雑念だらけで、色んな感情、怒りとか悲しみとか緊張感とかに溢れている状態。「あれやらなきゃ、これやらなきゃ」とタスクに追われている。メールが来て「このメールも返さなきゃ」こんな状態ですよね。

宇都宮 第三者は結構気づいているじゃないですか。その人がそうだよねということに。その人自身の自覚が……このギャップを埋めるっていうのが……。

荻野 多くの方々がそういう状態で仕事をし続けているっていうことじゃないかなぁということですね。

宇都宮 言葉で言われてもなかなか伝わらなかったり。

荻野 でもこれは本当に体感的なもので、思考の部分ではないということです。

宇都宮 ご友人が誘ってくれて荻野さんも行く気になったというのは、なにかあったんですか?

荻野 なんかあったんでしょうねぇ。

宇都宮 忙しくて行かないという選択肢もあるじゃないですか。

荻野 若い女性がいっぱい集まっているっていう。

宇都宮 それが重要なんですか?(笑)

荻野 重要だと思いますね。

宇都宮 ついそっちで行ったら実はもっと深いものがあった。

荻野 そうですね。で、そういう体験をしたので「なんだろうこれは」と。でも、これをちゃんと定期的に毎週でもやってれば、もっとパフォーマンス出せるなと思ったんですよ。

宇都宮 そっち(笑)。

荻野 そっちなんですよ(笑)。もう20時間働いてるのに、もっとパフォーマンス出せるかもと。精度もあがるだろうし、クリエイティビティも上がるだろうし、疲れもちゃんとマネージメントできると。まだ働くのかって感じですけど、その当時は本当に頭おかしかったので

宇都宮 10数年前はそういう……。

荻野 10数年前はですね。でも、パフォーマンスもあがっていくなと思うし、自分のリーダーシップ――部下がどんな状態なのか、どういうヴィジョンを発信しないといけないのか――ということも頭がクリアな状態だからこそ出せるわけですね。パフォーマンス/リーダーシップに必要だという直感があったので、「これ広めていかなきゃ」と思ったんですね。で、実はその後、私はそのヨガスタジオに転職してしまうんです。

宇都宮 (笑)。ヨガスタジオの方へ?

三木 すごい飛躍ですね。上場企業の部長から。

荻野 たまたまですね、そのサークルの中にヨガスタジオの社長も入っていて、いろいろ仲良くなって、当時その会社も上場というか成長を目指していきたいということで、もしそういう経験があるんだったら来てくれないかとヘッドハントされたわけですね。あとは真面目な話で僕はヨガを男性とかリーダー層に伝えていきたいという思いがあったので、そういったこともできるのかなと思って移ったということです。

三木 私ちょっとヨガを経験したのですが、通常の瞑想とヨガをやっている時の気持ちの変化みたいなものはなにかありますか? 肉体感覚のようなものがヨガにはありますか?

荻野 結局これはマインドフルネスの中でも言っている話ですけど、セルフアウェアネス、自己認識を高めているということでいうと、その中に自分の感情をよく知っていくということもあるんですけど、感情と身体感覚って密接に繋がっているわけですね。

三木 そうですね。

荻野 胃がムカムカするとか胸がムカムカするとかいう言葉があります通り感情が湧いてきている時っていうのは身体反応があるんです。その身体の感覚を研ぎ澄ましていくとか、身体に対する自己認識力を上げていくにはヨガのポーズは有効な手段だと思います。

三木 ヴィパッサナー、ボディ・スキャン瞑想の感覚に近いですね。

荻野 そうですね。ボディ・スキャンもそうですし。あとはご存じかもしれませんけど、ヨガのアーサナというポーズの話ですね。これは漢字で書くと坐法って書くんです。いわゆる日本人が認識しているヨガは、瞑想するための準備運動ってことなんですね。なのでそこも繋がってくるという話だと思います。

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●MiLI起ちあげに至るまでの経緯

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enmono三木 そのヨガスタジオを経て今のマインドフルリーダーシップインスティテュートを起ちあげるまでの経緯はどんな感じだったんでしょうか?

荻野 ヨガスタジオに転職をし、私はマネージメントとかスタジオの責任者とかをやっていて、併せてヨガと瞑想と人材研修プログラムを組み合わせて。

三木 ヨガスタジオの時代からそういうことを……。

荻野 やってたんです。ストレス軽減、メタボ対策という形で法人の人事部とか健康保険組合とかにヨガや瞑想のプログラムを売り込んでいたんですね。外資系の企業や金融機関、何社も採用されていました。で、「これはやっぱり大事だな」と。特に私はコンサル出身だったので、法人向けというところはどんどんやっていきたいなと思ったんですけども、自分が思った以上に広がっていかないなと。絶対これは自分自身の直感として大事なのにあんまり広がっていかないなと。

三木 それは何年くらいの話ですか?

荻野 2006年~2007年ですね。

三木 かなり前ですね。こういうマインドフルネスとかが言われる前の話ですね。

荻野 そうですね。

enmono宇都宮 リーマンショックの前ですよね。まだ上り調子の。

荻野 イケイケな感じで。

三木 その広まっていかない理由は……。

荻野 ひとつはやっぱりまだまだ法人の年配の方でいうと、ヨガとか瞑想っていうのはちょっと怪しいんじゃないかというイメージがあったのでは、と思います。

三木 オウム事件とかもありましたしね。

荻野 それはとても大きくて、理由の一つだったのかなと思います。あとはロジックですね。科学的な検証とかロジックが必要だなと。実際にお医者さんと組んでヨガと瞑想による変化のビフォーアフターをとって、どういう風にストレスが軽減されるかエビデンスを取るということをやっています。
荻野 直感的にわかってくれる経営者や事業部長はいるんですが、なかなか広がっていかないなと。そうこうする内に自分自身でやりたいことが明確になっていたので、2008年に独立起業しました。

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荻野 今までやっていた組織作り、人材育成、理念経営のコンサルティングを始めていって、その中で以前の会社の友人と一緒にヨガのインストラクターを派遣する事業も実はその会社と自分の会社でやっていたんです。まぁ今もやっているんですけど。

三木 それが今のマインドフルリーダーシップインスティテュートの?

荻野 その前の私個人の会社でライフスタイルプロデュースというコンサルティング会社を、まぁ今もやってるんですけど、そこでヨガ事業/瞑想事業をやってたんですね。禅のお坊さんと組んで禅のワークショップを企業向けにやったりとか。そういう活動をしていたら色んな情報が逆に集まってきて、ジョブズがAppleを作って根底には学生時代に禅を学んでいたということも色々見聞きをして、色んな人に僕は禅とマネージメントを融合するんだということを言っていたんです。

三木 素晴らしいですね。我々が気づく遙か前の。

荻野 2009年くらいの時にNLPというメソッドを西海岸に受けに行った時の話です。世界中から色んな人が集まっていて、みんな禅とか合気道に興味があるんですね。もしくは結構実践をしていたり。

三木 日本人だから「禅とはなんですか?」って聞かれるんじゃないですか?

荻野 そうなんです。聞かれて「こういうものなんだ」という話をすることも。そういうことがあって、禅の中にマネージメントのヒントがあると言っていたところ、以前からの友人で、今の我々のパートナーである木蔵君子――彼女は西海岸に住んでるんですけども――。

三木 こちらの方ですね。
※本を提示。『世界のトップエリートが実践する集中力の鍛え方 ハーバード、Google、Facebookが取りくむマインドフルネス入門』

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荻野 それはマインドフルリーダーシップインスティテュート「MiLI」で去年出した本なんですけど、3人(荻野淳也/木蔵シャフェ君子/吉田典生)の共著になっています。僕らがまだMiLIを作る前ですね。禅とマネージメントを組み合わせてエグゼクティブコーチングとかをしている禅の坊さん兼コンサルタントのアメリカ人がいると彼女が教えてくれたんです。本も出してそこそこベストセラーにもなっている。その本が『ZBA』という。MBAをもじって、Zen of Business Administration。その本を書いていたのが、このマーク・レサーさんです。

荻野 ああ、そうなんですか。

荻野 『Search Inside Yourself Leadership Institute』このプログラムを広めている組織の今のCEOがマークさん。この方は曹洞宗の禅のお坊さんでもあり、エグゼクティブコーチもして、自分で起業もして成功した人なんですね。今はそれも手放して、その当時で言うとGoogleでマインドフルネスを教えていたということで。

三木 じゃあこちらの方(『Search Inside Yourself Leadership Institute』の主著者Chade-Meng Tan)の師匠さんという形ですかね。

荻野 メンさん(Chade-Meng Tan)のパートナーですね。彼がファウンダーで、マークさんがCEOということで。この中にも出てきますね。マークさんが。

三木 そういう歴史を聴けて、今日は色々楽しいですね。その辺はどうなってるんだろうと思っていたので。

荻野 僕らはマークさんの本『ZBA』を日本で訳そうと思ったんです。そういうやり取りを半年くらいして、僕的には時機が熟したと思ったので、本とマークさんが持っているプログラムを日本でやらせてくれと直談判するためにアメリカに渡ったんです。
荻野 サンフランシスコ禅センターを開いた鈴木俊隆(しゅんりゅう)老師がカリフォルニアの山(サンフランシスコの南東。車で2時間半ほど。約140マイル)に開いた、そこも禅センターであり、お寺というか修道所なんですけど、そこで(マークさんが)ワークショップしてますというので会いに行ったんです。

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荻野 そしたら「僕の本を出してくれるのはすごく嬉しいんだけども、最近僕は『Search Inside Yourself Leadership Institute』のCEOに就任したんだ。自分はこのSIYLI(シリー)の活動を100%コミットして広げていきたいと思っているので、こっちもやっていきたいんだ」と。むしろそっちの方が日本的にはいいんですけどと(笑)。

三木 渡りに船だと。

荻野 もちろんマークさんの本も出したいと思ってます。でもこの本(『Search Inside Yourself』)とかコンテンツも我々はやりたいと実は思っていたんですということを色んな話をしながらお伝えをして。

三木 それは何年くらい?

荻野 2013年5月です。で、マークさんはほかのボードメンバーもいるから、日本でやるかどうかはちょっと相談するけど、僕としてはもちろんウェルカムだよと言ってくれたので、じゃあ来年の秋の日程をくださいと日程をもらって、この『Search Inside Yourself』のオープンコースを日本でやるということをその場で確約をしてもらって、帰ってくる道すがら「じゃあ、もう組織を作ろう」と。

三木 そこから始まったわけですね。

荻野 もう一人僕の友人で誰か考えてみます。そんなことをしゃべりながら車で帰っていって、そんなやり取りをしながら飛行機に乗って成田について。そしたら僕の友人でエグゼクティブコーチングの仲間である、この吉田典生からFacebookのイベントのメッセージが来て、「『Search Inside Yourself』という本があります。この本を使ってワークショップをするので、ちょっと仲間内だけでやりませんか?」と来たんです。

宇都宮 偶然ですか?(笑)

荻野 なんだこの偶然は、と。

三木 偶然ではない、必然です。


●受け入れられるか不安があった

荻野 吉田はエグゼクティブコーチングを日本に持ってきた立役者でもあるんですけど、一緒になにかやりたいなと以前から思っていたので、もう彼しかいないということで、その1ヶ月後か2ヶ月後くらいですかね。私と木蔵と吉田の3人でやってこうと。

三木 会社ではなくて社団法人という形なんですね?

荻野 正直なところなにも考えてなかったんです。

三木 社団法人だからなのか公益性のある感じがします。

荻野 あ、それは確かにあって、真面目な話をすると、大本のSIYLIはNPOなんです。

三木 そうなんですね。

荻野 NPOとして公益的な活動として広めていこうというのが趣旨としてあるわけですね。なので我々も最初はSIYLI JAPANを作ろうと勝手に思いこんでいて、であればそういう先を考えたらNPOなのか……でもNPOって日本で取るとやっぱり1年近くかかってくるので、手っ取り早く資本金も必要ない社団法人で作ろうかと。
荻野 社団法人であれば公益性っていうのも出せるのではないかという話で社団法人で作ったということです。で、2013年9月に第1回マインドフルリーダーシップセミナー、ワークショップをさせていただいて、たまたま知り合いがパソナに勤めていたので、パソナの新丸の内ビル12階を貸していただいて、告知をしたら90人くらい集まって。

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三木 すごいですね。90人も。

荻野 僕たちもびっくりしました。新丸ビル、インテリジェントビルですよね。お借りしたんですけど結構私個人としては内心少しビビっていたところもあって。

三木 その時にはもうコーチというかSIYの認定はされて……。

荻野 まだですね。とはいえ、マークさんを呼んで『Search Inside Yourself』のパブリックプログラムをやるという方向性は決まってます。我々としても、これだけではなくて我々独自のプログラムを開発をしてやっていこうということで第1回のマインドフルリーダーシップセミナーをやることになりました。
荻野 ビビっていたというのはなにかというと、やっぱりまだどこかでビジネスにおける瞑想の導入ということに対して自分自身引っかかっていたというかですね、確信はあるんですけど、なんか言われたらどうしようというか言われるんじゃないかという恐怖心ですね。

三木 わかります。

宇都宮 初めてですもんね。

荻野 「変なことをやり始めたぞあいつは」とか「宗教とかそっちの世界に行っちゃったんじゃないか」とか、そういう批判もあるんじゃないかなというのがどこかにあって。MiLIを起ちあげる時に、それも絶対あるだろう、セミナーをやる時もあるだろうということは思いつつ、ちょっとビビっていました。
荻野 でも、それ以上にもうやんなきゃいけないという思いが勝(まさ)ったからできたんじゃないかなと思います。蓋を開けてみたら90人も集まってくれて。

三木 受けられた方の反響というか反応はどうでしたか?

荻野 「こういうことを起ちあげてくれてありがとう」「やってみてすっきりした」「こういうものを取り入れるのは画期的ですね」といった反応やご意見をいただきました。

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宇都宮 それは講演だったんですか?

荻野 ワークショップですね。講義とワーク(実践)と。

宇都宮 瞑想してみましょう、みたいな。

荻野 そうですね。


●enmonoが模索してきたメソッド

三木 我々もzenschoolというのをやっているんですけど、最初はzenschoolという名前ではなかったんです。マイクロモノづくり経営革新講座というちょっと堅い名前で。その講座の中で、あまりにも経営者の頭がフィックスしちゃってアイデアが出てこなかったので、リラックスさせる意味で私が趣味でやっている座禅の瞑想法をちょっとやってみました。
三木 すると、割と皆さん頭が柔軟になって、表情も明るくなって、いいアイデアが出るようになりました。「あ、もしかしたらこれ、そういう風に使えるかもしれない」という感じで何回かやっている内に瞑想も入れているし、名前もちょっと変えてみようかということで、zenschoolとなりました。

荻野 とてもいいと思います。

宇都宮 趣味というか三木さんが自己流で座禅を。三木さんは色々あって禅を始めたので。

三木 前の会社をリストラされたんです。起業の前ですね、かなり会社の売上を一人で作っている感じで、鼻がこんなに(天狗に)なっちゃってたんで、「もうあなた辞めなさい」みたいな感じでリストラされちゃったんですけど、その時にまず最初に襲ってきたのはお金の心配でして。

荻野 そうですね。

三木 給料は出ないし、家のローンどうしようとか、家族になんと言えばいいのか。そういう恐怖が襲ってきたんです。その時に一所懸命Googleで心の落ち着く方法を検索したら、誰かの座禅のティーチングの動画があがってきて、それを見て自分でやっている内に段々気持ちが楽になってきて、それを起業の時からずっとやっていたんです。
三木 それは今も毎朝続けてるんですけど、どっちかというと恐怖を取り除く方向に座禅をしていたのを、毎朝自分でやっているとポンとアイデアが浮かぶ時があって、手元にメモを置いてそれを書き連ねていく内に意外と発想法にも使えるかもしれないということで。

宇都宮 zenmonoってクラウドファンディングも三木さんが座禅中にポンと。

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三木 そうですね。瞑想とか座禅をしていると、前日一日動いていた情報が頭の中で整理されるんですよね。あの時この人が言った、こういう人と会った、毎朝やっていると前の日の情報が整理されてきて、それがクリアに見える状態になった時に結合して新しいアイデアになって。
三木 それが同じように日々お金の心配をしている、資金繰りの心配をしている経営者も多分同じような雑念がいっぱいあって、それが混乱しているから、クリエイティブの方に発想が向かない。でも座禅とか瞑想をしていただいて、僕らのアプローチは「10歳の夏休みにどういう思いをしていましたか?」ということちょっと思い出してください。
三木 そこから抽出したカブトムシ採りとか、秘密基地を作るとか、川で遊んだみたいなキーワードを抽出して、それを自社の――例えば金属のバネを作る技術と結びつけることで自分がワクワクするモノづくりに繋げるっていう。

荻野 へぇぇ……おんなじこと私もやってます。

三木 あ、そうなんですか!?(笑)

荻野 それはモノづくりではないですけども、自分自身の価値観発見の枠として7歳から10歳までのことを思い出して、そういうキーワードを出しましょうということで。

三木 おお~。

宇都宮 やっていく中で僕らも気づいたんですけど、「こんなこと言っちゃいけないんじゃないか?」っていう恐怖感をなくすことが結構重要なんじゃないかと。そういう関係性ができると、なんでも言えるようになる。アイデアないって言っていた人が、逆にすごい企画を持ってたりとか。企画得意っていう人の方が逆につまんないというか、表層的なんだということに気づいて。

三木 よかったなと思うのは、そういうことを実践として講座でやっていく前は、全然こっちの方(マインドフルネス等)の本は読まなかったんですね。まったくわからなくてとにかく自分たちの講座をよくしようとやっていて、その形ができた後に初めてこういうのがあるんだと知って、読んだらすごく近い感覚のことをやっていると思って、最初にこちらの方に引っ張られなかったから、自分たちのポジションが取りやすかったのかなと。

荻野 いいですね。

三木 でも多分向かっているゴールはみんな同じで、いろんな山の登る角度(ルート)が違っているだけだと思うので。

宇都宮 ここ最近は前野先生(慶應義塾大学 前野隆司教授)と知り合ったこともあって、幸福度と創造性というものを関連づけてやっています。

三木 特に我々の講座に入ってくる方は中小製造業で、モノを作るとすごいフロー状態に入る、結構楽しい作業なんですね。そういったモノづくりと心の関係、モノを作ることとマインドフルを組み合わせていくと、また新しい世界が見えてくるんじゃないかということで、仮説としては楽しい環境でモノを作っていくと、どんどんクリエイティビティが上がってきて、相乗効果で常にイノベイティブなモノが生み出せるんじゃないかということで。
三木 今、我々と前野先生の研究室で共同研究しているのは、瞑想とかを通じて幸福度が上がると、よりクリエイティビティが上がる。それを今、データで可視化しようとしています。まだサンプルは少ないですけど、結構データとしては整合性があるようなデータが採れてきています。

宇都宮 モノづくりってハードウェアだけじゃなくて、ビジネスもそうでしょうし。感覚的には僕らも元から持っていたんじゃないかと思うんです。もっと楽しくすればアイデアがもっと出やすくなるよねと、感覚的には持ってたのが、もう少しエビデンスをとって。

三木 人間の直感というものをデータやロジックではなく直感を信じるということが、宇都宮さんはモノづくりの現場に18年以上いて、大量生産のモノづくりでラインを見て行く仕事だったんですね。工場に入った瞬間にこの辺おかしいなという直感が働くことがよくあると。よくよく調べてみるとやっぱりおかしいところがそこにあるといったことがあって。

宇都宮 「現場行け」ってよくいうんですけど。

荻野 結構それは工場長い人がよくおっしゃる話ですよね。やっぱり入って、なんとなく違和感があったりするという。

宇都宮 直感ってどこから来ているのかというのは、長年の経験もあるんでしょうけど

三木 多分会社でも同じで、オフィスの中へ入っていった瞬間に「なんかこの会社、違和感あるかも」みたいな。

宇都宮 コンサル的なコーチングしているとあるじゃないですか。「あ、この会社は……」という。

荻野 明らかにあります。

宇都宮 ここがヤバイよね、と直感で響くじゃないですか。

荻野 それはありますね。受付だけじゃなくて、オフィスの執務室を見せてもらったりとか。

宇都宮 オーラが出てますよね。

荻野 具体的なのはトイレですね。

宇都宮 見るポイントは一緒ですよね。業界違いなだけで。

三木 ヨガとか瞑想をしているとその辺の嗅覚が鋭くなりますよね。

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ロジックからマインドの時代へ

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荻野 直感というのでよく言うのは、今までの経験の蓄積から出てくる答えとか方向性だって言いますけど、だとしたらやっぱりそれは自分が出しているので、もう思考をスッ飛ばしてそこへ至る。直感でまず答えを捉えて、その後にロジックを組んでいくというところが多分これから

enmono宇都宮 数字って後で作れるじゃないですか。直感に合うような数字って。

enmono三木 多分スティーブ・ジョブズさんがやっていたモノづくりの発想もまず直感で「ここ!」とゴールが見えて、その後に数字とか人を集めてくるパターンだと思うんですね。

宇都宮 あと、技術の開発が進んでくることによって、どんどんピースを当てはめていく。

三木 SONYのWALKMANもこれっていうのがあって、その後に技術とかを無理やり作っていった。

宇都宮 積みあげとは違いますよね。

三木 今の多くのビジネスはロジックを積みあげていくから、全然飛んだものが紛れてこない。そこが今の日本の企業が陥っている罠というか。ロジックの罠かと思います。

荻野 ロジックと思考の罠に囚われて、そこから抜け出せないということなんでしょうね。

三木 S.I.Youとかを今企業の方にたくさん導入されようとしていると思うんですけど、色々な経営企画室の方もいらっしゃると思うんですが、今の日本の企業がそういう罠に陥っていることに彼らが気づいているのかどうなのかという、その辺はいかがですか?

荻野 気づいている企業と気づいていない企業があると思います。でも気づいている企業でも、気づいたんだけれどもどうしたらいいかわからないというところがほとんどではないかと。

宇都宮 次の方法論が見つからない。

荻野 だと思います。私はこういうトレーニング業界長いですけど、色々とトレーニング会社の人たちと会って話しても、今までやってきた既存のコンテンツというものに対しての、陳腐化されている感じがあったりとか、企業のサイドもそうですよね。ロジカルシンキングをずっとやってきたけれども、もう人が変わらないことがわかりました。
荻野 じゃあどうしたらいいんですか? ていう状態なんですよね。それで我々が呼ばれるケースもありますけども。要は思考だけのパターンに囚われてしまって、過去の成功体験に囚われている。その囚われていること自体もわからない。というのがほとんどの企業の特徴で、もがいているという状況かなと思います。

三木 それに気づいた会社がわかろうと努力している段階には来ているわけですよね。

荻野 気づいた会社は「こういうフレームワークがあるんだ」と。じゃあこれを乗り越えていこう。もしくはこれを捨てて新しいものを作っていこうという発想になってくると思うんですけど、やっぱりそこでポイントになるのは自分たちを知っていくこと、マインドフルネスの気づきの力ですね。
荻野 自分たちに気づいていく力で、まず自分たちをちゃんと客観的に見て、それを手放していくというステップを踏まれているんじゃないかなと思います。

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三木 今年が日本におけるマインドフルネス元年なのかなと。特にこの本がもう一度出たことによって、ある程度マインドフルネスっていうのがなんとなくビジネスパーソンの中で言葉として活きてくる。我々も中小企業の方で少しずつやっているので、荻野さんも大企業の方でやられて、段々底上げが今年・来年・再来年と、ある程度ベースができてくると、思考の罠から抜け出せる会社がそこから出てくると思うので。

宇都宮 企業だけじゃなくて官公庁、お役人の方々、実は可能性がすごく。

荻野 もう一番の最たるところじゃないですかね。

宇都宮 上司は説得しづらいでしょうけど、可能性はすごくあるじゃないですか。

荻野 この前国家公務員の方々に研修させてもらったんですよ。

宇都宮 それは有志みたいな形ですか?

荻野 有志ではなくて、色んな各省庁にこういうマインドフルネスという研修をしますってお声がけがあって各省庁から。それは女性のキャリア支援っていう根底にある研修だったんですけど、反応よかったと思いますね。

三木 反応はいいですよね。昨日も若手の支援機関の方々だったんですけど、彼らの中では「ああ、おもしろかった」というのがあるんだけど。

宇都宮 持ち帰って、上司にどう説明するかというところで現実がぶつかるんです。

荻野 そこが思考だけじゃないところの体感・身体知も含めたインテリジェンスだと思うんですけど、そこをちゃんと我々が言語化して説明していかなきゃいけないのかなとも思いますね。

三木 そうですね。だから色々大学機関と連携しながら学術的に論文という形で発表していきながら、「これなんなんだ?」と聞かれた時に、「この論文に書いてあります」と出せるようにしておくと上も納得するというか。細かくデータを採って、それを科学的に表現していくというのが多分我々がやるべきことかなと思います。

宇都宮 実績をあげていくという。

荻野 そうですね。我々も今Yahoo!さんをやらせてもらったりとか、そういう実績を積みあげていって、こんなにもう当たり前になってますよっていう状態を早く作りたいですね。


●世界におけるマインドフルネスの今

三木 日本におけるマインドフルネスって多分今年から徐々に広がっていくと思うんですけど、荻野さんは世界の方もご覧になっているじゃないですか。世界におけるマインドフルネスってどんな流れになっているか、お聞かせいただけますか?

荻野 やはりフォードですとかSAPですとか。特にSAPはもうグローバルでマインドフルネスのコンテンツを全世界導入している。特にこのSIYですね。これの世界導入がもうすでに始まっています。ほかの企業も、グローバルな会社だけじゃなくて広まりつつあるというところかなと思います。三木さんと一緒に行かせていただいたWisdom2.0。

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三木 ああ、素晴らしかったですね。

荻野 世界中から3千人が集まっているわけですよね。色々話をしてみると、色んなトップ企業のエグゼクティブたちじゃないですか。その温度感っていうのは、やっぱり徐々に徐々に世界に広まりつつあるかなと思います。一つもっと広めたいなと思っているのは、この前Microsoftに買収されましたけどリンクトインのジェフ・ウェイナーですね。
荻野 彼は去年Wisdom2.0に登壇してプレゼンテーションしてるんですけど、彼が言っている自分のリーダーシップスタイルはコンパッション・マネージメントだと言っているんですね。思いやりのマネージメント。日本語にしちゃうと慈悲のマネージメントって言ってるわけです。
荻野 日本語にしちゃうとおかしいんですけど、ただそのコンパッションという言葉とかマインドフルネスという言葉とか、あとウィズダム、知恵ってことですね。という言葉が今ITとか世界を牽引している企業のトップがそういう言葉を使っているわけですね。これはもっともっとみんなに知ってほしいなと思います。
荻野 根底は古い歴史で言うと仏教のエッセンスだと思うんですけど、そういうものがトップ企業のリーダーでさえも、仏教とは言わず禅とは言わず、だけどもエッセンスをみんな用いて自分の会社をよくしていこうと活動しているってことなんですね。僕はこれが世界的な流れになりつつあると思っていて、ヨーロッパでも禅とかマインドフルネスってすごい浸透してきてますし、コンパッションとか利他とかいうところも広まってきている。

三木 日本は一周遅れている感じなんですね。ロジカルシンキングがもう限界だなってようやくわかってきたところで。そろそろマインドの方向に。

宇都宮 その昔を振り返れば近江商人の教えがあったりとか、百年以上続いている商家とかには色んな家訓があったりしますもんね。

三木 本来は禅とか仏教的なものは日本の伝統でもあるわけですから、やっぱり日本からもそういう動き、あるいはオリジンっていうのをベースにしたマネージメントとかコーチングとかが生まれていくべきかなと思っています。

荻野 僕の考えではこれはキャッチボールだと思っていて、今まで僕たちも西洋のもので色々学ばせてもらいました。で、今どうなっているかというと、実は西洋が東洋のもので学んで成果を出しはじめているんですね。であると、マインドフルネスって逆輸入なのかもしれないですけど、日本にあったものを昇華させてマインドフルネスに融合させて、また新しいもの――。

三木 またオリジンに戻ってきてバージョンアップするみたいな。

荻野 バージョンアップをしていくというところが、これから我々がさらにやっていくべきところでもあると思うし、多分日本のマインドフルネスで言うと僕は一つは武道だったりとか茶道とか神道の中にもあるでしょうし、そういったものを我々がちゃんと世の中に、世界に伝わるような言葉にしていく。

三木 まさに日本人であるからこその責任ってあると思うので、それはぜひ一緒に世界に対して荻野さんと一緒にやっていきたいなと。

荻野 やっていきたいと思います。

三木 よろしくお願いします。

荻野 よろしくお願いします。

三木 あと最後、この本『JOY ON DEMAND』のご紹介をお願いします。

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荻野 こちらは『Search Inside Yourself』の著者のチャディ・メン・タン、Googleの社員でしたけども、この5月にアメリカで発売されてベストセラーになっています。この本が10月の後半か11月に日本でも出版されます。我々の仲間でもあるNHK出版の松島編集長に担当していただいて、我々のパートナーである木蔵シャフェ君子が監訳で出させていただいて

宇都宮 JOY ON DEMANDとはどういうニュアンスなんですか?

荻野 僕はフローに繋がった喜びだと思っていて、解釈しているんですけど、そういったものがオンデマンドでピッと瞬間切り換えるとそういう状態になれる。

宇都宮 今この瞬間という。

荻野 まさにそうですね。マインドフルネスをさらにジョイの状態に変えていく。それを広めていく。これもマインドフルネスのベースにあるメソッドになっていくと思います。これは企業に対してだけではなく色んな人に広めていこうという風にしています。自分の中での幸せを見つけるメソッドですよ、ということを言っていますのでますます広まっていくんじゃないかと。

三木 皆さんご期待ください。


●世界のマインドフルネスの未来

三木 皆さんにお伺いしている共通の質問がございまして、今回は日本ではなく世界のマインドフルネスってどういう風になっていくのか、どういう役割を果たしていくことになるのかということについて、なにかお考えがあれば。

荻野 これは結構壮大な話なんですけど、やっぱりなかなか世界から戦争がなくならない。今もしかしたら第三次世界大戦の時代になりつつあって、それはどういう形かというとテロという形で現れています。

三木 テロだけではなく、日本の中でも

荻野 イデオロギーから来る対立とか。世界のマインドフルネスで言うと、それを解消していく役割なり力っていうのが実はマインドフルネスにはあるのかなと。

三木 僕もそう思っています。

荻野 我々がビジネスサイドで広げていくと、効果だけフォーカスしやがったマインドフルネスをやっているという捉え方をされることもあるんですけど、決してそうではなくて毎日毎日座っていくと気づくのは自分の中にある本当に大事なもの、価値観であったりとか、自分の使命感だったりとか、あとは良心ですね。ていうのにいずれ気づくことになる。
荻野 その良心だったり価値観・使命感を果たしてく、それを表現していく、広げていくっていうことの根底にマインドフルネスというものがあると思うし、世界中に広がれば広がっていくほど、みんなが座れば座るほどそういった人たちが広がっていくのかなと思っているので、今後の世界のマインドフルネスは世界平和を担っていく一つの役割があると。

三木 標準的なOSみたいな。

荻野 そうですね。

宇都宮 まず座りましょう。

三木 Wisdom2.0の時にジョン・カバット・ジンさんがおっしゃっていたマインドフルネスというものは世界の国とか宗教とか言葉を超えた標準的なOSになれば、みんながコミュニケーションできるようになって、戦争とかテロはなくなっていくんじゃないかとおっしゃってましたけど、それは僕もすごく共感しました。

荻野 そこに向けて着実に活動していきたいなと思います。

三木 ぜひこれからもよろしくお願いします。

荻野 よろしくお願いします。

三木 ということで今日は非常に心に響くお話ができたんじゃないかなと勝手に思っておりますが。

宇都宮 勝手に(笑)。

三木 本当に貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。

荻野 ありがとうございました。

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対談動画


▼荻野淳也さん

https://www.facebook.com/junya.ogino


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