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第90回MMS(2014/10/10対談) 「鎌倉から世界へ!カマコンバレーと地域特化型クラウドファンディングiikuniを語る」 村式株式会社 代表取締役住吉優さん

本記事は2014年に対談したものです。情報はその当時のものですので、ご了承ください。

MMS本編

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enmono 本日は、村式株式会社 代表取締役の住吉さんにゲストとしてご出演いただきます。趣のあるこちらの古民家は、村式さんの本社です。ホームページも日本的ですよね。

住吉 村式はWebのベンチャー企業で、9年目の会社です。「日本×ITテクノロジー」をキーワードに、「魂がビリビリしびれる日本発のヤバイ事業をどんどん生み出していく」という理念で今、16名でやっています。魂が揺さぶられるような、震えるような仕事がしたいですし、一言で言うと、閉塞感をブッ飛ばしたいんですよ。

enmono 私達も一緒です。

住吉 それで、敢えてキレイではない日本語で理念などを語って、事業もそれにマッチするような事業を展開しています。ITの中でも、ECサイトの構築やネットショップの運営が得意です。僕らが手がけたサイトの中で一番成長しているのが「iichi」という、日本のモノづくりをしている作家さんの作品を紹介しているサイトです。

約1万3千人の作家さんに登録していただいて、日本のCtoCのマーケットプレイスだとトップクラスに入っている事業を、博報堂さん、カヤックさんと一緒に運営しています。日本には昔から職人さんが脈々といて、良いモノがあります。ただ、なかなか触れる機会がないので、作り手の方達の世界感をきちんと伝えた上でネットの力で広めていこうと考えました。

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enmono 私と住吉さんの出会いも、KAMACONVALLEYがきっかけです。

住吉 KAMACONVALLEYは鎌倉の町を良くしようと考えている集団で、ITが得意なメンバーが多いので、鎌倉で活発に活動されている方をITで応援したり様々なイベントを企画したりしています。

enmono 私は一番目の個人会員です。今はメンバーが増えてきていますよね。

住吉 個人会員が80名と、法人会員は16社で70名で、約150名が参加しています。

enmono 商店街での土産屋さん、定食屋さん、呉服屋さん、お坊さんなど、バラエティに富んだメンバーが多いです。皆、「鎌倉を面白くしたい」という気持ちです。

住吉 月に一度の定例会では、街で面白い活動をされている方をお呼びして、志を語っていただいています。全員で、課題を解決するためのアイデアを出すのです。毎回、多くのアイデアが出るのですが、現実化にはお金も必要です。それで、鎌倉市活性化のためのクラウドファンディング、「iikuni(いいくに)」の運営を始めました。

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enmono 鎌倉ファンの県外の方や法人の方などにもサポートしていただいているのが特徴的です。

住吉 これまでに12個のプロジェクトが成立していて、成立率が90%を越えています。

enmono 90%を越えるのは、なかなか大変です。どのようなプロジェクトがありますか?

住吉 最近成功したチャレンジは、鎌倉初のダンスフェスティバルです。舞踏と鎌倉の歴史を融合させる、非常に稀なイベントです。他には防災イベントや子ども達のアフタースクールなど、iikuniによって街の人のアイデアがどんどん形になっています。

enmono iikuniがあることで、KAMACONVALLEYが非常に活性化していると思います。お金という分かりやすい指標があって、支援してもらったら結果を出さなければならない状況になるので。日本全国に似たようなコミュニティはありますが、アイデアは出ても、なかなか結果が出ないんですよね。

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住吉 iikuniを立ち上げる前にも、「KAMACONVALLEYとクラウドファンディングは相性がいいのでは」という話になりました。その時に丁度、村式が「COUNTDOWN」というサイトを運営していて、クラウドファンディングのプラットフォームを持っていたのです。

やはり、皆の力を合わせて何かを実現するような、日本的な感じのサービスが好きなので、村式はそのような事業がメインですね。クラウドファンディングは新しい仕組のように言われていますけれども、実は日本的なサービスだと思います。日本には、伊勢神宮へ参拝するための費用を皆から少しずつ集める「お伊勢講」という仕組がありました。それが逆輸入された感じのサービスだと思うのです。

enmono 村式の一番新しい事業について教えてください。

住吉 新しい事業は、「クレイジージャパン村式」です。「日本的な技術・文化とテクノロジーが融合したような、異質なものが同調するような商品を世界に届ける」というコンセプトでやっています。クラウドファンディングとは別の軸で、地域を盛り上げる方法を考えていた時に、江戸の兜・甲冑の本を見たんです。私が今まで触れてきたものと次元が違うインパクトがあって、技術的にもすごいし、本当にかっこいい。どうしてそのようなモノづくりができたのかと考えると、おそらく「大名が無理難題のようなすごいモノを職人に発注して、それを職人さんたちが嬉々としてつくっていたのだろう」と思ったのです。それで、現代に置き換えて「世界の富豪と職人のタッグで、ヤバイものを作ってもらおう」と始めました。

enmono 歩く大仏ロボットですか?

住吉 3億くらいで出来るようです。このような、「無理だろう」と思われるようなことをやっていきたいです。

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日本のクラウドファンディングの現状とこれから

enmono 後半は、日本のクラウドファンディングの現状と、これからどうなっていったらいいかという話をしていきたいと思います。今、クラウドファンディングがすごい勢いで増えてきていますよね。

住吉 200弱くらいあるようです。

enmono それこそ雨後のタケノコのように増えていて、カテゴリーを絞ってやっているところもあるし、全般をやっているところもある。全国から広く集めているところもあるし、地域に特化しているところもある。危惧しているのが、特に地域に特化している様々なサービスです。地域の方々が一生懸命やっているのは見えるんですけれども、仲間だけでお金を集めようとするので、成功率がかなり低い。「クラウドファンディングって、こういうものだったんだ」というがっかりモードが地域に広まると業界として非常に良くないと思い、プレイヤーさんに「こうした方がいいんじゃないか」と勝手にアドバイスしています。結局、成功させないと、「あれは何だったんだ」という話になってしまうので。

住吉 「ただの新しいネットサービスだったのね」で終わるには、あまりにも惜しい。

enmono 全部成功させる必要はないけれども、やはり半分くらいは成功して地域に結果が出るような流れができたらいいなと思い、我々のノウハウを全部出すことにしました。完全にボランティアで、「iikuni大学」という市民のためのクラウドファンディング講座をやらせていただいたんですよね。

住吉 盛況でしたよね。私達にとって、良い経験でした。三木さん、楽天の学長、村式が、それぞれノウハウを持ち合ってシェアしてオープンにするというのは刺激的で面白くて。結果、後から価値がついてきているような感覚があって、それがKAMACONVALLEYの良さでもあると思います。

enmono iikuniとiikuni大学があって初めて、一つの前に進む車として動くと思うんです。仕組があっても、その運営の方法がないと上手く動かないですよね。

住吉 そうです。皆で一緒に盛り上げていくというフェーズですよね。特に今は。

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iikuni大学プレゼンテーション

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enmono 私はKAMACONVALLEYに刺激されて、オープンになりました。ノウハウを持っていても陳腐化するだけなので、世の中に使ってもらった方がいい。市民がキュレーターになるという動きを、鎌倉からどんどんつくっていきたいです。鎌倉以外の方、他のクラウドファンディングの方の参加も歓迎します。

住吉 街の人と共生して、何かイノベーションが起こっていくというような土壌をつくれることは非常に楽しいです。鎌倉が、世界の精神文化を牽引するような街になったらいいなと思います。

enmono 鎌倉には、お金を集める銭洗弁天様がいらっしゃいます。日本をリードするクラウドファンディングシティにしたいですね。

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