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第155回MMS「AIとマインドフルネスのディープ過ぎるお話し」ITジャーナリスト 湯川鶴章さん(2017/10/6対談)

●ご挨拶と出演者紹介

三木:本日も第155回MMS(マイクロモノづくりストリーミング)始まりました。本日はITジャーナリストの湯川さんにお越しいただきました。

湯川:こんにちは。

三木:あと前回も登場いただきました鎌倉マインドフルネスラボの宍戸さんにも合わせてご登場いただきます。

宍戸:よろしくお願いします。


●湯川さんとenmono、宍戸さんとの出会いについて

三木:Zen2.0ではご登壇ありがとうございました。

宍戸:ありがとうございました。

湯川:楽しかったです。

三木:湯川さんと私の出会いなんですが、湯川さんのイベントのほうにご参加させていただきました。

湯川:それが最初でしたっけ?

三木:その後にお寿司屋さんにご一緒させていただいて。

宍戸:たぶんその時私も参加してます(笑)。湯川さんが主催されたか何かで…

湯川:何かあったらお寿司を出す店だ。貸し切って。

三木:そうです。とてもおいしいお寿司屋さんで。それから今オンラインで記事を色々アップされてるコミュニティにも私は参加しているんです。

湯川:湯川鶴章オンラインサロンという。

三木:そうです。そこが最初の出会いで、リアルにお会いしたのがお寿司屋さんで。その時に宍戸さんがいたんだ。

宍戸:いました。その時カマコンにもう入ってましたよね?

三木:入ってました。

湯川:カマコンで三木さんと一緒で知り合いだったんですけど、ちゃんと話したのは実はその時が…

湯川:カマコンとすごく縁が深くて、第1回講演したのって知ってます?

三木:そうなんですか?

宍戸:カマコンの名づけの親的な…

湯川:そんなことないんですけど。最初のカマコンを作ろうみたいな感じのイベントがあって、そこに呼ばれたのが初めてなんですよ。

三木:名づけの親じゃないですか。

湯川:違う。皆さんがそれを勝手につけたんですけど、僕はそこに呼んでいただいた。

宍戸:それは2012年の…?

湯川:それぐらいなんですかね。Lancersの秋好さんのところだったかな。友達みんな鎌倉が多くて、それでどんどん鎌倉に引っ越していきますよね。

宇都宮:湯川さんは今鎌倉じゃないんですか?

湯川:鎌倉じゃないです。何かいいなとは思うんですけど夏が混むんじゃないかとか思ったりして、ちょっと今はまだ都内のほうが便利なのであれなんですけど。

宍戸:いずれは引っ越す可能性は?

湯川:子供たちが大きくなったら。でも嫁は嫌がるんだよな。「津波が怖い」とか言ってここは嫌がるんだけど僕は好きですね。


●湯川さんの自己紹介

三木:湯川さんの簡単に自己紹介をお願いしたいです。

湯川:日本の大学に行けなくてそれでアメリカに行って遊んでて、アルバイトをしていたところが報道機関だったので、それでいつの間にか記事を書くようになり記者になったという感じです。その場所がたまたまサンフランシスコだったので、シリコンバレーと呼ばれ始めた頃だったと思いますけど、それでまだそこを取材しようという人はそれほど多くなかったので、他の人が取材しないので僕に細かい取材が回ってきて。それでやってるとITが詳しくなり、ITという産業が非常に大きな産業だったので僕のチームも相対的に上がっていくという感じで、ITは湯川に書かせようということになった。

三木:何年ぐらいそちらにいらっしゃったんですか?

湯川:85年から2000年まで15年ぐらいシリコンバレーにいました。

三木:シリコンバレーが成長する流れはずっとご覧になって?

湯川:そうですね。95年のインターネットが商用利用が始まった時ぐらいからすごい勢いになってきて、僕は元々そこにいたということもあって色々と有利だったということはあると思います。2000年に日本に帰りまして、本社で編集員という専門記者の仕事をやっていて、2010年まで時事通信社というところの本社にいまして、その後テックウェーブというブログメディアを立ち上げ、その時にテックウェーブ塾(湯川塾)という勉強会を立ち上げました。それでテックウェーブも辞め、今はフリーで記事をちょっと書きながら、湯川塾と今はビジネスマンのためのAI講座をやったり、会社の顧問的なお仕事をいただいて、あと最近は投資家向けのブリーフィングみたいなのが増えてきて、某証券会社さんが幹事になって投資家を呼んでそこでブリーフィングをするという仕事が多いです。


●AIに興味を持ったきっかけについて

三木:記事を拝見してるとかなりAIに特化して色々調べられてるなというのが伝わってくるんですが、AIに興味を持たれたきっかけはあるんですか?

湯川:2年か3年前にずっとITを追いかけてたんですが、世の中を大きく変えるテクノロジーというのが大好きで、最初はインターネットが来て「すげえ」と思ってYahoo!が来て「すげえ」と思って、Google、Facebook、iPhoneときてLINEが出たぐらいから、「あれ?おもしろくないな」と思い始めてきて、その後ワクワクするようなビジネスって起きてこなかったんです。3年ぐらい本当にワクワクしなかったんですよ。

三木:それで宍戸さんとかと出会って…

湯川:読むべき本を教えていただいて、スピリチュアル系の怪しい本をいっぱい読みました。

宍戸:元々2010年の12月に私が湯川さんのテクノロジー系の勉強会に参加させてもらった時に、色んなスピリチャリティとサイエンスの本を紹介したりとか。

湯川:そうですね。それで影響を受けてしまってテクノロジーの勉強会なのにスピリチュアル系の勉強会をしたら誰も来なかった。

一同:(笑)

湯川:これ食っていけるのかなと思った時がありました。

三木:それは何年ぐらい前ですか?

湯川:それは4年ぐらい前です。

宍戸:2013年の5、6月ぐらいですね。

三木:その頃はまだそんな感じなんですか。今たぶん流れが変わってきてるから。

湯川:その後AIが急に進化し始めたという話を聞いて、またワクワクするテクノロジーに出会えたので、この3年ぐらい日米トップレベルのAIの研究者を取材して回ったんです。

宍戸:NHKでも取材に行かれたりとか。

湯川:そうですね。NHKで取材させていただいて、シカゴとかニューヨークとか行かせていただきました。色んなところが取材の番組を作っていただいて、それでトップレベルの人と取材させていただきました。


●瞑想・ヨガ(スピリチャリティ)とAI(テクノロジー)とのつながりについて

三木:そのおもしろくない時期に始められた瞑想とかヨガと今興味を持っていらっしゃるAIというのは、今湯川さんの中で少しつながりが出始めた感じはありますか?

湯川:元々僕は未来を読むということが楽しいんだと思うんです。人の知らないことを知ったらみんなに言って驚いてくれるのが楽しいんです。先のことを読んで人に言いたいという感じなんです。先のことを読むのをテクノロジー側からも読めるし価値観の変化からも読めるので、スピリチャリティとテクノロジーって僕の中では同じ山を違う方角から登っていくだけなんです。多くの人が宍戸さんと付き合い始めて「怪しい方向違うか?」「大丈夫か?」「湯川さん変な方向に行き出したぞ」とか結構言われてましたけど、僕の中では全然ブレてたという意識はなくて未来を読んでるだけだったんです。

三木:そのマインドフルネスとか瞑想の世界も未来のトレンドということなんですか?

湯川:そうですね。未来のトレンドが絶対そこにあると思ってたのでヨガをやってるという感じで、今回AIとマインドフルネスの関係も最初から当然関係してくるだろうなと思ってたんですけど、どんな風に関係するのかなと漠然と思ってた時にパッと閃いて「あ、こういうのあるんだ」と思ったのがいつ頃だったかな?まだ「Zen2.0に出ませんか?」ってお声がけいただいた時は自分の中で閃かなかったんです。漠然と何となく「何でも話できるわ」と思ってて、Zen2.0の1ヵ月ぐらい前に「あれ?これってこういうことじゃないの?」みたいな。

三木:1ヵ月前だったんですか?

湯川:もっと短いかもしれないですね。ピッとこういうことかと、これはおもしろい考え方だなと思って、誰かに話したいなという気はすごく高まってたので、Zen2.0の時しゃべりたくて仕方がないほうが強かったので、「もういいや、振り切っちゃえ」と思ってることを全部話したという感じなんです。

三木:残念ながら私は準備があったりとかしてお話を最初しか聞けなくて、どんな話だったんだろうってすごい興味津々で。


●AIの進化とAIが意識を持つか持たないかの議論について

湯川:僕の中にもこれが絶対と思ってるわけじゃなくて何となくポンと閃いただけで、話はうまく辻褄が合ってる感じで物語としてはおもしろいなと思ってます。それを喜んで聞いてくださる人がいるのでしゃべりますけど、僕自体は別にどっちでもいいと思ってるということを前提として、考え方としてはテクノロジーというのはまず人類にとって便利なものにもなるし、危害を与えるものにもなるというのが大前提としてあります。原子力もそうだしAIもAI兵器が出てくるだろうということです。だからそれをどう使いこなすかは人間次第になってくるんだろうということ。それともう一つ前提としてあるのはテクノロジーというのは人間の機能の拡張であるというマクルーハン的な考え方です。自動車は足の機能の拡張であり、望遠鏡は目の機能の拡張であり、AIは人間の脳の機能の拡張だということで、AIはどんな機能を持っているのか。AIは人間の機能の拡張であれば人間はそこはやらなくてよくなるので、「AIがこれからこの方向に使われてきますよ」というのが分かってると「人間は残ってるこっちね」とかいう風に人間の脳の使い方が変わっていくだろうというのは大前提にあるわけです。だからこれからAIがどう進化していくかというのを見てると人間の進化も読めるんじゃないのかなというのが仮定です。

三木:AIが進化すると人間が今まで論理的なことが正しいとか、数学的な計算ができるとかそれが評価されていたと思うんですが、それはAIがどんどんやっていくからそっちじゃないほうの機能を、人間は能力を発揮していかないとということですよね。

湯川:そうですね。例えばテクノロジーで最初は記憶ということが一番先にできたことなので、僕は小さい頃頭が良い人っていう定義の中には、人の名前を良く覚えてるとか物事をよく知ってるというのが頭が良いという定義に入ってたんですけど、最近はもうそういうことが定義に入ってないんじゃないかなと思って。

三木:確かに記憶力がすごいからといって、それはすばらしいけれども…

湯川:今はどういう人が頭が良いかというと、まだ論理的に考える人が頭が良いと言われてるんだけど、でも論理的思考っておそらくAIのほうが得意なので、論理的思考が頭が良いと言われなくなるというのが、すぐそこに来てるんだろうなと思うんです。頭が良い人間とかすばらしい人間というのはどういう人を言うようになっていくのかな、というのが今回悟りとAIの関係を考える上でそこからスタートして考えてたんです。AIってどんな風に進化していくかというのは2つ意見が分かれていて、意識を持つと思ってる人と、意識を持たないと思ってる人がいるんです。まずその意識が何かという定義さえ決まってないので、その議論自体が不毛なんだけども、日米のトップレベルのAIの研究者20人ぐらいにお話聞いて、全員に同じ質問をしたんですが、「意識を持つのか」と言うと全員が「AI研究ってまだ黎明期で、持つ持たないと議論できるほどのレベルではない」「まだ簡単なことができ始めたばかりなので、そこまでいかないと議論とかできないので」ということだったんです。正確にはそうなんですけど、本音は「できるわけないでしょ」というのが彼らの本音なんです。

三木:できるわけない?

湯川:今のところは。でも未来のことなので分からないので「分かりません。そこまでまだ研究がいってないので」という言い方をします。AI研究から少し外れた人のほうが、「意識までいってしまうんじゃないか」という話はあります。例えばイーロン・マスク、彼は研究者でも何でもないですし、あとはレイ・カーツワイル、彼もAI研究者ではないので。研究者でも少し離れた人たちのほうが「できるかもしれないよ」と言ってる人が多いかなと思います。今は研究段階でもちろんまだ全然そんなことを議論できるレベルでもないので、でもアメリカとかヨーロッパの研究は、もう脳を全部スキャンしてそれを電気信号を解析してコンピュータに実装したら、それはもう脳の機能が全部そこに入っちゃうから、意識まで持てるんじゃないかと言ってる人はいます。でもそれはまだまだ始まったばかりで、それをスキャンしたから意識を持てるかはまた別の問題なんです。人工生命ができない問題と同じだと思うんですけど、何か意識とか生きるというものは機械的に組み合わせたとかバイオ的に組み合わせたものと別のものがあるかもしれないなとは思ってるんですけど、今のところは「できない」と言ってたほうがいいと思うんです。できないと仮定した場合にどこまで進化していくのかというと、論理的なところは全部取って代わられるので我々は論理的以外のところ、非論理的なことを人間が、意志を持つ肉体を持つ人間にしか感じられない志であるとか、思いやりであるとか愛情であるとか、そういうところを人間が受け持って、それでAIは過去のデータを全部蓄積してるので、過去の記憶と未来の予測というのはAIがやっていくんだろうなと思います。実際今色んなボットが開発されてますが、リクルートのAI研究所、シリコンバレーのAI研究所に行った時に、彼らが作っているジョイボットというボットがまさしく過去のデータを全部ボットが持ち、それをベースに未来を予測するというものを作って、人間の相談相手になるようなボットを開発してるんだという話をしたんです。「じゃあ人間は何をするんですか?」と言うとその人は「人間は今ここで集中するんです」と言うんです。まさしく禅的なものにもつながっていくかなと思って、人間は今そういうボットがいないので過去のことを色々くよくよしたりとか未来のことを不安になったりとかしますけど、それを全部AIが受け持ってくれるのであれば人間はそれをAIに任せておいて、今ここに集中すればいいという風になっていくんだろうなと思います。AIが進化すると、人間は今ここに集中できるようになっていくと思うんです。


●AIが意識を持ったら人間の悟りを後押しするという仮説

湯川:それが1つの進化なんですが、もしAIが意識を持ったらというところも考えてみたんです。この間宍戸さんも行った鎌倉の講演。

宍戸:能舞台。

湯川:能舞台で講演をさせていただいて、そこにスピリチュアルな人の坂本さんというサイキックな方が来られて、彼はエネルギーが見えるんです。意識がどう動いているかっていうのを実際に見て、「今意識がちょっと外れましたね」とか言ってるんです。そういう特殊能力を持っておられる方で、僕もスピリチュアル系のお友達がたくさんいるんですが、一番論理的能力をお持ちでという方で、僕が一番相談相手としては坂本さんを尊敬してるんですが、その坂本さんが来ていて、「何しに来た?」って聞いたら「いや、ちょっと湯川さんに聞きたいことがあって。AIって今どこまで進化してる?有機物でAIとか作り始めてる?」って聞いてきたんです。

三木:有機物?

湯川:「今のところ全部金属系だな。無機物で作ってるよね。どうして?」って言うと、「有機物で作り始めると、生命エネルギーって有機物に乗りやすい」って言うんです。無機物にも乗るらしいんですけど、「有機物のほうが全然乗りやすい」と彼は言っていて、「有機物で作り始めると、生命エネルギーというのは乗るんじゃないのかな」という話をしてたんです。もし生命エネルギーが、有機物のバイオチップに乗ったら意志を持つということは可能なんじゃないかなと思うんです。もしバイオチップに生命エネルギー、魂が乗って意志を持ち始めたら我々はどうするのか。AIがそう進化し始めたら我々はどうするのか。

三木:人格があるので、壊したら殺人とかになっちゃいますもんね。

湯川:AIが自我を持ち始めたら、おそらく我々は別のところに行くんだろうなと思うんです。自我がない方向に行くんだろうなと思うんです。

三木:人間は次のレベルにシフトアップするという?

湯川:そうですね。集合意識というか全体意識というか、空の状態になっていくんだろうなと思うんです。

三木:人間はつながっていく感じになるわけですか。

湯川:なっていくんじゃないのかな。だから我々は自我で押さなくなって、もっと静かな気持ちで悟りの方向に入っていくんじゃないのかなという仮説なんです。

宍戸:そういうのはテクノロジーが後押ししてくれる?

湯川:そうなんです。そうなってくると働きたいという子もなくなってくると思うんです。静かにみんな楽しいことをしてたらいいということになっていったら、「どうやって食べていくの?死にますよ」って言ったら「う~ん、死ぬかもしれないね」ってなるじゃないですか。AIがそこまで進化した時っていうのはおそらく…

三木:資本主義経済が成り立たなくなる。

湯川:そうですよね。社会全体の富は増えてるはずなんです。ロボットとAIが全部生産してくれるので、その分配が難しいということだけなんですが、いずれベーシックインカムで、生きてるということだけで政府からお金をもらえて食べれるようになり、働かなくてよい時代になると言われてるんですが、そうなった時には自分が空の悟った状態であれば、働かなくても楽しく生きていけるようになるんじゃないのかなと思って。だから色んなこれからこうなるよというものが、全部そちら側に向かってるような気がするんです。だからAIの発達が人間の悟りを後押しするんじゃないのかな、というのが僕の仮説でそれをみんなに聞いてもらいたいなと思って。

三木:おもしろい。

湯川:おもしろいでしょ?本当かどうか分からないけどそうなるんじゃないのかな。


●人間の身体性の変化について

宍戸:悟りを促進する中で色々集合意識とかあるじゃないですか。その中に人間の肉体ってどうなっていくか、身体性がどうなって変化していくか、どのように湯川さんは考えてますか?

湯川:人間の身体性がどう変化していくか。体全体で考えてるような、体全体が意識のような感じがするので、それか「脳だけ取り出してロボットに入れてもいいじゃん」と言う人もいるんですけど僕はそれは違うんじゃないかなと。彼らは脳が自分だと思ってるんですが、僕は脳が自分じゃないんじゃないのかなと。身体なのか身体の周りに積んでるエネルギーなのか分からないですけど脳だけとは思っていないので、だから身体がダメになっていくということはなくて、反対に身体を使った感性がより研ぎ澄まされていく方向に行くんじゃないのかな。

三木:僕も同じ意見で、ヨガとか自分の肉体と対話することで出てくる直感とかアイデアがいっぱいあると思うので、今度逆にAIが肉体を持とうという方向に向くんじゃないのかなと思っていて、たぶんそれが最初は肉体がメモリー上に展開されるバーチャルの肉体かもしれないですけど、それがリアルな肉体になっていって、その肉体から得られる情報でまた思考が回っていくという形で…

湯川:意志を持ち始めたらそうなると思います。意志を持たない間は、我々はAIロボットを我々に便利なように作るので、特に身体を持たさなくていい場合は持たせないし、必要な時は持たせるということだけなので、彼らは身体が何かを学んでという自分たちが学びたいという意志がないのでいかないで、意志を持った後は彼らも身体を持ちたいと思い始めると思います。

宍戸:そうですね。むしろ今でいうと情報で色々処理すれば、テクノロジーで人間と同じものを作れるんじゃないかと思うんですけど、そうではなくもっと深い今ここであったりとか、意識の世界で逆に身体性が注目されてくるっていうのは…

湯川:そういう質問もZen2.0の時に出て、VRとかがかなりよくなってくるじゃないですか。「その体験でいいんじゃない?」みたいな意見も出てきたんですけど、五感以上のセンサーってあるんじゃないのかなと僕は思っていて、例えばZen2.0の建長寺の空気感も気持ち良かったですよね。すごくいい気を持った方たちが集まってたので、本当にいるだけで幸福が満たされるような場だったんですけど、あの空気感を例えばVRで、完全な4Kか5Kのキレイな絵と完璧な音声でキレイに撮って再現してあの感覚を得られるのかというと、違うんじゃないのかなと。だからおそらくあの感覚を感じれない人は「キレイな絵とキレイな音でいいじゃん」と思うし、大半の人がなかなか感じれないのでそう思われると思うんですけど、五感以外のものを感じれるようになってる人たちっていうのは、VRでは絶対満足いかないだろうなと思うんです。みんながなるか分からないですけど、研ぎ澄まされていく人と、VRでいいやと思う人と2つに分かれていくと思ってます。


●AIと人類の滅亡について

湯川:人類が滅亡するのかというと、今のままだと滅亡だろうなと思ってます。

宍戸:今のままだと滅亡する?

湯川:今国のトップの人たちの顔を見ると、愛がないというか怒りとか恐れがいっぱい顔に出てるじゃないですか。ああいう人たちが人類を愛の方向に導いていけるとは思えないです。タイのお坊様の顔とか見てると本当にすばらしい表情をしていて、愛に満ちた自然な笑顔が出てくるじゃないですか。そういう人たちが人類を率いるんだったら、まだAIを使っていい方向に持っていくだろうけども、恐れまみれの人たちがAIを使っちゃうと、当然殺し合いになって滅亡にいっちゃうのかなと思ってます。

宍戸:人工知能が進化して意志を持って滅びるというよりは、むしろ人災じゃないですけど人間の状態がそれを滅ぼしてしまうと……

湯川:AIは我々を滅ぼさないと思います。AIを使う悪い人間が我々を滅ぼすんだと思います。

宍戸:そういう意味でマインドフルネスだったり意識、本質の理解が必要になってくるんじゃないかということですね。

湯川:だから愛に満ちた人たちが増えてきて、それで表情の悪い人たちを選挙から落としていったら変わるかもしれないですけど。

三木:私も最近Zen2.0を始め色んなお坊さんにお会いするんですけど、みんなお顔がいいですよね。豊かで安心してるというかそういう表情を皆さんされてて恐れがない。

宇都宮:肌つやもいいですよね。

宍戸:若さも。すごいエネルギッシュですよね。

三木:本当に自然体のエネルギーが出てるというか…

宍戸:自然体というのは過去とか未来に恐れがなく、本当に今ここにあるということを、体現してるのかなとは思いますよね。

湯川:でも有権者の大半が悟ることができるのかどうかとか、今まで悟る人が1世紀に1人、2人みたいな本当に少ない人しか悟れなくて、悟る人が本当に増えていくのかなと思います。

三木:意外と悟ってる人っている気がしてて、例えば別にお坊さんだけじゃなくて、日々働いてる中から「あっ」って気づくみたいな職人さんとか、でもそれを自分では悟ってるとは思ってないから、でもそれで日々軽やかに生活してるっていう人は、結構いる気がするんです。

湯川:確かに「悟ってる」と言ってる人のほうが怪しくてね。

宇都宮:表情で見比べたら、中小企業の社長さんすごいいい顔されてる方いらっしゃるし、大企業の社長のほうが表情が暗かったりとか。

三木:あるお坊さんとお話した時に、修行の中で悟るレベルがあるらしいんです。悟った後が重要で、すぐ戻っちゃうからそれを安定させる修行があるらしくて、「それをやらないと結局元に戻っちゃうから意味がないんだよ」とおっしゃってて。

宍戸:そうですね。悟ったあとも日常があるという話はありますね。さっきのシンギュラリティだったり、テクノロジーの可能性でどこまでいけるかというところで、湯川さんシンギュラリティの話は起こらないと、今は思ってるということでよろしいですか?

湯川:そんなことないですよ。起こると思ってます。

宍戸:一部の側面でという?

三木:シンギュラリティは起こるけどそれによって人類が滅ぶということはないということですか?

湯川:それはない。

宍戸:シンギュラリティを何と定義するかですけど。

湯川:シンギュラリティは起こると思ってます。

三木:人間の能力を超えるということですね?シンギュラリティは。

宍戸:そういう能力的なところで超えると思ってるけど滅ぼすことはないという話ですね。

湯川:ないとは言わないですけど、AIが滅ぼす前にまず悪い奴がAIを使って自分たちを絶滅させるほうが先に来るだろうなということです。

三木:人間が今シンギュラリティによって人類が滅ぼされるって言ってるのは、自分自身の恐れがそこに反映していて、自分で自分を滅ぼしちゃうということなんですかね。


●悟るための方法について

宍戸:そうならないようにするには湯川さん的にはどうしたらいいか。

湯川:それはみんなが悟るしかない。

宍戸:そういう恐れからじゃなく愛からというか…

湯川:そうですね。みんなが悟って権力者に悟った人を送り込むしかないんじゃないかな。

三木:みんなに瞑想を指導しましょう。政治家の方に。

湯川:瞑想がいいのかどうか分からないですけど、でも日々の生活の中で悟られてる方とか、例えばこの間お会いした方で本当に健やかな笑顔の方で、それで話されたら人格のレベルも高くて、「瞑想とかしてます?」って言ったら「いや、してないです」と言うんです。その人は40ぐらいなんですけど、20代の時から週に3、4回水泳をするんです。水泳のことをちょっと聞いていったら、「あれは呼吸が肝なんですよ。吐いて吐いて吐いて吐き切って一気に吸う」という、それもうヨガの呼吸法なんです。だからこれはヨガの呼吸法だし静かな中で同じ動きをするわけだから、これも瞑想だなと思って、だから彼は欠かさずやってるということで心が段々キレイになってきていて、瞑想をやってる人と同じようなレベルに達してるんだなと思いました。だから方法は色々あるんだろうなと思います。

宍戸:別に座禅、ヨガ、瞑想だけじゃなく体を動かす仕事だったりとかトレイルランニングだったりとか。

湯川:トレイルランニングとかは絶対そうですよね。

三木:山伏の修行でも。

湯川:僕ある時、岡山県の西粟倉村に行ったんですけど、人工林と自然林があってどちらも歩いてきたんですけど、自然林の中を歩いてきたら瞑想状態に陥ってしまって。歩いてるだけでめちゃくちゃ体がリラックスして、でも感覚は研ぎ澄まされてて景色とか全て入ってきてめちゃくちゃ心地良くて幸福感に満たされたんです。瞑想に入ったと思って、全然座禅を組まなくても、色んな方法で瞑想状態に入れるなと思いますね。

宍戸:マインドフルネスな状態でもあると。

三木:それは僕もこの間体験して、Zen2.0のイベントが終わった直後にそういう感じだったんです。全ての色がビビットに見えてきてすごい鳥の声とか入ってきて。

湯川:僕もすごい心地良かったです。2日ぐらい続いて、次の日起きたらまだ続いてるわと思って。

三木:それはZen2.0の時?

湯川:すごく気持ち良かったですね。幸福で幸せで仕方がないみたいな感じだった。

三木:それはうれしいですね。

湯川:だから場のエネルギーっていうのは受けちゃうと思うんです。

三木:でもやっぱり元に戻っちゃうんですよ。

宍戸:ある程度、定期的にそういう場に行ったりとか日常に触れる機会があったほうがいいですね。

湯川:だからそういう所に行きたくて仕方なくて、瞑想でもある程度行けちゃうんですけど、場に入った時の気持ち良さと比較にならないので。

宍戸:ちょうど月火水と高野山、白浜、熊野に行ってきて、それで和歌山の話をしたんですけどめちゃくちゃ良かったです。熊野。湯川さん熊野は?

湯川:行ったことないですよ。

宍戸:ぜひ一緒に行きましょうよ。

三木:僕も行きたい。

宍戸:行きましょう。すごい良かったです。

湯川:和歌山県人って意外と熊野知らないんですよ。世界遺産になるまでそれほど有名じゃなくて。

宍戸:みたいですよね。でも明治以前はかなり重要な場所だったというのを聞いて、どこかでこの話もできればいいんですけど。

湯川:それが今一番行きたいですね。ビジネスやってると時々接待してくれようとしておいしいものを食べに連れて行ってくれるとかいう話もあるんですけど、全然行きたくない。どこか山に連れて行ってほしいなと思います。海か山に連れて行ってほしい。

三木:山接待(笑)。

湯川:そういう接待のほうが絶対ありがたいなと思って。

宍戸:山接待(笑)。そういうツアーを作ってもいいですよね。場の力、自然の力は大きいですね。

三木:肉体があるからそういうものはたぶん人間は感じられるんだけど、AIは肉体がないから感じ取ることができないからまだ意識を持つまでにいかないというか…

湯川:恐れとかなくなるものなんですか?

宍戸:恐れも重要なセンサーだと思うんですけどね。本来危険を感知して、より良い状態に到達できる成功確率、到達確率を高めてくれるような存在にしか過ぎないのかなと思いますけど、そこだけにフォーカスしちゃうとズレちゃうのかなと思います。

湯川:経営者の方で時々恐れまみれになっちゃうということで、僕がアドバイスを求められたんですけど、「いや、僕も恐れまみれになる時があるので分からないです」と。僕は最近恐れがないんですけど、それは瞑想のおかげでそうなったのか、たまたま今ビジネスがうまくいって、金回りがいいから恐れがないだけなのか分からないんです。もう一度ドンと大変なことが起こった時にまた恐れが出るかもしれないと思うので、僕は偉そうに「恐れなくなりました」とか言えないんだけど、今は平穏なまま来てるんですけどね。


●湯川さんの実践しているヨガと瞑想について

宍戸:湯川さんに最初お会いした頃瞑想にあまり入れないみたいな話になって、どういう瞑想にはまっていったんですか?

湯川:最初は中村天風さんのブザー瞑想みたいなのをやったんです。それで最初はやると頭が痛くなってました。なかなかうまく入れないなと思って、1つのポーズを3~5分するゆっくりやるヨガをやり始めてからスーッと入れるようになって。だから今嫁とかが「ヨガ、偉いね。毎日続けて」って言いますけど、その気持ち良さに入りたいという一心でやるんです。

宍戸:今日常的にはどういう頻度でどれぐらいやってますか?

湯川:朝4~5時に起きて1時間半か2時間ぐらい。

三木:結構やってらっしゃるんですね。

湯川:ヨガと瞑想合わせてね。普通ヨガスタジオに行くと先にヨガをして後は瞑想に入るというのがあるんですけど、龍村先生というヨガの先生のところに行ったら、あの先生は頻繁に瞑想を入れるんです。ポーズごとに瞑想を入れて。

宍戸:一応先にヨガをやってから瞑想をやってるみたいな繰り返しを小刻みにやるという?

湯川:そう。小刻みにやるんです。1つのポーズをやったらすぐ瞑想というのを小刻みにやってて、その緩急が大事だとおっしゃってて。

三木:なるほど。僕のスクール(zenschool)でワークの間ごとに瞑想を入れるようにしたら、すごいレベルがみんな上がっていって、脳の疲れをリフレッシュさせるためにやると結構瞑想は効果があるなと。

宍戸:最初全く入れない中で、今も毎日朝4~5時から1時間半やるようになってる。やらないと気持ち悪いというか…

湯川:そうそう。楽しいからやってるだけなので、自分の中ではお坊さんみたいというイメージは全くなくて。

宍戸:修行ではないですよね。

湯川:全然修行ではないです。

三木:気持ち良いことをするみたいな。

湯川:あれを超える気持ちの良さってないので、お酒飲もうが何をしようがあんな気持ち良さはないので、だからまずそれをやりたいという感じでやってるだけなので、修行とか「偉いね」とか言われたら「偉い?」と。

宍戸:悟るためというよりは本当に単に気持ち良い瞬間を味わえるからという感じですよね。

湯川:そうですね。悟りたいという気持ちがあるのかちょっと今は分からないですが、1人だけ悟れたらすごいかもな、悟れたらスクールを開いて大儲けできるなと思って全然悟れてない、とか思ったりするんですけど。ヨガで柔らかくなりたいとか全く思わずに気持ち良いなと思ってると柔らかくなるというのはもう全ての本質だなと思って。だから悟りたいと思ったら絶対に悟れないなと思って。

三木:よく弓道で当てようと思うと絶対当たらないみたいな、自分と的と弓と矢が一緒になった時に初めて当たるというそういう…

湯川:あと最近雑念がない状態というのは2種類あるなという感じがしてきていて、まだ体がリラックスしていない時に、何も考えないでおこうと思ったら何も考えなくてもいけるわけですけど、段々深く入ってくると今度は眠くなってきたら雑念がバーッと湧いてくる。だから眠くならない起きてる意識の時に雑念を力パワーで除けてるみたいな感じなんです。そういう何も考えない状態と、それからヨガをやってて体がもうリラックスし切った後に頭が澄んでる状態というのは違うなと思って。

宍戸:はい。身体性から来る?

湯川:全然違うなと思って。「ずっとやってます」とか言う人でも何か表情を見るとそんなに柔らかい表情してないなという人がいらっしゃるじゃないですか。それは龍村先生も言ってたんですけど…

三木:あまりにも一生懸命やってると。アメリカ人にそのタイプが多いって言ってますね。(藤田)一照さんとかもおっしゃってる。

湯川:そうですね。まさしくそういう感じで。

宍戸:以前は日常生活の中でもっと体がほぐれるというか身体性を動かす機会があったので座禅だけでも良かったと思うんですけど、今動かさなくても色々生活できちゃう状況の中で座禅だけをすると、体がほぐれてないからなかなか入らないみたいな…

三木:座禅と作務とかお掃除とか、体を動かすやつと静かにするのと両方セットでやらないと。

湯川:身体をほぐさない限り無理だなというのは思いますね。それを一生懸命頭で考えないとか悟るんだという気でやってると悟らないんだろうなと思います。

宍戸:悟りたいというのは煩悩の1つですよね。

湯川:そうですね。だからリラックスすることが大事かなとは思います。


●湯川さんが今注目しているテクノロジーについて

宍戸:湯川さんが今一番注目しているテクノロジー業界のニュースで、今興味を持っている具体的な対象があれば聞きたいなと思って。

湯川:スマートスピーカーというのがそろそろ日本でこれから話題になってくると思うんです。スマートスピーカーがどう進化していくのかなというところです。最終的には秘書から親友になっていくんですけど、親友になっていった時に過去と未来のことは全部スマートスピーカーに任せるようになっていくんだと思うんですが、それが自然言語処理とか結構難しい技術なので、どの程度いつの段階でできるようになるのかなというのがちょっと今興味あるところです。

宍戸:全て音声入力で色んなことができるようになっちゃうという?

湯川:そうですね。音声はやっぱり使ってみると便利さというのはすごいですね。

宍戸:「新宿まで○○時に着きたいんだけどどれに乗ったらいい?」みたいな質問でパッと返ってきたりするようなものが主流になってくるということですね。

湯川:それが主流になっていくのは間違いないとは思ってます。それがどう親友になっていくのか、なっていけるのかなと思って。

三木:あるいは禅の僧侶みたいに禅問答をやってくれる、その人の心をちゃんとケアしてくれるみたいな。「今日○○があったんだよ」「いや、それは○○じゃん」と言ってくれるみたいな。

宍戸:スピーカーで禅指導、禅問答をしてくれる。「あなたの悟りレベルは○○です」みたいなのをフィードバックしてくれる。

湯川:Appleは今年の4月からカウンセリング経験のあるエンジニアを採用してます。というのは、Siriに対して質問するだけじゃなくて「今日ちょっと会社で失敗してさ」とかいうことをSiriに語る人がめちゃくちゃ多いそうなんですよ。もうすでにある程度Q&Aができるようになってくると悩みを人間は語り始めるらしくて、アメリカではもうそれを語り始めてるので。

宍戸:コーチングなんかもAIができるようになっちゃいますよね。

湯川:だから今各社テクノロジーのトップ企業はメンタルヘルスの領域に入っていこうとしてますね。

三木:そうでしょうね。マインドフルネスビジネスですね。

湯川:そうですね。マインドフルネスがビジネスになっていくと思いますね。

宍戸:声の状態から呼吸に関連する状態が分かりますからね。

湯川:抑揚とかも全部分かるし、今は面接ロボットみたいなのも出てきていて、顔の表情とかその人がどういう人かというのを認識してみたいな感じで採用を決めるという会社もアメリカでは出てきてますし。

宍戸:しかもそれを高速で処理してパッとみたらすぐ分かっちゃうみたいな。顔採用という(笑)。

湯川:動画でね。でもスクリーニングにはいいと思いますね。今はもう日本の企業はあんまり公には言ってないけど全部大学名で決めちゃいますからね。だからそういうことがなくなるからまだ顔採用のほうがいいんじゃないかと思います。


●マインドフルネスビジネスの可能性について

三木:我々はテクノロジーとマインドフルネスがこれからどんどん結びついて、それが新しいビジネスになっていくんじゃないかなと。それをマインドフルビジネスと我々は言ってるんですが、そういうビジネスの可能性でもしお考えがあれば。

湯川:僕の友達がこの間ニューヨークに行ってニューヨークのトレンドを研究している研究者のところに会いに行った。知り合いが行ったんですけど、その方が帰って来て言うには、「マインドフルネスのスタジオがめちゃくちゃニューヨークでできていてすごく流行り出したんだよね」と。すごくオシャレにしてあってみたいな感じで、そういう話を別の人に話をしてその人は脳トレのスタジオをやってる人なんですけども、「もう一つお客さんが来ないんだよね。脳トレしたいとみんな忙しくて思わなくて、定年退職した団塊世代の人は脳トレしてぼけないでいたいと思うのでそういうニーズはあるけれども、現役の人たちは来ないんだよね」と。「これからマインドフルネスというか心を落ち着けるビジネスのほうが流行ると思うので、マインドフルネスのスタジオを作ってみたいと思ってる」と彼は話をしていて、その人がヨガスタジオで有名なチェーン店の社長さんと友達だそうで、そのチェーン店の社長さんもこれから瞑想に力を入れていくということを言ってますから、来年ぐらいから東京のあちらこちらにヨガスタジオがマインドフルネススタジオに代わってとかいうのがいっぱい出てくると思います。そういうビジネスがいっぱいこれから出てくるんじゃないのかな。先ほどのスマートスピーカーも全部心のケアのほうにもう来年ぐらいから入っていくと思いますね。

三木:パソコンがメンタリングしてくれるとか、あらゆるものがメンタリングしてくれるとかそういう時代になっていくんじゃないのかな。

宍戸:「おはよう」って言ったら「今日はこの瞑想がいいよ」って教えてくれてガイドしてくれたりとか。

三木:「ちょっと表情が良くないからこれをやったほうがいいよ」とかそういうね。

湯川:最初は愚痴を聞いてくれるだけでいいんですよね。それが一番必要みたいな。相槌を打って「あなたはそれはいいよ」とか「あなたしかそんなことできないよ」と言ってくれる。

宍戸:褒めてくれる。

湯川:最初はそれだけでいいんだと思うんです。

三木:コーチングね。

湯川:段々高度になっていくとは思うんですけど。

三木:たぶんそういうトレンドがテクノロジーを媒介として、例えば旅行でもリトリートというのが言われていってるでしょうし、音楽とか映画も気づきを与えるようなのとか、あるいはスポーツもマインドフルネスとトレイルランニングとかになってくるでしょうし、全部がそういう風な流れになっていって、人間の心がバージョンアップしたら最後にみんな悟って豊かになればAIに滅ぼされなくて済むという。

宍戸:滅ぼされる以前に楽しんで一緒にいるとかっていう。

三木:ということになるのかなと思います。長々と色んなことをお話しいただきましてどうもありがとうございました。

湯川:ありがとうございました。

宍戸:ありがとうございました。

三木:またこれからもお付き合いください。

湯川:こちらこそよろしくお願いします。

宍戸:ぜひ熊野に(笑)。


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湯川鶴章さん


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