大人になるということ

早生まれの特権。

人より長く子供でいられること。

だからこそ、大人になってく友人を俯瞰的に見られる。
ある意味無責任に他人事として大人になることから少しだけ遠回りできる。
そして、軽蔑が、羨望が私の中で渦巻く。

そんな私も少しずつ見えなくなってきている。

大人を軽蔑し馬鹿にする感情だって、
暖かい陽に照らされた電車に揺られて寝過ごしたり
友達とパンを食べながら帰ったり
友達とホームのベンチで水筒を飲みながら喋ったり
赤外線通信をやったり
思いっきり汗をかいて
夕日を見ることも

なくなってきてしまった。

嫌だ嫌だ!

改良するのはいいけど、私の中、改造して奪っていかないで!

でも、あんたはもうそんなこと言ってるような歳じゃないんだよ、って周りが諭してくる。

木の成長には疎くなる代わりに、街の様変わりに敏感になってしまっている。

無機質な視界が悔しい。

…。さあ、どこに身を置こうか。

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