見出し画像

長編宇宙世紀歴史小説『UC.0080外伝』【宇宙(そら)の閃光】

オペレーション 13
『 シーマ・ガラハウ
の野望! 戦士たちの休息 』        

「シーマさま『コンペイトウ』司令部最高司令官、アントニー・バートン上級大将が出ました!」                        

シーマ艦隊 旗艦 ザンジバルⅡ 級機動巡洋艦『リリー・マルレーン』ブリッジ通信要員より、地球連邦軍のレーダー暗号通信の回線が繋がり、シーマ中佐に交渉相手が姿を見せたことを報告した。

シーマ中佐はマントを靡かせながら通信ワイドモニターの前に立った。                

「やはり、お前か…。『宇宙(そら)の蜉蝣(かげろう)』…、
シーマ・ガラハウ…。」
      
アントニー・バートン上級大将が第一声を発した。
白い髭を蓄えた貫禄ある連邦の提督だった。
                      「アハハ…。あたしも有名になったもんだねぇ~! アントニー・バートン上級大将さんよ、あたしとあんたで『裏取引き』しないかい?
たぶん、地球連邦軍宇宙艦隊に、とっては願ってもない取引だと
思うがね…アハハ…。」
                      シーマ・ガラハウ中佐は『意味深』な発言で返答した。
                     「何だと? どういう事だ?」              

アントニー上級大将は不審げに、シーマ中佐に尋ねた。
                       「アハハ…、情報と金塊500kg
と交換の『裏取引き』さ!
さあ、どうする? アントニー・
バートン上級大将さんよ!」 
                      シーマ中佐は、饒舌に恐喝した。               

「こ、小賢しい女狐め!話だけ
は聞こう。その情報とやらに、『価値』を私が見出ださなければ、交渉は決裂だからな! 
金塊なら、何時でも用意できる。地球連邦宇宙軍を舐めるなよ!」

アントニー上級大将はやや高圧的な態度で応戦した。

ここから先は

5,595字

¥ 450

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?