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なぜ部下は、あの管理職についていかないのか

今回の田端大学定例課題は、課題図書「はじめての課長の教科書」の第2章で紹介されている「課長の8つの基本スキル」を発動させて、素晴らしい結果をもたらしたストーリーを発表することです。


課長とは

この課題図書で示されている課長としての機能は、以下の通りです。この機能を持つ立場にあるサラリーマンは、肩書が何であれ、本書でいうところの課長としての立場となります。

1.予算管理に実質的な責任を持つ
2.経営者と直接仕事の話をすることができる
3.課長は部下の業績や能力を評価すること (人事査定を行うこと )が正式に認められている

世に知られる中間管理職として、管理職の中の最下層であり、最も現場に近い存在です。課長に求められる存在意義は、以下の通り。

・上層部からの経営情報と現場からの現場情報が集まる
・部下 、顧客 、部長の三方向に目配せをしつつ 、対立する利害を調整する
・世代間で異なる価値観がぶつかる場所に位置しており、そうした異なる価値観をそれぞれに理解するばかりでなく 、異なる価値観の 「通訳 」である

イケてない管理職の8つのあるある

突然ですが、こんな管理職、いませんか?

1.ネガティブな報告をしたら、最初から露骨にイライラ。何を報告しても、とにかく論破しようとする管理職
2.褒めることをせず、過去のことをいつまでもネチネチほじくり返す。挙げ句、人格批判をする管理職
3.部下を、自分の言うことに従うイエスマンにしたい管理職
4.部下に仕事を与える理由が「上からの指示だから」と言う管理職
5.仕事の能力以上に、部下の仕事量に開きがある采配をする管理職
6.なにかと「おれが若い頃は〜」とマウンティングしてくる管理職
7.コミュニケーションのために飲み会を企画するが、誰も行きたがらない管理職


課長の8つの基本スキル〜なぜあの管理職はイケてないのか〜

本書で紹介される課長のスキルは、以下の8つの基本スキルにまとめられています。いずれの基本スキルの目的も、「部下のモチベ ーションを高め 、維持する 」ことに貢献することに共通しています。
なお、田端大学の過去の課題図書「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」では、マネジャーの最も重要な責任は、部下から最高の業績を引き出すことである、とされています。


1. 部下を守り、安心させる

部下が失敗しても、上司が守ってくれる心理的安全が確保されていれば、部下は思い切った仕事ができる。そうすることによって、組織のアウトプットの質がと量が拡大することが期待されます。
経営層からのムダな仕事などを断るなどの行為も、これに当たると思います。

2. 部下を褒め方向性を明確に伝える

煽てるのではなく、褒めることで、感謝の意を示しつつ、部下が向いている方向性が正しいと認識させる。また、積極的に皆の前で褒めることによって、部下のモチベーションが上がることも期待されます。
エース級の部下に無闇に褒めても「バカにしてんのか」と思われてしまう可能性が高いため、部下のレベルや人柄に応じて、適切に褒めることが必要。(ちなみにFランのくせに意識高くて自信過剰な僕ですが、何事も褒められて嫌な気持ちはしませんw)

3. 部下を叱り変化を促す

本書によれば、叱る場合のフェーズは①客観的な事実確認②部下に原因究明させる③部下が原因に気づかなければ、原因を教えて、叱る④新しい仕事を与えるなどのフォローアップをする、とされています。叱るにしても、「おまえならできると思っていたのに 」 等の言葉を挟むことで、叱るという行為を通して 、その信頼と期待を伝えることが必要とされています。

4. 現場を観察し次を予測する

「監視」ではなく、「観察」です。課長という機能は、現場に一番近い管理職であり、経営層に対して現場で起きていることを伝える末端なのですから、現場に注目しなければならないのは、当然です。その上で、部下に教育をし、後は部下の能力を信頼し 、部下の思う通りに仕事をさせる。決して上司、管理職は、「管理者」になってはいけない。

5. ストレスを適度な状態に管理する

人は、適度なストレスを与えなければ怠けるし、過度なストレスを与えれば潰れます。部下の力量と現在の仕事量を鑑みて、適度なストレスを与えることが、結果として組織が最大のアウトプットを生みます。

6. 部下をコ ーチングし答えを引き出す

部下に質問を繰り返すことにより、部下の潜在能力を引き出し、思考を鍛え、モチベーションを上げます。それを続けていけば、その部下は自走することができるようになるのだと思います。積極的傾聴により、とにかく部下から答えを引き出します。

7. 楽しく没頭できるように仕事をアレンジする

部下の能力に応じた仕事を与え、それに価値を見出させ、適切な権限を与えるなどして、部下に、仕事にのめり込ませるような状態にさせます。「与えられた仕事」は、部下のモチベーションは上がらないものですが、「やりたい仕事」であれば、部下は自走していくものだと思います。

8. オフサイト ・ミ ーティングでチ ームの結束を高める

勤務時間中に、職場の外で、それぞれの思いを語り合う場を作ることで、社内の自分たちを客観視することができ、お互いが魅力的な人間であることを再認識でき、結束を高めることができます。居酒屋で自分の昔話や部下のダメ出しをする管理職には、そりゃ誰も着いて行きたくなくなります。しかし最近の時代背景からか、皆が行きたくない飲み会には人が集まらなくなりましたねw


イケてる課長の事例5選

1.人事部の不当な査定から守ってくれた
2.新人が作成した詰めの甘い稟議に対して「よく一晩でここまで仕上げた。あとはオレが手直しするから。ありがとう。」と言った
3.社内監査で指摘だらけの部下について、監査部に「すべて、私の責任です」と言った
4.部下に過度なストレスが掛かっていることを見抜き、その部下を、深夜に及ぶ仕事に参加させなかった
5.課長の理念に共感した部下が、課長が指示しなかった仕事を勝手に仕上げる組織を作り上げた。


ちなみに、上記管理職は、ぼくが直接一緒に働いた方ではありません。もちろん、自身の経験談でもありません。


この方です。


なぜ半沢直樹は国民の熱狂を生んだのか

半沢直樹とは、TBS系で2013年7月7日から9月22日まで「日曜劇場」枠で放送された、池井戸潤の小説「半沢直樹シリーズ」のテレビドラマ化作品です。主演は堺雅人。最終話の視聴率は42.2%を記録し、主人公の決め台詞として多用された「倍返しだ!」は流行語にもなった。
ストーリーとしては、メガバンクに勤める主人公半沢直樹の、合併前の銀行の組織間の対立や同期との友情、家族との絆を描きながら、詐欺的行為をした輩や会社の上司、経営層にまで半沢直樹がマジレスをして言い負かす。キャッチコピーは「クソ上司め、覚えていやがれ!」。視聴者の「本当は上司に言いたい!」といった心理を捉え、毎回スカッとさせてくれるドラマとして人気を博しました。

そこに、ヒラのサラリーマンが管理職に求めるスタンス、つまりはイケてる管理職としての立ち振る舞いがあったのではないでしょうか。

すなわち、権力争いには見向きもせず、バンカーとしての正義を貫き、相手が誰であろうとマジレスをして、部下のことは命がけで守るスタンス。

そして現実社会では、あの企業の執行役員も、同じスタンスで仕事をしているらしい

ZOZO執行役員田端さん「おれは社内政治なんかに興味ないっす。この会社のために正しいと思ったことを言います」

そんな田端さんがサロンオーナーを勤めるオンラインサロン、田端大学。入ってて良かった、田端大学。これが会社員が自由になれる方法です!おしまい


こんなオチになると、「Fランが信仰ビジネスに捕まってる乙www」と言われて終わるので、もう少し深掘りしたいと思います。

田端さん「社内政治に興味を持たず正論をブチまけ続けるのは、実は社内政治的には一番強いんです」

普段どこにも属していなければ、なにかの局面で、すり寄ってくる勢力は存在するだろうし、その時に自分の意見が通しやすくなる。たしかに、社内政治に興味を持たないことは、結果的にどこかに属するよりも大きなパワーを持てることになるのかもしれない。
でもそれは、上司や経営層に負けない視座と信念、知識、その他ぼくなんかでは到底考えが及ばないものを持ってなければ成り立たないだろうし、失敗すれば、それこそ社内政治によって抹殺されかねない。だから、世のサラリーマンたちは「いつか言ってやる」を言えずに悶々と今日もつまらない飲み会に参加しに行くのだ。その飲み会に行くことが、将来の出世に繋がると信じて。

国民が「いつか言ってやる!」と悶々としていることを言うことが、結果的に社内政治のパワーを持つことになるという皮肉。。。

でも、ぼくが数々の管理職を見てきて思うのは、その人のビジョン、信念がある人は、そのまま部長、役員になっていくということ。

本書の冒頭にこんな一説がありました。

「多くのビジネスマンが課長のすぐ手前で昇進につまずいてしまったり 、課長になったとたんに 、人材の輝きが失われてしまうケ ースが少なくありません 。どうやらキャリア形成において 、課長という地位はボトルネックに当たるようなのです 。」

サラリーマンは無能になるまで昇進すると言われます。課長は、経営者と直接仕事の話をすることができる最下位のポジション。そうであるならば、より経営層に近い能力を持たなければ、最下位のポジションからは抜けられないのだと思います。

部下は上司によってパフォーマンスが変わる。そして、その結果によって、部下が自らを昇進させてくれる。仕事のポジションは、与えられるものではなく、自らが勝ち取っていくものであり、部下に与えることで自らが与えられるものなのだということを考えさせられた課題図書でした。


Fラン出身として、田端大学でこれから発信していきますので、よろしければフォローやスキをお願いします!(twitter @zephnko2)

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