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in-cosetics® global 2024でチェックしたい化粧品原料の進化👀!

こんにちは。ZeroGravityのコラム担当Mです。
4月もあっという間に終盤に差し掛かり、新生活を迎えた皆様はそろそろ生活に慣れた頃でしょうか?
弊社は新卒社員がいないので、フレッシュ感を感じることなく、4月も通常運転で元気に頑張っております!


さて、今日から待ちに待った「in-cosmetics® global 2024」が開催されますね!

「in-cosmeitcs® global」とは?
1年に1回、4月にヨーロッパの主要都市で開催される、世界最大規模の化粧品原料の展示会です。世界のビッグ化粧品原料メーカーが集い、その年の新商品や注力していく原料、新しい技術を披露します。化粧品トレンドに原料レベルで触れられる絶好のチャンスでもあります。2024年はパリで4/16-18の日程で開催されます。

https://www.in-cosmetics.com/global/en-gb.html

今年もたくさんの注目原料が展示されるとのことで、私たちもチームをフランスに派遣して、たくさんのトレンドを吸収してくるつもりです🔥

早速街並みを満喫しているみたいです🤭

私が特に注目しているのは、"Innovation Zone Best Ingredient Award"と呼ばれる、革新的な新化粧品原料のアワードです。毎年たくさんの新原料の中から注目の十数原料がノミネートされ、展示会2日目の授賞式で、金・銀・銅の3つの受賞原料が決まります。
このアワードで受賞すると、原料の知名度アップにも繋がりますし、化粧品会社さんからも一目置かれるので、私たちも紹介に気合が入ります。

今年も16原料がノミネートされていて、受賞の報告をパリから待っているところですが…いち早く皆さんにお届けするために(そしてどの原料が受賞するのか全く見当がつかないので)ノミネート原料を一挙にすべてご紹介します!
これを見れば、今年1年の原料トレンドや、数年後のコスメトレンドが一目瞭然です。
(2024/4/17更新)→現地時間4月16日にアワードの発表がありましたので、金銀銅賞を受賞したものから順番にご紹介します!

Innovation Zone Best Ingredient Award 受賞原料

金賞:ETERWELL™ YOUTH

金賞はオランダのメーカーDSMの新原料です。
こちらの記事でも紹介した、ゾンビ細胞を除去することができる原料です。
ゾンビ細胞って意外とまだまだコスメの方には浸透してきていないですよね。原料業界ではすごく流行っているので、ぜひチェックしてみてください。

銀賞:RejuveNAD™

スイスのメーカーMibelleが発売した今大注目のNMN関連の新原料が銀賞を受賞しました!体内のナイアシンアミドが酵素によってNMN→NAD+と変化し、このNAD+が長寿遺伝子と呼ばれるSIRT1を刺激することで肌や体に色々なメリットがあるのですが、RejuveNAD™は、ナイアシンアミドがNMNに変化する際の酵素をブーストし、老化した細胞でもNAD+の発現を高めることが出来る原料らしいです。最強のNMNブースターってこと…?

銅賞:REGETASTE

銅賞を獲得したのは、フランスのメーカーCODIFのリンゴ由来の新原料です。この製品は目の付け所が面白く、皮膚に存在する苦味の受容体(TAS2R)をターゲットにしています。舌以外にも存在するの…!?という点が驚きですが、ここをターゲットにすることで、表皮の老化を改善してつやっつやの肌になるそうです!
どんな仕組みか気になる…!

Innovation Zone Best Ingredient Award 最終ノミネート13原料

CycloRetin

スイスのメーカーClariantの新原料です。
最近注目を集めている"アダプトゲン植物"である高麗人参から抽出された、なんと新・レチノール代替原料とのこと…!効果の高い環状ペプチド:ヘテロフィリンBを多く含んでいて、シワ改善効果があり、たるみ改善効果はバクチオールよりも優秀らしいです。

「アダプトゲン」とは、
1. 服用者にとって無毒であるもの(副作用があっても最小限)
2. 体内で非特異的耐性すなわち、物理的、化学的、生物学的な様々なストレス要因に対する耐性を増加させるもの
3. ストレス要因によって生理機能が基準値から外れてもそれを生理学的に正常化させるもの

https://www.kanro.co.jp/sweeten/detail/id=2713

Illuminyl™ 388

スイスに本社を構えるGivaudanの新原料は美白!緑茶に含まれる”エピガロカテキンガレート(EGCG)”という物質に注目して、これを単離精製した強化ポリフェノール原料とのことです。モノグリコシドである点がユニークで、細胞膜の糖のトランスポーターを活用してより高い取り込みが期待されてる原料になっているそうです!美白には多角的なアプローチが重要という時代になっていますが、この原料は一つで「メラニン生成、チロシナーゼ活性、メラニン転移」の各工程にアプローチできるとのことで効果の程も期待大ですね。

Neuroglow™

Givaudanからは2品目のノミネート原料で、しかも作用は真逆です。Neuroglow™は藍(学名:Persicaria tinctoria)からとれるエキスで、なんと太陽を浴びた時の肌状態を模倣できるのだとか…!太陽を浴びることで増えると言われているビタミンD、βエンドルフィン、オキシトシンを増加させる効果があるらしく、家に籠りがちな人(で病みがちな人?)には救世主の様な原料になるかも…!?

BLISS Oléoactif®

アメリカのHallstarの新原料は心理ストレスに注目。アップサイクルの植物オイルの組み合わせ原料のようです。幸せホルモンと呼ばれ、肌へのポジティブな影響も知られているホルモン「セロトニン」を分解してしまう酵素・モノアミンオキシダーゼ Aに着目して、この働きを抑制する効果があるのだとか。心理ストレス関連の原料は昨年からビッグトレンドになっていますので、今シーズンでも注目です!

Calisensix™

スペインのメーカーLipoTrueからも2原料がノミネートされていて、1つ目は敏感肌向けの原料。ストレスフルな環境(騒音の激しい場所や明るすぎる場所)において、肌の感覚も過剰に敏感になっている可能性に着目して、炎症物質の発生を鎮める”肌のマインドフルネスコーチ”を謡っている原料です。

SP[AI]3™

Lipotrueの2つ目の原料はニキビ肌向けの混合ペプチドですが、なんとAIによって選択されたペプチドを組み合わせているらしいです…!ニキビの原因を皮脂、毛穴、炎症の3つと定義して、それにそれぞれ作用する最適なペプチドを組み合わせた3-in-1原料、次世代感も併せて期待大です!

Corneopeptyl™

カナダのメーカーLucas Meyerからもペプチド原料が新商品として登場!肌のバリア機能の構築に欠かせないコーニファイドエンベロープ(CE)を強化するペプチドです。この原料はAIで臨床試験結果を平均化して効果測定をしている点がユニークです。角層に作用するLCE6Aタンパク(Lucas Meyerが世界で初めて発見したらしいです!)を模倣したペプチドとのことで、バリア機能強化のソリューションがまたひとつ増えましたね。

コーニファイドエンベロープ(CE)とは?
表皮の一番外側、角質細胞の周りをまさに封筒(エンベロープ)のように包んでいる部分で、細胞間脂質を構成するセラミドの接着点にもなるので「セラミドの足場」とも呼ばれている、バリア機能を維持するうえで非常に重要な部分です。

Shiloxome™

スペインのPROVITALの新原料は植物細胞内に存在する微生物「内生菌(エンドファイト)」を独自の方法で抽出した原料で、抗酸化や微生物多様性の維持など様々な効果がありますが、耳よりなのは更年期女性の肌の潤いや色むらなどのしっかり効果があるデータがあるとのこと。これも詳しいデータを見てみたいですね!

ILLUMISCIN®-GLOW

スイスのRAHNからも美白系の原料がノミネート。特徴はビール製造工程で出た大麦の芽をアップサイクルして作られている点と、様々な民族や性別、年齢の人を対象にテストをした結果、すべての属性の人で顔の明るさ・色むらの改善に効果が出たという点の2つかと。絶対に効果を出したい美白系の製品や、メンズ向けにも良さそうですね。

Ameyezing 4.0™

UKに本社を構えるCrodaの一員、Sedermaからローンチされた新原料のコンセプトは「自然に明るい目元を実現する驚くべきバイオコンシーラー」
ショウガ科植物の抽出物で、色素沈着が原因の茶グマと、血管が透けて見える赤~紫っぽいクマを改善できるのだとか。アイクリーム向けの原料の様ですが、コンシーラーに配合したり、全顔用のクリームに配合しても、贅沢な製品になって良さそうです…!

RHAMNOSOFT HP HH

フランスのメーカーSolabia Groupからも2つの原料がノミネートされています。1つ目のRHAMNOSOFT HP HHは敏感肌向けの原料で、細菌発酵によって得られた多糖類が肌を優しく包み込むように作用して、ダメージ後の細胞間のコミュニケーションを落ち着かせることによって過剰な炎症を防ぐメカニズムらしいです。βエンドルフィンなどにも着目しているので、今年はニューロ系の原料は豊富ですね🤔

Serenibiome®

Solabiaからはなんと両方とも敏感肌原料用の原料が!こちらは糖脂質を解き放つことで肌を保護するだけでなく、肌表面フローラを正常化させるメカニズムで赤みやかゆみ、アトピー性の肌を鎮静などの効果があるとのことです。

BAOLIFT™

スペインのVytrus Biotechから登場した新原料は個人的にとても興味深いです(笑)
バオバブ由来の幹細胞系原料で、皮膚-筋膜-筋肉間のコミュニケーションを助けることで(メーカーは”エクササイズメカニズムを活性”と夢のような表現…!)なんと鍛えなくても顔の輪郭が改善されるらしいです。顔色改善の効果もあるとのことなので、一気に若返りが期待できるかも…?

トレンドの傾向は?

この16原料の中から金銀銅の3つを選択するなんて難しすぎますね…!どれも革新的で興味深い原料でした。何となく傾向としては、ダメージ改善のメカニズムに神経伝達にフォーカスしたものが多く、アンチエイジングというよりは敏感肌ターゲットの原料が多そうな感じですね。

日本の化粧品に使えるかは発売されてすぐにはわかりませんが、調査や販売などはZeroGravityでもお手伝いできますので、気になる原料があった場合はお気軽にお問合せ下さい!

Who's ZeroGravity…?
私たちは化粧品や美容成分をはじめとする美容業界における多種多様な課題に対して解決方法の提案・サポート・実務をおこなうプロジェクト推進型コンサルティングファームです。世界中の開発パートナーと提携しており、美容成分や化粧品等の企画開発を主軸としたプロジェクト進行やブランディング構築の支援を行っています。
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