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同じスキンケアコンセプトならどっちを選ぶ?世界の化粧品原料で3本勝負!

こんにちは。ZeroGravityのコラム担当Mです。
3月は怒涛の忙しさで、涙を流して鼻をかんでたらあっという間に終わってしまいましたね。(ただの花粉症です。)

奥深いスキンケアコンセプト

ところで、来月はIn-cosmetics Global 2024が開催されます。
In-cosmetics Globalとは毎年4月前後にヨーロッパで開催される世界最大規模の化粧品原料の展示会です。日本ではCITE Japanや化粧品開発展などが知られていますが、そのグローバル版ということで、かなり大規模に開催されており、世界中の化粧品原料メーカーが集まるホットな展示会です。去年はスペイン・バルセロナで開催され、今年はフランス・パリでの開催が予定されています。

ちなみに去年食べたバルセロナのパエリアです。日本から出張で行く化粧品業界の人にとっては、ヨーロッパのグルメも密かな楽しみ…?

新しい原料を見ると新しいトレンドも分かるので、私たちのチームも毎年見に行っては、キャッチしたトレンドをお客様に還元しています。
今年はどんなコンセプトやアイデアが新たに出てくるのか、非常に楽しみです!

ちなみに、化粧品、主にスキンケアでは他の製品と差別化をするためにコンセプトが非常に重要になってきます。
「シワ」「美白」など定番のものがもちろん多いですが、更に差別化するために「敏感肌の~」「忙しい人に~」と対象を絞ったコンセプトや、「角質ケア」「皮脂詰まり」など具体的にケアする肌の箇所、「UV」「ブルーライト」などダメージの原因の訴求…など非常に様々です。加えて成分の作用機序まで考えてしまうと、一つとして同じスキンケア製品なんて存在しませんよね。

そんな訳で今回は私が個人的に気になるコンセプトについて、世界の化粧品原料2つをピックアップして、どのような違いがあるのかをご紹介します。同じコンセプトでも原材料やメカニズムが違うので、化粧品原料の世界はやめられません🤭

レチノール代替

レチノールブースターvsバイオレチノール

レチノールと言えば説明不要の人気成分ですが、A反応と呼ばれる刺激に対して苦手意識のある人もいますよね。レチノールの代替原料といえば植物から抽出されるバクチオールも有名ですが、他にも「レチノールっぽいもの」の開発はどんどん進んでますよ!

NovoRetin(ノボレチン)

有効成分:マスチック樹脂

NovoRetinはギリシャのキオス島に生えている特殊な樹の樹脂(マスチック樹脂)で、この樹脂は貴重すぎて(?)「キリストの涙」と呼ばれています。
Novoretinはレチノールが体内でレチノイン酸から不活性型のレチノールに変化してしまうことを防ぎ、レチノールの打率を上げるような効果があります。
シワや毛穴の改善効果は単体で使っても強力に発揮されます。

Lanablue PF(ラナブルーPF)

有効成分:アファニゾメノンフロスアクエエキス

Lanablue PFはアメリカ・オレゴン州のミネラルたっぷりの湖からとれる微細藻類から取れたエキスです。クロレラやスピルリナの仲間ってところですね。
Lanablue PFはレチノールの様な働きでシワや毛穴を改善する効果があり、海外ではバイオレチノールとしてスキンケアに配合されています。

Lanablue PFでレチノールそのものを天然由来にするか、NovoRetinで体内のレチノールを有効に使うか、の選択ですね🤔

ゾンビ細胞ケア

除去vs制圧

ゾンビ細胞は化粧品原料界隈でとてもホットな話題で、アンチエイジングでスキンケアを考える時にはぜひ候補に入れていただきたいコンセプトです。

ETERWELL YOUTH(エタ―ウェル ユース)

有効成分:エピロビウムフレイスケリ花/葉/茎エキス

ETERWELL YOUTHはアルプスのウィローハーブから取れるエキスで、最近発売された新しい化粧品原料です。
人の細胞は1日に600-800億個がアポトーシス(細胞死)をしていて、生まれ変わっていることに着目して、老化細胞のアポトーシスを誘導することができる原料です。
つまりゾンビ細胞を根本的に除去できることが期待できます!
レチノールなど他の成分をブーストする効果もあるそうですよ。

ETERWELL YOUTHは新原料ですが、アルペンローズと呼ばれるバラからとれるエキスであるAlpine Rose Active(アルペンローゼ アクティブ)(有効成分:ロドデンドロンフェルギネウムエキス)という原料もゾンビ細胞除去に効果を発揮する原料としてよく知られています。

Bioptimized Guava(バイオプティマイズ グアバ)

有効成分:グアバ葉エキス

Bioptimized Guavaは韓国・チェジュ島で育ったグアバを最適化された発酵法”Bioptimized”によって抽出した特別なエキスです。
Bioptimized Guavaには、ゾンビ細胞が周りに放出する老化の原因となる因子(SASP)を抑えることができる原料です。
そしてBioptimized Guavaを他のアンチエイジング原料と一緒に使うことで、効き目が上昇するというデータもあります。

ゾンビ細胞ケア系の原料は、使うことで他の成分の効果もアップするので、細胞そのものを老化から守ることに意味がありそうですね。
根本を除去するか、出てくるものを抑えるか、の選択になります。

5G

ピンクvsイエロー

最後の個人的に気になるコンセプトは5Gケアです。
私は通信速度命の人間なので、5Gなどの普及は大歓迎なのですが、一部の研究によると5Gの周波数は肌にダメージを与えるそうです。どちらの研究も可能性の段階というのは前提として、ケアできるものはケアしておきたくないですか?ということで、ご紹介します。笑

IBR-Chill(IBR-チル)

有効成分:ムラサキゴジアオイ花/葉/ 茎エキス

最近5Gダメージにも効果が期待できるという論文が発表された原料で、ピンクロックローズと呼ばれるピンクのバラからとれるエキスです。
主にストレスによる肌荒れに効果を発揮する原料なのですが、この植物エキスは5G特有のダメージにも効果が発揮できそうとのことです。
▼論文もご興味があればどうぞ▼
https://www.imrpress.com/journal/FBL/29/1/10.31083/j.fbl2901031/htm

余談ですが、Chillという言葉はスラング的にゆったりする、落ち着くといった意味で使われているので、化粧品原料にこういう使われ方をしていると、なんだかかわいいなと思ってしまいます。笑

InfraGuard pwd/KeraGuard pwd(インフラガードパウダー/ケラガードパウダー)

有効成分:カエサルピニアスピノサ果実エキス、ヒマワリ芽エキス

栄養たっぷりヒマワリスプラウトと抗酸化作用に優れるタラタンニン(マメ科の植物)の複合原料で、こちらも主に紫外線やIRなどの環境ダメージから肌を守るコンセプトの原料ですが、5G周波数(3.5GHz)での肌細胞ダメージに対する抑制効果を確認しています。
加えてこの原料は爪や髪のケアにも使われているので、体のパーツ全体を酸化ダメージから守ってくれるんですね。

5Gによって酸化ダメージを受けた肌をケアするというメカニズムは同じですので、高貴で美しいイメージのバラ元気で力強いイメージのヒマワリか、の2択で決めましょう!

以上、同じコンセプトの原料の比較でした。一つのコンセプトでも深堀すると色んな原料を使いたくなってしまうので、何を選ぶべきか迷ってしまったらぜひお気軽にお問合せ下さい!

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