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訪問看護ラダーの導入でスタッフの教育体制を整えることのメリット|沖縄県中部地区医師会様インタビュー記事②

今回は中部地区医師会さんの記事第2弾です。前回は機能強化型ステーションⅠ取得を取得した背景から取得による効果、更には歩合制の取組といったお話をお聞かせいただき、大変勉強になりました。
今回はスタッフの皆様の働く環境改善に向け、評価基準となる訪問看護ラダーを独自に作成された背景と、訪問看護ラダーを使用した教育体制整備による効果をお伺いました。是非ご覧ください。

私たち株式会社ゼストは、在宅医療・介護のスケジュールを自動作成するクラウドサービスを展開しています。訪問看護における多くの経営課題に向かってきた私たちだからこそ、お伝えできるノウハウをお役立ち記事として配信しています。 

Q.訪問看護ラダーを作成しようと思った背景は何ですか?
うちに入社する看護師のほとんどは、過去訪問看護の経験がありません。また、訪問看護は病院などとは異なり、独自のスキルや知識が必要とされることも多いです。そのため、訪問看護師として1から育てていく中で、どのようなことができていないといけないかという基準がないと、適切なスキルを身につけられず、業務に対して自信が持てなくなってしまいます。また、こういった基準が明確ではないことは、管理者が評価しにくいことにもつながり、昇格や昇給がしにくく、またスタッフ本人も自己評価を客観的に行えないことも課題となっていました。このような状況を解決するために、訪問看護ラダーの作成が検討されました。
前職が病院などのスタッフは日本看護協会の看護クリニカルラダーを使用し、上司と面談をしてキャリアアップに繫げていたようで、そのようなスタッフたちから「評価されたい」という声が上がったことも、訪問看護ラダーの作成に繫がった一因です。
訪問看護ラダーの作成により、管理者からの評価やスタッフの自己評価が客観的にできるようになり、スタッフのモチベーションの向上や離職防止に繫げられるのではないかと考えています。また、訪問看護師が業務に取り組む際に、ラダーを参考にしてスキルアップを図ることができるため、訪問看護の質を向上させることができると期待されています。
私自身も訪問看護師の経験がないまま、管理者を引き継いだ際に、「訪問看護師は何ができればいいのか、どこまでできたらいいのか」という目安がなかったことを思い出しました。このような状況が改善されることで、訪問看護師がより質の高いサービスを提供できるようになり、利用者様にとってもより良いケアが提供できるようになると期待しています。
 
日本看護協会が定めている看護クリニカルラダーとは
日本看護協会が定める、看護師の論理的な思考と正確な看護技術を基盤に、ケアの受け手のニーズに応じた看護を臨地で実践する能力を5段階で示したものです。
看護師の教育理念に基づき、はしご(ラダー)をのぼるように一段一段キャリアを向上させていく仕組みです。ステップごとに求められる課題が明確なので、目標を立てながらスキルアップできます。
出展:日本看護協会(https://www.nurse.or.jp/nursing/learning/jissen/index.html
 
Q.中部地区医師会さんの訪問看護ラダーの特徴は何ですか?
訪問看護ラダーは、訪問看護師が身につけるべきスキルや知識を明確にし、評価基準を定めることができる重要なツールです。日本看護協会が定めている看護クリニカルラダーが既に存在するので、そちらを流用しようと思いましたが、訪問看護に特化した内容では無いため、日本看護協会の基準に反しない範囲で内容を追加して作成をしています。
日本看護協会の看護クリニカルラダーに加えて、新人や新任への教育的な目線で「医師会ではここまで求めたいよね」という部分と訪問看護ステーションの経営や運営についての内容もプラスしています。
また、技術的なスキルというよりも看護師としての行動規範的な内容を重視しており、他事業所と連携が取れるか、自立して看護計画を立てられるかなどのレベルを明確にしています。
 
Q.訪問看護ラダーの運用を通して期待していることは何ですか?
訪問看護ラダーをもとにしたチェックリストを新規のスタッフに使用し、スキルや知識の習得状況を明確にし、教育体制を整えることを検討しています。これにより、スタッフが必要なスキルや知識を身につけ、訪問看護サービスの質向上を期待しています。また、チェックリストを使うことで、スタッフが自己評価や目標設定を行い、自己成長にも繫がると思っています。
また、既存のスタッフの評価にも訪問看護ラダーを取り入れ、管理者・スタッフともに納得感を持った評価の下、昇給や昇格を促進し、離職防止に繫げていくことを目指しています。今までOJT制度は取り入れていましたが、評価がしづらく面談の時間を設けても課題などの洗い出しができませんでした。
訪問看護ラダーを導入することで、スタッフのスキルアップやチーム全体のレベルアップに繫がることが期待されます。また、新人・新任への基礎的な教育内容である「患者とのコミュニケーション」については、年間を通して面談やチェックリストなどを活用して、研修などを検討しながら進めていくことで、訪問看護師のスキルアップやチーム全体のレベルアップに繫がることが期待されます。
 
Q.訪問看護師として必要だと考えることは何ですか?
利用者さんとのコミュニケーションが非常に重要であると考えています。利用者さんとの会話を通じて、生活に何を求めているのかを正確に理解して接することが必要です。また、訪問したその日だけではなく、「3年、5年、10年先」まで考えた長期的な視点をもつことが訪問看護においては重要です。そういった視点をもって接することができれば、利用者さんの生活の質向上につながるより良いサービスを提供できると思っています。
また、病院では常にドクターや薬剤師が待機しており、検査もすぐにできるという環境が整っています。しかし、訪問看護では、訪問した際に異変を感じた場合、外部の他職種の方々との連携が必要になります。同じ職場ではない様々な方々とチームとなって利用者さんと接していく必要があるため、ここでもコミュニケーション能力の向上は必要になりますね。
看護スキルの向上はもちろん重要ですが、こういった質的な能力も大事になってくるのが訪問看護という仕事であると思っているため、今回のラダーを通して能力の向上、そして利用者さんの満足度向上につながっていければよいなと考えています。また、こういった動きができるようになるためには、日々何かに追われながら仕事をしている状況だとなかなか難しいです。ですが、ZESTさん導入からは効率も上がっているし、私たち所長/管理者の時間的余裕も生まれてきたので、こういった教育体制の構築などに取り組めるようになったと感じています。

今回は大変貴重なお話をおきかせいただき、ありがとうございました!
 
 
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