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2021 SUPER GT Rd.3鈴鹿300kmレース

TEAM KUNIMITSU レースレビュー

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みなさん、こんにちは。TEAM KUNIMITSUの小島一浩です。第3戦鈴鹿300kmレースは、お楽しみいただけましたでしょうか。5月に予定されていた第3戦ですが、ようやく3ヶ月遅れでの開催です。いつもSUPER GTレースを楽しみにされていた関西・東海地区の皆さんに、私たちとしても良いレースが見せたいと思っていたので、今回のレースは予想以上にうまく行って安心しました。今回、私たちTEAM KUNIMITSUは11位スタートで4位フィニッシュし、ポイントランキングもトップとなりました。

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前戦のもてぎが灼熱地獄だったのに対し、今回の鈴鹿は予想外に気温が低く、色々と想定がずれていました。これまで8月末の鈴鹿レースは、連日30度を超える真夏日で実施されることが多かったのです。しかも、今回の天気予報では週末を通じてずっと雨と言われており、確かに金曜日の夕方はパドックエリアもずぶ濡れになるほどの激しい雨となりました。そんな中、決勝レースはウェットなのか、それともちょい濡れのダンプなのか、色々と考えなければならない状態でした。気温は想定よりも低いと考えて、ソフト目のタイヤを選んでいました。そのほうが状況が悪くなった時にコース上にとどまれると考えたわけです。しかし、サポートレースを含め、土曜日はずっとドライタイヤで走行することになりました。レースを考えてのタイヤ選択なので、予選では、サクセスウェイトがずしりと効いていました。そのためQ2進出を逃し、11番グリッドからのスタートが確定します。

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迎えた決勝レース日の日曜日は、予想を裏切り気温が上がる蒸し暑い一日となりました。しかも14時半のレーススート後の15時過ぎには雨が降り始めるとの予報が直前まで続いていました。場内アナウンズでも、サーキットの西側にある亀山では雷がなって雷雨となっており、その雲の塊が伊勢湾に向かっていると伝えていました。しかし、私たちは雨は降らないと信じて、準備を進めることにしました。案の定レースがスタートしても雨は降らず、ずっとドライコンディションでした。しかし、そうなるとソフト目タイヤを選んだ牧野の前半スティントは、かなり苦しい状況となります。それでも彼は必死に踏ん張り、冷静にクルマの状態をチームに伝えてくれたので、後半スティントのタイヤ選択が的確に判断できました。今回の彼の貢献度は大です。それは、チームとしてちゃんと機能している証拠です。また、燃料リストリクターを付けられている現状ではストレートではタイムを短縮しづらく、セクター1の切り返しやシケインの飛び込みで有効なセッティングにすべき、ということでエンジニアが対策を考えてくれました。

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牧野のスティントをミニマムとして、長い後半スティントを経験豊富な山本に託すことにしました。雨雲レーダーではレース終盤には西コースの近くまで来ており、実際にパラパラと降雨もあったようです。それでも路面を濡らすほどではなく、山本の粘りの走りでなんと4位にまでポジションを上げてフィニッシュしてくれました。ここまでうまくいくとは、正直想像していませんでした。しかし、ここからシーズン後半なので、チャンピオンシップを考えると、SUGO、オートポリスでは少しでもポイントを稼いでおきたいところです。しかも燃料リストリクターがワンランク狭くなるので、高低差のあるSUGOやオートポリスは苦戦が予想されます。サクセスウェイトもまだ40kg以上を積まなくてはならないはずで、反面燃料を絞られる分燃費が少し良くなるのが唯一のメリットです。次のSUGOは、NSX GT500にとって相性は悪くないのですが、最終コーナーの長い上りとそのあとの1コーナーは、きついだろうと思われます。そんな状況であっても、チームもドライバーも士気は高く保っています。また、レースでは、今回のように予想が覆されることもよくあるので、とにかく一生懸命走って少しでもポイントを稼ぐことに集中したいと思います。

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引き続き、TEAM KUNIMITSUへの応援をどうぞよろしくお願いします。

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