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2021 SUPER GT第2戦富士500kmレース

みなさん、こんにちは。私は、チームクニミツ監督の小島一浩です。先日行われたSUPER GT第2戦富士500kmの様子は、すでにテレビなどでご覧になった方も多いと思います。私たちチームクニミツは、15位スタートでしたが、なんとか4位でフィニッシュすることができました。まずは、応援をありがとうございました。

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さて、最近のSUPER GTは、初日午前中の公式練習走行の結果が、午後に行われる公式予選ではひっくり帰ってしまうことがよくあります。今回の私たちがそれで、午前の練習走行ではクルマの調子もよく、トップから0.156秒差の3番時計だったので、まずは良い仕上がりが確認できたところでした。ドライバーの山本尚貴も良い感じだとコメントしていました。しかし、午後のQ1では、ミスってしまいました。なんとタイヤのパフォーマンスを発動するタイミングを外してGT500クラス最下位の15番手に溢れてしまいました。確かにどのクルマも実力伯仲ですが、ちょっとした条件変化やタイミングで実力を発揮できないことがあるものです。今回は500kmレースであり距離が長いので、後方から一台一台を抜いていくのは大変です。そこで私たちは、アンダーカットという方法を取ることにしました。2回あるルーティンピットインのタイミングを他チームより早く取り、先にコースに戻って早めにタイヤを温めておくことで、ライバルたちがアウトラップでタイヤに熱を入れている間にオーバーテイクしていく作戦です。これとて、簡単なことではないのですが、スタート担当の山本が頑張って順位を上げていくことができました。

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今回は、牧野任祐は復帰戦となりました。4月に鈴鹿で行ったテストから彼はクルマに乗っており、パフォーマンスの点には不安はありませんでしたが、持久力など身体のことは慎重に見極める必要があるので、様子をみながら走らせようと決めていました。そのため、代役として開幕戦に力を貸してくれた武藤英紀にも今回は控えてもらいました。結果的に牧野はしっかり役割を果たしてくれて、良い位置で最終スティントの山本にステアリングを渡してくれました。タイム的にも、全体ベストラップに迫るタイムをポンと出してくれましたし。しかし、シーズン前に急遽牧野の代役を買って出てくれた武藤には、心から感謝しています。おかげで開幕の岡山ではポイントを取ることができましたし、本当に助けられました。牧野は今後スーパーフォーミュラにも復帰しますし、体調はレース参戦に問題ないレベルと言って良いと思います。

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さて、良い位置で牧野からバトンを受け取った山本でしたが、終盤は私たちの予想より路面温度が下がってしまい、少し硬いタイヤをチョイスしていたので、最後は少し苦労させてしまいました。今回もスープラ勢が速く、ストレートスピードではNSX勢は彼らに届かないという状況でした。それでも長丁場でトラブルらしいことがひとつもなかったのが、良かったと思います。ただし、今回初導入のFCYには、我々チーム側も競技運営団の皆さん側ももう少し慣れが必要だと感じましたね。リスタートでちょっとひやっとする場面もありましたから。結果として、今回のレースは15位スタートから4位フィニッシュでしたから、皆さんに「よく頑張ったね」と言われるのですが、私たちとしてはクルマがよく仕上がっており、ドライバーの実力も揃っているので4位の結果より表彰台を逃した悔しさのほうが強いです。次の鈴鹿は、NSXの特性に合っているし、燃料リストリクターの制約もないので、全力で優勝を勝ち取るつもりで臨みます。ドライバーの二人も鈴鹿は得意としていますし、条件は申し分ないと思います。引き続きチームクニミツへのご声援をよろしくお願いいたします。

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