バーチャルYouTuberが考えるVRの未来と現状~届木ウカ、レディ・プレイヤー1について語る~

本記事はバーチャル美少年Vtuberの届木ウカ氏が映画『レディ・プレイヤー1』について語った動画を文字に起こしたものです。そちらが非常に示唆に富んだ内容だったため、普段バーチャルYouTuberの動画を見る習慣のない人にも知っていただきたいと思い、記事にしました。

文章として意味を通りやすくするために文の前後を入れ替えたり、単語を置き換えている部分がございます。極力ニュアンスがそのまま伝わるように文章化しましたが、実際の話しぶりなどについては下記の届木ウカ氏の元動画をご覧ください。

【バーチャルキャスト】レディプレイヤー1のステマをする生放送【割とネタバレ注意】

(届木ウカ氏、バーチャルホワイトボードに「レディ・プレイヤー1を見て」と書き始める)

届木ウカ氏(以下ウカ):バーチャルYouTuberファンのみんな、レディ・プレイヤーを見よう!

ウカ:なんでかっていうと僕ら(バーチャルYouTuber)が置かれている環境をあれ以上に分かりやすく一般の人に伝える術はない。VRヘッドマウントディスプレイを持ってない人がVRの世界を体感するにはやっぱりレディプレを見るのが一番いいと思ったからです。

ウカ:みんなもVRチャットの動画って結構他の人の生放送で見ると思うけど、やっぱりヘッドマウントディスプレイでVRで見てるのとYouTubeでアーカイブを見るのとじゃ全然違うから、100分の1くらいしか魅力が伝わってないと思うの。

ウカ:ウカがなんでVRが好きかっていうと——ARのゲームで有名なナイアンティックって分かるかな。ポケモンGOのところなんだけど。

ウカ:そこの社長がこの間言ってたのね。「ARはまだ人を外に連れ出せるが、VRは人を世界から遮断してしまう。ハイゲーマーだった俺には分かる」みたいな感じでね。だからあの人は「VR開発はせずにARで食っていく」っていう発言をしてるんだけど、ウカ的にはそれはちょっと違って。

ウカ:例えばARといえばSNOWの顔文字とか。要するに現実に3Dとかバーチャルなものを重ねること。VRは逆に僕らがバーチャルの世界に入っていくこと。

ウカ:現実の世界では個々の能力に差があるから、例えばSNOWとかだとルックスの差が問題になってくるよね。

ウカ:顔を良い感じに加工で誤魔化して可愛い耳とか付けて顎を削ったりするAR。ああいうのは等しく皆に恩恵がもたらされるんだよね。例えるなら、背の小さい人にも背の高い人にも椅子を一台ずつプレゼントする感じ。

ウカ:でも、SNOWで自撮りを撮っても可愛い人は元から可愛いからさらに可愛くなれるけど、あんまり可愛くない人はクマ耳とか付けても元から可愛い人ほどには可愛くなれない。

ウカ:でも、VRはルックスはそもそも関係なしにまずアバターありきで話が進むでしょ。だから、ウカ的には、ARがそれぞれの個々を平等に伸ばすなら、VRはそれぞれの生まれ持ったスキルポイントをフラットにするっていうところが、ウカの好きなところなんだよね。

ウカ:例えるなら、VRは背の低い人に椅子を二台あげて、背の高い人には一台あげて、みたいな。VRの恩恵っていうのは元々の出生した時のスキルポイントが低い人ほど強いと思う。

ウカ:だからナイアンティックの社長はVRをあまりよく思っていないようだけど、ウカはそれこそVRにこそ平等があると思ってる。

ウカ:だって、可愛さで言ったら、のら姐様(バーチャルYouTuberののらきゃっと氏)に勝てる人なんてほとんどいないよ。

ウカ:そういうVRの恩恵がよく表れていたのが、レディプレイヤーだと思っております。

ウカ:レディプレイヤーを全くあらすじも知らない人に説明すると、だいたいサマーウォーズ。サマーウォーズは電脳空間がオズって名前でしょ。で、レディ・プレイヤー1はオアシスって名前で、そこで皆が自分のアバターを持って生活するんだけど、劇中で主人公がVRのアバターにガチ恋してしまって。

ウカ:「キミの中の人が魂がどんなんでも愛してる。外で会おう」ってバーチャル出会い厨をするんだけど、ヒロインは「あなたが見てるのは幻なのよ」って言ってそれを拒む。まあ、結局ヒロインは美人だったわけですけども。それでも顔に傷のある女性だったんですよね。

ウカ:で、まあ、VRでアバターとして惚れていなければその2人が出会わなかったし、恋に落ちることもなかったでしょう。

ウカ:で、主人公には仲間が3人ぐらいいてその子たちの中の人もどんどん明かされていくんだけど、例えば人種的に被差別的な境遇に置かれている人とか、年齢の時点でバカにされがちな低年齢層の人とかがいる。

ウカ:「まだ幼いのにこんなことができるなんて天才だ!」とか言われるのが嫌な子もいる。でも、そういう子たちもVRの世界では、純粋に技術だけで評価されるっていう描写が結構あって、そこが気に入っている。

ウカ:メタい話をすると、ウカが美少年なのも防犯目的だからね。やっぱりウカは「カワイイ」を売りにするつもりはなくて、それはいつか表現の幅に限界が来るからなんだけど。だからこそ、「カワイイ」じゃなくて、ウカが提供できるコンテンツで勝負しなきゃと思って。

ウカ:だから、ウカが例えば美少女のアバターでバーチャルYouTuberとしての活動をしていたら、結果はまた違っていたと思うんだよね。

ウカ:まあ、レディプレイヤー1もやっぱり「現実だけがリアルだから」みたいなリアル至上主義に陥ってしまったわけですが。

ウカ:確かにウカもバーチャルが世界を食って、バーチャルとリアルの割合が10対0になればいいとかは全然思ってない。でも、せめて5対5になればいいと思う。

ウカ:生まれ持った顔や人種や年齢とかそういうものが一切考慮されない場所で、例えば委員長(バーチャルYouTuberの月ノ美兎氏)みたいにサブカル知識で登り詰めて今の人気を獲得した人が出てきたでしょ。だからそういう場所が5割くらいはあってもいいと思うんだよ。

ウカ:レディ・プレイヤー1を見て、ウカたちはもうちょっと上まで登り詰められるなっていうすごい希望に満ちたのは本当だよ。

ウカ:バーチャルのアバターをかぶってトークするだけじゃなくて、他にもきっと色んなことができる。それは例えばVRチャットでのテレビ番組もそうだし、おめがシスターズちゃんのVR格ゲーとかもそうだし。

ウカ:っていうか、たぶんもっとボクたちが想像できないような事業とかも今後展開できるなってすごい希望を感じさせられた。

ウカ:今のVR技術って昔のSF小説に感銘を受けた人がそれを実装しましたっていうフィクションを持ってきたってケースも結構多いんですよ。

ウカ:ゴールデンウィーク、絶対レディプレ見てね!

ウカ:……だからこそ、ウカはあんまりゲーム実況はせずになるべく企画ものでやっていきたいなと思っている。まあ、でもちょっと最近再生数が落ち込んでいるからここらでホラーゲームやらなんやらしないといけない予感はするのだろうけども。

ウカ:レディプレ見た人は分かると思うけどさ、ショウやエイチの中身があの子たちでもガッカリしなかったでしょ?

ウカ:それはまず先に彼らのアバターを通して彼らの人格に惚れていたからだなと思う。

ウカ:例えばレディプレで最初にショウたちを操っているのは実はこんな子たちですよっていうカットが入っていたらたぶん結果は違った。終盤になってあの子たちのあの肉のアバターが画面に映ったからようやっと受け入れることができた、みたいな。

ウカ:たぶん主人公だってエイチの魂をまず最初に知ってたら絶対に抵抗があったと思うのね。

ウカ:——さっきの肉のアバターって言い方が変に聞こえたかもしれないけど、みんなだって次元が一個上の四次元の人が操作してるアバターだっていう可能性も無きにしもあらずだからね?

ウカ:四次元の人たちが暇潰しに三次元で過ごそうとしてるだけのアバターなのかもしれないよ。キミたちが寝てるのは四次元の人が普段の生活をするための時間で、キミたちが起きてる時間は四次元の人がVRチャットにインしてる時間かもしれない。

ウカ:そういう考え方をすると、中の人探しも四次元の好きな人を探しに行くっていうロマンチックな感じにはなるんだけど——まあ許されることではないけどね。

ウカ:痛覚がないっていうのも今のVRチャットのいいところでもある。海外のVRチャットでは荒らしのことをトロルって言うんだけど、トロルが殴ってきたり暴言を吐きかけてきたりするんだけど、VRチャットには痛覚がないからそれがまだ許せている気持ちがあるし。だから、VR空間に痛覚ができたらその時僕らはどうなってしまうのか気になるところではあるけども。

ウカ:VRって痛みから解放されてるって部分もあると思うからね。

ウカ:バーチャルにしか存在しない生物ももういるよ。コンピュータープログラムでできている細胞っていうのがあって、1から10までコンピューターでできて、そのまま遺伝子をプログラミングしてる細胞があるんだよ。単体で生殖、複製がされるっていう。

ウカ:レディプレだと「リアルも僕らには必要なんだ。だってリアルがないとおいしいご飯が食べられない」ってオチがあったんだけど、もし今後味覚さえもカバーできるようになってしまったらね、結局リアルの世界はアバターを変更できない分、不便なだけの世界ってことになってしまうからね。

ウカ:僕らはルックスやその他の体の都合で肉のアバターで出られないからバーチャルなアバターで出てきてるんじゃないの。肉のアバターっていう不便なものを脱ぎ捨ててアバター芸とか色んな解放された表現ができるんだよね。

(ここでアバター芸を披露する)

ウカ:アバター芸なんてそれこそバーチャルの利点だもの。

ウカ:ウカね、取材の仕事が欲しいんだよ!もっとVRについてあることないこと語りたいの!……いや、ないことは語っちゃダメだけども。

ウカ:でもね、ゲーム実況とかそういうのしか来なくて。何でだろ。ウカ、やっぱり喋り方のせいでバカって思われてるのかな。

ウカ:ゲーム実況が悪いわけじゃないんだけど、ゲーム実況系の仕事依頼は金額的に詐欺に近いようなものも多くて。ウカ的にはお金は表現のための資金だと思っていて、お金は目的ではないから面白そうな企画だったら別にお金は要らないんだけど、でもそれだと後輩がボクくらいになった時に「ウカ様はあなたぐらいのチャンネル登録者数でこの値段でやってくれましたよ」ってなったらそれこそ業界の命を縮めることになってしまうから、ウカはやっぱり今は事務所の方と色々話し合ってお仕事を決めてる状態です。

ウカ:あ、レディプレではバーチャル世界での労働もあったよ。ヘッドマウンドディスプレイを付けて、ゲームとかで壊されたオブジェクトをどんどん直していくアルバイトがあって、それで借金を返済していくっていう。それで、ずっとヘッドマウンドディスプレイ付けてるから体壊して死んじゃって、みたいな。

ウカ:あとオタクが大好きなものがいっぱい詰まってるから、オタクだったらレディプレを見るといいよ。スピルバーグは一級オタク介護士だからね。

ウカ:VRチャッターやバーチャルYouTube、バーチャルYouTubeファンは絶対に見に行った方がいい。

ウカ:劇中では結構ファンタジーなシーンが多いんですよ。ハローキティのワールドとか、氷山にバットマンと登ったりとか。そういう「VRは何でもできるんだ!2045年!」っていうお話なんだけど、でもそれは2018年の今、VRチャットでだいたい叶っているっていうことは忘れないでほしいな。

ウカ:僕らが「オアシスの世界へようこそ!」っていう最初の冒頭のシーンを見た時に「あ、これVRチャットでやったわ。あ、やったわ」っていうだいたい進研ゼミで予習した通りになってたから、確かに今は通信関係でPS2ぐらいの陰影の処理になってるけども、できてるものは既に2018年の今とうのとうにできてるから。

ウカ:だからみんな、とりあえずヘッドマウントディスプレイを買うんだ。話はそれからだ。それか、渋谷や新宿のVRゾーンに行くんだ。……地方民は世知辛いな。

ウカ:映画だと3Dゴーグルは3D眼鏡ぐらいの薄さだったんだよ。こんな昔の黒電話みたいな重さじゃないんだよ。ウカ、もう首がヘルニアになりそうなんだよ。首、あんまり太くないから。ウカ、マッチ棒体型だからね。

ウカ:あ、ウカも他人のヘッドマウントディスプレイ被ったら酔う。自分のだったら酔わない。

ウカ:あと、今はVRヘッドマウントディスプレイって13歳以下の子どもが使うと一発で斜視になっちゃうんだよ。レディプレの映画だとそれも解決してて、幼女でも使えるようになってたからまずはそれが大事だよね。ゲームって子どものためのものだもの。子どものうちに異世界とかそういうバーチャル空間を経験してナンボだとも思うから、やっぱり何らかの解決が欲しいよね。

ウカ:でも、視力に関係なく見えるやつもあって、網膜に直接投影するVRヘッドマウントディスプレイだったかな。そういうのが開発されてるらしい。

ウカ:ちょっと斜視気味の友達がいて、「どんな感じに見えてるの?」って聞いたら「見え方は変わらないけど3D眼鏡を通しても全然浮き上がらない」って言ってた。ちょっともったいない。……もったいないなんて言っても、それはその人が見えてる景色なんだから別にそれでいいと思うけどね。

ウカ:これはネタバレになるかもしれないけど、溶鉱炉に親指を立てて沈んでいくシーンは最高だったなー。

ウカ:だいたいみんな伝わったかな。レディ・プレイヤー1を見ましょう!

ウカ:っていうか、やっぱりあれがVRゾーンに行かないでVRを体験できる——VRじゃないけど画面の大きさ的に実質VRみたいな——あれで僕らの世界の在り方とかアバターという概念とかが一番手っ取り早く体感的に掴めるかなと思ったから、皆さんレディ・プレイヤー1を見ましょう!

ウカ:よし、じゃあ終わりましょうかね。というわけで突然のオタクゲリラにお付き合いいただきありがとうございました。

ウカ:でもね、もっと語りたいんだ。語りてえよ。放送じゃ言えねえような、雑誌でしか言えねえようなことをな。

ウカ:というわけでみんな。じゃあ、ウカ帰る。終わります。お疲れ様。バイバーイ。

(バーチャルホワイトボードの向こうへと消えていく)



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すかいはい

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