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「最強のふたり」と「人生の動かし方」と実話の映画化。

評価の高い映画なのに大嫌いという映画がたまにある。そんな映画で一番に思い出すのが「最強のふたり」という2011年のフランス映画。

少し長くなるけどウィキペディアから引用すると。

2011年10月23日、第24回東京国際映画祭のコンペティション部門にて上映され、最高賞である東京サクラグランプリを受賞し、主演の2人も最優秀男優賞を受賞した。また、第37回セザール賞で作品・監督・主演男優・助演女優・撮影・脚本・編集・音響賞にノミネートされ、オマール・シーが主演男優賞を受賞した。
フランスでの歴代観客動員数で3位(フランス映画のみの歴代観客動員数では2位)となる大ヒット作となった。日本でも興行収入が16億円を超え、日本で公開されたフランス語映画の中で歴代1位のヒット作となった[2]。

という映画らしい。

そんなにイイ映画ならと、公開当時映画館に見に行ったが、なんでこんな映画が...... という感想。

しかし、ヒットしたのは事実で、そんなイイ映画は2017年、アメリカでリメイクされ、劇場公開された。その映画のタイトルが「人生の動かし方」日本ではAmazonプライムで独占配信中だ。

(以下、ネタバレあります)

ものすごく簡単にあらすじを書くなら、{頸髄損傷となって首から下が動かない富豪と、その世話をする介護人の話}

この映画(2作品)には原作がある、実際に頸髄損傷となった人が書いた本と、そのふたりの生活を撮影したドキュメンタリー番組だ。

とにかく、実話の映画化。

まず2011年の「最強のふたり」のナニが嫌だったか。

当時の感想が残っているので、書き写す。

「最強のふたり」

評判がいいようで?あるが、そこまで楽しむ事が出来なかった。

まず、金持ちの障がい者が、介護人を募集する。

色々な人たちが面接に来る、経験者がほとんどで、面接時には、みんなが介護経験を売り込むが、主人公になる黒人の青年は、日本で言う、ハローワーク対策で、就職活動をしている、という証しに、(書類にサインが欲しい)という理由だけで、面接に来ていて、介護の仕事などする気はコレっぽっちも無い。

しかし、金持ちの障がい者は、そんな青年を気に入り、雇う事にする。

もともと、黒人の青年も、仕事を探していたのは事実だし、家にいられない事情も重なって、その仕事を受け入れる。
ここまではOK。

勤め始めてすぐに、この仕事は一週間もつづかない、と、屋敷のスタッフに噂される、今まで、介護経験者でさえ、1週間もたなかったという説明が入る。

仕事がはじまり、首から下の感覚が無い金持ちの障がい者には、さまざまなマッサージが必要であったり、勿論、シモの世話なども必要。

黒人の青年は、最初、シモの世話などは、かたくなに拒んでいたが、いつの間にか、そんな仕事も受け入れる。

そして、ふたりは、段々と硬い絆で結ばれていく・・・て、まあ、キレイな物語だが、いったいいくらの給料で、これらの仕事を受け入れ始めたのだろう、介護のプロが1週間しか続かない仕事、絶対嫌なシモの世話・・・この映画はそれらをクリアしていく過程が、なにひとつ描かれていない。

最初はカネ、やがて、友情、そういう流れなら理解できる物語が作れそうだが、これが実話であるのなら、その部分をキチンと描かないと、ただの絵空事だ。

ここに書いたとおり、どうして嫌がっていた介護の仕事を続けられたのか、これが実話であるなら、そうなんだろうけど、「最強のふたり」にはそんな感情の流れが映像からは理解できない。

これが物語の基本で、障がい者とか、黒人とか、差別とか、色んな社会問題が提起されているのだろうけど、基本がヨレヨレで見るに耐えない。
(もちろん、個人的見解、見かたが浅いだけ?)

一方、「人生の動かし方」はもう少し娯楽映画として出来ている。

「最強のふたり」にあった、どんな介護のプロも1週間も続かないというようなネガティブな描写はなく、ただ、タイヘンな仕事なので続かないだろう、ぐらいにハードルが下げられている。

シモの世話の話、描写も出てくるが、もう少しコミカルで、タイヘンさを強調していない。

実話だからと言って、なにもかも真実で行こうとすると、その説明の為の描写がどんどん必要になってくる。

「人生の動かし方」は、ウソをついている訳でなく、あえて真実を描かない手で全体をソフトに包んでいる。

そりゃ、実際はタイヘンな仕事だろうけど、大変さを見たい訳じゃない。

大筋は{首から下が動かない富豪と、その世話をする介護人の話}だ。それをどう面白く見せるかにおいて、「人生の動かし方」のほうがよく出来ていると思う。

でも、そんなに評判はよくないみたい。

「最強のふたり」の評価が高い分、マイナス要素を書くと、分ってない奴と言われそうだ、言われるのは構わないけど、映画の良さが分らないのは困る。

もっとも「人生の動かし方」もすごく面白くなっている訳ではない。

「最強のふたり」もAmazonプライムにあり、この文を書く前に見直そうかと思ったけど、見初めてスグ、拒否反応が出て見られなかった。

評価が高いぶん、なぜ自分が受け入れられなかったのか、考えてみたかったけど、そんな映画が何本かあってもいいか...... と思い直した。

結論として、どちらもオススメしない。

世の中、面白い映画であふれてるんだから.....








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