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中国の「深夜食堂」

日本のサイトで中国の「深夜食堂」という番組が酷評されているのを読んで、なんだか見てみたくなり、調べたら、ウチのネットテレビの中に入っていた。

日本の「深夜食堂」は見た事がなかったけどyoutubeで見る事が出来た。

比べる事は意味がないけど、日本のドラマはやっぱり、色々な事がすんなり入ってくる。

深夜食堂のセットひとつで、国民性の違いが感じられた。

日本の「深夜食堂」は裏通りにある、店内は狭すぎず、広すぎず、深夜12時開店の店なので、窓はあるが、外は暗い、そして店内も明るすぎない。

日本の常連の集まるような店、食堂でもスナックでも・・・そこにあるのは、ちょっとした密室性だと思う。狭い閉ざされた空間に集う人たちの、仲間意識というか、共同体的な感覚、そして明るすぎない店内。

僕が行っていた新宿ゴールデン街の店は、狭く、窓もなく、薄暗く、カウンターだけの汚い店で、常連というほど通い詰めている訳ではなかったけど、その店に入ると、仲間意識的な感覚が生まれ、客どうし、たわいも無い話を、昔からの友人のように話したりする。

日本の「深夜食堂」に漂う雰囲気は、そんな密室感から生まれていると思う。

一方、中国版「深夜食堂」は明るい。

店は通りに面していて、窓は大きく、外のネオンなのか赤い光が照らしている。店内もすごく明るい。

すべてが明るすぎるキレイな映像で、そこに密室感は皆無だ。

おそらく、中国人にとって、薄暗く狭い空間から生まれる仲間意識など無いのだろうと思う。どこでも大声で話し、隣に座ればもう友人で、年収の話や家族構成などプライベートな事まで語り合ったりする、わざわざ薄暗く狭い空間に入る必要などない。

中国版「深夜食堂」が酷評される理由は色々と書かれているけど、まったく日本人の国民性を理解しないまま形だけマネをした感が漂って、ちょっと悲しい映像になっていた。

どんなセットでもかまわないけど、必要なのは常連客の、仲間意識的な心に触れ合う部分だ、中国でそれをどう表現するのか、同じ人間なのに感情の出し方が違うので難しいなぁ…  と、監督でもないのに考えてしまった。



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