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昔の事、台湾でのCM撮影。

古い話で記憶も飛んでいる。

台湾でのCMディレクターをやった時の話。

最初の打ち合わせはFAXだったので、その資料も薄れて読めなくなっている、FAXが感熱紙だった時代だ。

台湾でのCMは2本目で、少しだけやり方に慣れた所だった、撮影の雰囲気、進め方は日本とぜんぜん違うと言ってもいい。

まず、監督の扱い。
僕自身、オレは監督だぞ!!!と偉そうにするタイプではない、それに、日本でそんな態度でいたらすぐに仕事が無くなる。

しかし、1本目を監督して、台湾での生活も長くなるにつれて、偉そうにする、という意味ではなく、オレは監督だぞ、全部見てるぞ!・・・と主張していないと、軽く見られるという事が判ってきた。

よく言われる{自己主張}という奴だ。

この国でイイモノを作るのは大変だ、優秀なスタッフを集められればイイけど、まあ、どこの国にも、ちょっと残念なスタッフはいる、当たり前だが、すべての責任は監督だ。

たとえば、ステンレスのドアを開ける場面、よく見ると、開けた時、照明の脚が写り込んでいる、日本なら、照明さんが気づいて、照明の脚の場所を替えてくれるが、こちらでは、本当に気付かないのか、気付かないふりをされる、細かい所をすべてモニターでチェックして、言うしかない、言えばやってくれるが、監督が気付かなければそのままだ・・・

これは小道具の位置なども同じで、ある程度はやってくれるが、細かな部分は監督が決めるしかない、だから、日本語でいいから、うるさく言って、{監督がなんか言ってるから、ちょっと見て見よう}と、思わせるしかない。

しかし、こんなやり方も悪く無い、おそらく中国圏でイイ作品を作ってる監督、侯 孝賢とか張 芸謀 は、細かい所まで目を光らせ、あの監督、うるさいから、ちゃんとやろう、と思わせて、完成度を高めていったのだと思う。


さて、☝ 上のモノがCM資料の表紙、日期87年と言うのは台湾の年号なので、日本ではいつだったのか・・・(1998年だった)
台湾大哥大(携帯電話)の30秒CM

☟ 下は絵コンテ、中国語を訳してもらっている。


正直、CM撮影はつまらない、コンテどうりに撮るだけだ、有名なCMディレクターになれば別だろうけど、クライアントが見守る中、30秒なら30秒に収まるように、ワンカットづつコンテどうりに撮ってゆくだけ。情けない仕事だ。


☝ 上がスタッフ表&スケジュール表、撮影日2日。ロケ1日、スタジオ1日だったか?
35ミリのフィルムで撮影してVTRに変換しての編集だった。


☝ 上は俳優表&小道具表なのか?中国語は判らない。

☟ 下が完成したCMのチラシ、主演は日本人の石井君だ。



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