黛灰(だいけ)

“黛”を「だい」、“灰”を「け」で辞書登録しておくと、効率が良いです。

“黛灰”という文字列を入力したいとき、「まゆずみかい」と入力して変換するのは少し手間がかかります。長いだけでなく、「かい」で“灰”は上位の変換候補に出てきません。

もしかすると、これは何度か繰り返し入力すれば解決する問題だと思われるかもしれません。たしかに、まゆず…と入力していった段階で上位に“黛灰”の文字列が出てくるようになります。

しかし、「まゆずみかい」と入力していく初期の段階では、“灰”までもが変換候補に上がることはあまり自然なことではありません。
意識の上では、「まゆずみ」と入力している間は、それを“黛”に変換することのみを考えているわけです。そこから「かい」に差し掛かって、初めて“灰”を含めた変換候補が想起され、自然な変換が実現します。
「まゆずみ」のうちに“黛灰”へと変換してしまうのは、なんとも不自然に思われるのです。

さて、どうしたらいいでしょうか。

解決策のひとつは、“黛灰”を「そういう熟語だと思う」ことです。そうすれば、途中で変換してもあまり違和感はありません。

……どうせなら、読み方も熟語っぽくしてしまったほうが短くなります。
“黛”と“灰”の音読みを調べてみると、
黛:たい(漢音)、だい(呉音)
灰:かい(漢音)、け(呉音)
などが見つかりました。

ここで大事なのは、同音異義語が少ないことです。もっと言えば、既存の熟語と被らなければ変換を悩む必要はありません。

今回は、「たいかい」としてしまうと“大会”や“退会”や“大海”などと衝突します。「だいけ」が良いでしょう。

しかし困ったことに、「だい」も「け」も“黛”や“灰”に変換することができないようです。

ならばできるようにするまでです。辞書登録をしましょう。しました。

こうして、“黛灰”という文字列が欲しいときには「だいけ」と入力すれば良くなりました。手間も減り、熟語として自然な変換も実現しています。なんと素晴らしいことでしょう!

この文章を書くのに、“黛灰”の文字列を散々入力し、マッチポンプ的にその効率を享受しました。実際、くだらない試みに見えるかもしれません。

しかし、もう少し実益と呼べる効果があります。変換による事故の防止です。

最初に示したような変換を“不自然に”続けていると、例えば「まゆずみ」を“黛灰”に変換することが繰り返されます。これが無意識のうちに行われるようになり、“黛”とだけ入力したいとき(例えば、他の黛姓の名前を書くとき)に、衍字が発生する可能性があるのです。

これは結構恐ろしいことです(なにせ無意識なので)。杞憂と言われれば否定はできませんが、心配事を減らすことはこれでできています。何より入力の手間が減っているので、“黛灰”と「だいけ」が結びつけば有用なはずです。そう信じましょう。

同様の発想でにじさんじライバーの名前の入力の便宜を図った内容があるため、明日にでも公開しようと思います。

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