【5分でわかるラップ】+前半1.2Fの重要性。後方待機は追走力ない、はダウト。


●自己紹介

前田一太さんを始めとしてnetkeibaや競馬王など様々な媒体で活躍する豪華7名の予想家からなる予想家事務所【MA TURF】に所属。無料オープンチャットやTwitter、note、bookersで毎週予想を無料公開。12月からオンラインサロンを開始しました。
※サロンは1月に二次募集があります。

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この記事の前半は
・有馬記念で競馬デビューするけどちょっとは考えて予想してみたい!
・ラップの見方がわからない!
といった初中級者向けの記事となっております。

①②では複雑なラップ解析などは必要としないシンプルで明日から誰でも使えるラップの見方を解説します。
長々と説明しても読むのがしんどいと思うのでコンパクトに纏めてあります。5分もあれば読めると思うので是非。

上級者の方は③持論「見るべきは前半3Fではなく前半1F.2F」④持論「差し馬だから追走力がない、はダウト」のみ見ていただければ結構です。

●目次
①ラップは【各馬の適性】【展開有利不利馬を見抜く】ためにある。
②【前半3F】【道中のタイム】【ラスト3F】さえ見ていればOK。
③持論「見るべきは前半3Fではなく前半1F.2F」。
④持論「後方待機は追走力がない、はダウト」。


①ラップは【各馬のレース適性】【展開有利不利馬を見抜く】ためにある。

予想でラップを見れたほうがいい理由はこの2つです。

まず、各馬のレース適性について。
2019年有馬記念で単勝1.5倍のダントツ人気のアーモンドアイという馬が大敗し、逆に2020年宝塚記念で単勝106倍のモズベッロという馬が3着に来たようにレース適性は非常に重要で、人気馬の大敗や穴馬の好走を見抜くヒントになります。

次に、展開有利不利馬を見抜くこと。
レースの結果を決めるのは馬の能力だけでなくレース展開、つまりレースラップによるところが大きいです。トラックバイアスやスムーズや進路などの要素もありますが、ここは割愛します。
レースラップによる展開の有利不利は前有利、後ろ有利と言ったようにポジションに左右されます。
例えば、今年のエリザベス女王杯は差し決着となりましたし、ヴィクトリアマイルは単勝194倍のローザノワールが4着に来たように前残りのレースになりました。

では、②でこういったレース展開を見抜く方法をお伝えします。


②【前半3F】【道中のタイム】【ラスト3F】さえ見ていればOK。

競馬は基本的にスタートで力を使ってポジションを取り、道中はできるだけ楽に運び、ラスト自分が持てるトップスピードを出して1着を狙うレースになります。
なので、大事なのは「スタート力」「道中の追走力」「トップスピード」の3つ。

「スタート力」はいわゆるテンのスピードというやつです。最後トップスピード勝負になったときに、単純に前にいた方がリードになる上にスムーズな進路が取りやすい等有利になるので、ポジションを取れるかは重要です。

「道中の追走力」はレースの途中のラップが速いときにパフォーマンスを発揮出来ているかどうかです。自分に当てはめてみてもらえれば分かりますが、3歩いている状態からであろうが軽くジョギングした状態からであろうがそこからの全力疾走の質は変わりませんが、それなりに速くてしんどいペースで走っている状態から全力疾走すると思うように走れないと思います。「追走力」というのはどれくらいのペースなら体力を使わずに走れるかということです。例えば、1600mで活躍している馬が1200mで凡走するのもそうです。レース映像を見てレース中盤になってもどんどん馬群から離されているような馬も追走力がないと判断します。

「トップスピード」はMAXどれだけ速く走れるかです。800mの金メダリストがトップスピードではウサインボルトには勝てないように、馬にはMAX出せる速さが決まっています。ドスローからでも上がり34秒しか出せない馬もいれば、32秒台で走れる馬もいますし、35秒しか出せない馬もいます。

結論、レースラップを見る時に必要なのは以下の3点。
【前半3F】【道中のラップ】【ラスト3F】

※33秒で速い、36秒で遅いなどの目安はレース距離によって変わりますが、良馬場マイル~中距離でイメージしてください。

まず【ラスト3F】
過去のレースを見て、周りの馬が上がり33秒台を出せているのに自身は34秒台しか出せず負けているような馬は「トップスピード」が不足している可能性が高いです。
逆に言えば、自身のラスト3Fが35秒以上のレースでのみ活躍しているような馬も、トップスピード不足でありながらトップスピードが不要なレースで別の武器を用いて活躍できる馬の可能性があります。

上がりのかかる(34秒後半-36秒台)レースで好走するアカイイト
上がりのかかった有馬記念のみ凡走したアーモンドアイ

※netkeibaでこれらのデータは無料で見ることができます。

【前半3F】
ここではスタート力と、ハイペースでポジションを取りにいった馬が苦しいレースだったかどうかを見ます。
例えば、前半3Fが33.34秒台のレースで先行できている馬はスタート力があることになります。でも逆にポジションを取りに行った馬がかなり体力を使わされていることが多く、そういったレースで先行した馬が好走すれば「展開不利を跳ね返して好走した」となります。
前半3Fと後半3Fを見比べて前半3Fの方が速いレースは「前傾ラップ」と言っておおむね先行馬が前半苦しんでいることが多いです。逆の「後傾ラップ」では、先行馬有利となりますが同時に上がりも求められるのでトップスピードに欠ける先行馬だと差される可能性もでてきます。

2022阪神JF
前半3F33.7ー後半3F36.1の前傾ラップ。これでは先行馬は厳しい

【道中のラップ】
ここではどれだけの追走力が試されるレースだったかを見ます。
例えば、いくら前半3Fが速くても道中が12秒後半で進んでいるレースは相当なスローペースで、ほぼどの馬も体力を使わずに走れており、追走力の違いは反映されないレースと考えます。道中がずっと11秒後半で進んでいるようなレースは追走力が求められるので、道中楽なレースばかりで好走していた馬が急に凡走したりします。良く「前半ハイペースだから追走力が求められた」という見解を見ますが、前半3Fだけ速くて道中緩んでいるレースはポジション取りが激しいだけで追走力は求められていません。

2022ダービー 道中12秒を切り続けており追走力が求められた。
2022京都大賞典。中盤12秒後半とかなり緩んだペース。

まとめると、

・スローペースが想定されるレースでは、【後半3F】で速い上がりを使えている馬を狙い、【前半3F】でポジションを取れる馬を狙う。
・先行馬多数やハイレベルG1など道中のハイペースが想定されるレースでは【道中のラップ】が速くてもパフォーマンスを落としていない馬を狙う。
・上がりのかかるレースでは【後半3F】で速い上がりが求められるレースで凡走した馬が穴馬になりうる。

となります。
出来るだけシンプルに、を意識して纏めたので細かいところまでは書けてませんが、これだけでもレース適性やレース回顧の幅が広がるかと思います。好評であれば「レース映像の見方」「トラックバイアス」などテーマを作ってコラムをまた書きますので、いいねやRT、フォローいただければ嬉しいです!!

③持論「見るべきは前半3Fではなく前半1F.2F」

上でハイペースとか前崩れの展開を見るなら【前半3F】が速いかどうかを見る、という話をしました。
しかし競馬が行われる多くのコースが第1コーナーまでの距離は400m前後で、それまでに大抵の隊列が決まってしまうため【ポジション争いでどれだけのスピード負荷がかかったか】を真に反映しているのは【前半2F】でしょう。
例えば今年の京都大賞典。

前半35.8-後半33.9、道中もスローで楽なペースだったにも関わらず先行したユニコーンライオン・アフリカンゴールドは上がりを35秒後半しかつかえておらず、明確にバテ切って負けています。このレースは前半3Fだけ見ればスローにはなっているのですが、前半2Fが12.1-11.2とかなり速くなっていてそこが厳しかったのだと想定されます。

また、【どの馬が逃げるか】を予想するときには前半3Fではなく【前半1F】をみるべきです。「よく前半3F何秒で先行したから今回は逃げられるはず」といった考察をよく見ますが、逃げ馬が決まるのは前半1Fで、2F、3F目は流れによって逃げ馬が更にリードをとったり外の馬が内にポジションを取るために下げたりと惰性で進んでいくだけです。

例えば阪神JFのパーソナルハイ。未勝利を逃げて圧勝して赤松賞を逃げて好走したイメージから阪神JFで逃げ予想した人も多いでしょうが、実際は中盤からの競馬。実際逃げた時の前半1Fは赤松賞で12.5で平凡、未勝利は13.5とかなり遅いラップでした。1200mで12.0秒くらいの前半1Fで走っていた馬が他に何頭もいたことを考えれば、逃げるのが難しいことは予想していなければなりませんでした。

もちろんどれくらいジョッキーが促しているかや陣営の意図も重要なのでレース映像や陣営コメントでのチェックは必須です。


④持論「後方待機は追走力がない、はダウト」

よく【道中のラップ】が締まったレースで後方待機して好走した馬は「厳しいラップで先行馬には辛い流れの中、後方で追走力問われず展開利を得た」と言われがちですが、先程も述べたように基本的に前半3F、特に前半2Fを終えた後は馬群が固定されるのでそこからの追走ペースは先行馬だろうが後方馬だろうが変わりません。

前半3F道中
ラスト4F地点。前半3F地点で先行馬と後方馬の位置関係はかわらない=道中の追走ペースは同じ

例えば今年のダービーで道中のラップが厳しい中で前で粘ったアスクビクターモアのみが【追走力】を評価されている内容の考察が多いですが(確かにに2F目の10.8で先行馬に負荷がかかっていたのは事実だと思いますが)、後方待機から差してきたイクイノックス・ドウデュースは道中も同様のラップで追走しており、それでもバテずに鋭い末脚を使った2頭も同様に【追走力】があるとすべきです。イクイノックスは有馬記念ではタイトルホルダーの作るペースに対応出来るかが鍵になってきますが、少なくともスロー専門の追走力に疑問のある馬ではないことは抑えておくべきです。


以上になります。
③④別にデータとして抽出している訳ではなくあくまでただの持論ではあるので、反対意見や同意、そんなの当たり前だろ、などTwitterのリプでも色々コメントしていただければ嬉しいです!

長文付き合っていただきありがとうございました。
今後もTwitter、note、bookersで予想を投稿していきますのでぜひご覧ください。


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