「楽しみな約束」が怖い
落語の「まんじゅうこわい」みたいなタイトルになりましたが大真面目です。
今回は不安障害に関連するお話です。
日曜日、キュウレンジャーショーに行ってから、私はとても元気になりました。別にそれまで重い風邪をひいていたとかではないのですが、ショーに行く前の日まで、ちょっとした喉の痛みを敏感に感じたり、虫刺されによる熱や痛みに苦しんでました。
「キュウレンジャーショーで生き返りすぎでしょ」と言われると、まあ、それも理由のひとつかなあとは思うのですが、自分が元気になった理由は、自分ではハッキリとわかっています。
「課題を無事にこなせたから」です。
楽しいことも「課題」?
おそらく、これを読んでくださっている方は「ショーが課題ってどういうことだよ」とお思いでしょう。
別に感想文を書けとか、そんな宿題はありません。25才児ですし。
キュウレンジャーショーは、当日券があれば当日に購入も可能なのですが、初めて行く場所で混雑具合がわからなかったので、私は前もってチケットを購入していました。
したがって、自分が行けなくなってしまったら、チケット代が無駄になり、ショーに空席を作ってしまう状態でした。
その結果、私はショーを楽しみにしながらも、当日まで、というよりショーを見終えるまで「体調を崩したらどうしよう」「電車で不安の症状が重く出たらどうしよう」「ショーの途中で具合が悪くなったらどうしよう」とビクビクしていました。
ショーが楽しみな気持ちに偽りは一切ありません。心の底からワクワクしていました。ですが、それでも私にとって、「ショーに行く」ことは「課題」でした。
どういう課題かと言いますと、
①チケット代を無駄にしない
②ショーに空席を作らない
③上記2点のために、当日まで風邪をひかないよう体調管理をきちんとする
という感じです。
そして、この課題の中で一番つらいのが、③の体調管理なんです。
あまりこういうことを言い続けると気持ちの上でも負けてしまいそうで嫌なのですが、事実として、現段階の私は平均よりは体力がない方です。
それをふまえて、③の課題を考えます。
自分は人より風邪をひきやすい。つまりショーに行けない可能性もおおいにある。でも、どうしても行ってみたい。なので事前にチケットをとった。こうなると、風邪をひいてはならない。なんとしても、ショーに行ける状態に自分を持っていかなくてはならない。
ここまでくると、もはや強迫観念です。「楽しいはずの予定」のせいで、その日が来るまでの数日間、ひたすら不安に悩まされることになります。
喉が少しイガイガするだけで怯え、だるさを感じては怯え、虫に刺されては怯え・・・「はやく当日になって、行けるか行けないかハッキリわかる状態になってくれ!」と、色んな意味で予定の日が来るのを心待ちにしていました。
不安による「約束」への恐怖
友達と会う約束、楽しいショーの予約、スケジュール帳に書き込まれていく、様々な予定・・・
どんなに楽しいものでも、どんなに喜ばしいものでも、不安障害を抱えている今の私にとって、全ては「課題」と化してしまう。
そんな状態に、陥っています。悲しいことに。
自分でも「気にしすぎている」自覚はあります。
人間誰しも、常に健康、常に完璧、というのは無理でしょうし、「突然風邪をひいてしまって予定をキャンセルする羽目に・・・」というのは誰にでもあり得ることです。
それでも、私は未だに、「約束ごと」への苦手意識が拭いきれません。
私は、一時期、友人からのお誘いにより、様々な観劇の予定を結構な頻度でいれていました。
予定をいれた際はピンピンしていたのですが、観劇を控えた少し前、謎の微熱感に襲われました。「まずい、風邪か?」と思ったが、特に重い症状はなし。一応病院で薬をもらうが効かないし、数日たっても治らない。
どうしよう?と悩んで、友人に「風邪っぽくて、行けるかわからない」とメッセージを送りました。ありがたいことに、友人は「ギリギリまで、行けるか行けないか返事を待つよ」と返してくれました。
今思うと、あの時点でキッパリ諦めておくべきでした。
私は、来たる約束の日まで、治らない微熱に対し様々な治療を試み、いつも以上に風邪に対して神経質になり、決断をくだせないことに焦り、精神的に消耗していきました。
そして、ギリギリになって、結局「行けない」とわかり、友人に迷惑をかけることになりました。しかも、そういったことが、立て続けに起こってしまいました。
それからです。約束することが、とても怖くなりました。
体調管理をきちんとできなかったことへの悔しさ、友人に迷惑をかけたという罪悪感、それによって今後の関係が悪くなってしまうのではないかという恐怖。
体調不良によって立て続けに「約束」を反故にする羽目になってから、楽しいはずの「約束」が、不安の対象になってしまったのです。
幸い、友人は心優しく、土壇場でのキャンセルを許してくれました。
ですが、そう何度も同じような真似をするわけには行きません。
私は、段々と「約束」をしなくなりました。
理解者のありがたさ
私が今「約束」をする相手は、非常に限られた相手だけです。
私が不安障害を患っていることを知っている人。
私が突然キャンセルしてしまう可能性を理解している人。
そのうえで、それでも「一緒に遊ぼう」と言ってくれる人。
このような友人は、本当にありがたい存在です。
理解したうえで付き合ってくれているわけですから、必要以上に「約束」に怯えずに済むので、前日まで「約束」に苦しんで本当に体調不良になってしまう、なんてことも起きづらいです。(起きないとは言い切れない・・・)
ドタキャンを許してくれ、とは思っていません。事前連絡は、できるだけ早い方がいいでしょう。相手が大事であるならば、なおさら。
ですが、「そんな状態(不安障害を抱えている)なら約束なんかするな」と言われてしまうと、もう私は「約束」が永遠にできなくなってしまいます。
少しずつ、「約束」は決して「課題」じゃない、楽しいものなんだ、ということを自分に覚えさせていくことが、何よりも不安の克服につながると思っています。
今のところは、自分ができる範囲の行動をちょっとずつ確かめて、できそうなら「約束」してみて、少しずつ挑戦の範囲を広げていく。
そんな感じで努力していこうと思っている次第です。外出の頻度をもう少し増やすかなあ。
以上、「楽しみな約束がこわい」でした。
今度はサポートが怖い。(まんじゅうこわいオチ)
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