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キュウレンジャーよ、永遠に

2017年の2月12日に始まり、本日、2月4日に終わった特撮番組、『宇宙戦隊キュウレンジャー』

私は、最高の最終回をリアルタイムで見られた感動と、「ほんとに終わっちゃったんだ・・・」という悲しみで、朝の間、しばらくぼんやりしていました。

ようやく理性が戻ってきたところで、大好きな『宇宙戦隊キュウレンジャー』について語りたいと思います。

※以下、全話にわたるネタバレが含まれます※

『宇宙戦隊キュウレンジャー』とは

はるか未来。宇宙幕府”ジャークマター”に支配され、人々は苦しんでいた。しかし、とある伝説が存在した。星座の力を宿した”キュータマ”に選ばれし救世主が現れ、宇宙を救うという伝説が・・・!

という感じの、ヒーローものです。

宇宙規模での戦いであるがゆえに、そもそも地球人が主人公ではなく(主人公のラッキーはシシ座系出身)、狼男にアンドロイド、ロボットに機械生命体に現役小学生と多種多様なキャラクター、そして当初「キュウレンジャー」というくらいだから9人だと思っていたら最終的に12人になるという大所帯ぶりも相まって、とにかく一話一話の内容が濃い。
そもそも9人の時点で「多くない?」と思っていたんですけど、なんかもう12人ともなると・・・逆に何も言えない。

そんな『キュウレンジャー』に、私はすっかりハマって、この1年を過ごしておりました。前々から特撮はちょくちょく見ていたのですが、こんなにも毎週心待ちにし、ショーに足を運び、写真集を買うなんてことは今までありませんでした。(キュウレンジャーショーに関する記事はこちら

自分でも何故こんなにハマったのか、きっかけがどこにあったのか、いまいちわからないのですが、全話を振り返って改めて感じた『キュウレンジャー』の良さについて伝えたいと思います。

見せ場ガッツリ、魅力バッチリ

12人ともなると、ひとりくらい空気になりそうなキャラがいてもおかしくない気がします。だって12人ですよ。もし30分の時間内に12人の見せ場つくってたら、ひとり2分ちょっとしか持ち時間ないんですよ。

でもそんなことにはならないのが『キュウレンジャー』。

きちんと1話1話で”メイン”となるキャラクターが定められており、数話を通してそのキャラクターの抱える問題、そして解決までを描く。これが基本の流れです。
単発のギャグ回でも、一部のキャラにしぼって話をすすめるので、わかりやすくて助かります。

出動も常に全員!ではなく、福引のガラガラみたいなやつにメンバー全員のキュータマをいれて、5つ出た色のメンバーが出動・・・という、まあ実質5レンジャー的な感じなので、メンバーを覚えやすい

最後の方は全メンバーがフル稼働でしたが、それでも基本的に特定のコンビ・チームがあり、それぞれが別行動で戦うので画面のゴチャゴチャ感はなし
むしろその特定のコンビの息の合った攻撃、掛け合いの面白さが素晴らしく、12人いても全員の見せ場って作れるんだな・・・と感動しました。

で、キャラクターとしてやっぱり大事になってくるのは主人公、レンジャーの赤色枠です。

『キュウレンジャー』のレッドは、シシ座系出身の青年、名前はラッキー。
「宇宙一幸運な男」を自称し、実際いろいろとラッキー(不時着したらたまたま敵にぶつかる、落ちたところに布団がたまたまあって助かるetc)で助かっています。口癖は、「よっしゃ、ラッキー!」

しかし彼は本当に幸運な男かというと、そういうわけでもない。
むしろ、幼いころに故郷を襲撃され、両親を失ったという悲惨な過去持ち。そう、全然ラッキーなんかじゃないのです。

しかし彼は常に前向きに、どんな絶望的状況でも「よっしゃ、ラッキー!」と叫びます。うつむいていても始まらない、ものごとをポジティブに捉えることで、打破してみせるそうして本当に幸運を呼び込む。
それがラッキーの主人公らしさであり、12人もいる個性バラバラのメンバーを結びつける要ともなっています。(ちなみに、偉い人というか司令官は別にいます。なのでラッキーはリーダーというか、みんなの心の拠り所?)

ひとりひとりが”スーパースター”

主人公枠のレッド、ラッキーは「スーパースター、シシレッド」。

『キュウレンジャー』では、このように「◯◯スター、星座+色」というように変身後の名乗りがあります。

全部あげてみると・・・

スーパースター、シシレッド(赤)
ポイズンスター、サソリオレンジ(橙)
ビーストスター、オオカミブルー(青)
トリックスター、テンビンゴールド(金)
リングスター、オウシブラック(黒)
サイレントスター、ヘビツカイシルバー(銀)
シノビスター、カメレオングリーン(緑)※女の子
スピードスター、ワシピンク(桃)※女の子
フードマイスター、カジキイエロー(黄)
ドラゴンマスター、リュウコマンダー(紫)
ビッグスター、コグマスカイブルー(空)
スペースバスター、ホウオウソルジャー(赤)

「スターってついてるけどフードマイスターは意味違うだろ」とか「赤がふたりいるじゃねーか」とかツッコミどころはいっぱいあると思うんですが、私が言いたいのは、この全員が、ちゃんとひとりひとり、本当に”スター”で、かっこいいということなんです。

主人公のラッキーはもちろんガンガン目立つキャラですが、他のメンバーも負けていない。それぞれに得意分野があり、飛行能力があったり透明になれたり、トリッキーな動きが得意だったり巨大化できたり・・・誰ひとり、欠けていいキャラなどいないのです。

それは精神的な面でも言えることで、例えばサソリオレンジはかつて復讐に燃える男でしたが、仲の悪かったオウシブラックによって大事な心を取り戻し、以後は相棒と呼び合う仲になります。他のメンバーも、それぞれがそれぞれ、はじめは相性悪くても、最終的には認め合い、大事な仲間として互いを想うようになります

ひとりひとりがスーパースター、全員そろってオールスター。
『キュウレンジャー』のキャッチコピーですが、まさにこれ、という感じ。


心にくるストーリー

私は特撮にあまり詳しくないので、主要レンジャーのひとりが(ロボットとはいえ)爆発してバラバラにされてしまったり主要レンジャーのひとりが敵の甘言にのってしまって闇落ちしたりするのが普通なのかよくわからないのですが、少なくとも『キュウレンジャー』ではそういうこと、ガンガンやります

子供のトラウマになるのでは・・・?とハラハラするような展開、結構ありました。特に、ひとりのレンジャーが爆発四散するところ。ロボットとはいえ、いやいや、完全に四肢もげとるやん・・・しかも味方をかばってそういうことになったので、かばわれた方はショックでまともに喋れない。画面の前の私もショックで口ぽかーん。

のちのち修復されて戻っては来ましたが、本当にびっくりしました。子供向け番組でそういうことするんだ?!と思って。

また、メンバーのひとり、ヘビツカイシルバーは、「争いを避けるために感情を捨てた種族」の生まれとあって、”心がない”というキャラクター。彼は、感情を手に入れたいと願い、生まれ故郷を抜けて、色々あってキュウレンジャーになりました。

そんな彼に、感情について説明する他のメンバーたちの言葉がとても良い。

誕生日を知らない、というと「誕生日ってのは、主役が嬉しくなるだけの日じゃない。祝う人間もすっげー嬉しい日なんだ。生まれてきてくれてありがとう、俺と出会ってくれてありがとう、ってな!」と説明してくれるラッキー。

命の危険がある作戦に対して、はじめて怖いと感じる彼に「おめでとう!凄い感情を手に入れたね」と明るい言葉をかけ、「怖がるっていうのは、今を失いたくないっていう感情なんだ。でも大丈夫、君は何も失わない。僕たちはずっと一緒だ!」と励ましてくれる、相棒のテンビンゴールド。

心とは、感情とはなんだろう、と考えさせられるキャラクターです。
役者さんの演技力もあいまって、彼が段々と感情を手にしていく過程が、たまりません。かっこいいぞ、ヘビツカイシルバー!


”究極の救世主”よ、永遠に

・・・と、まだまだ語りたいことは山ほどあるんですが、とりあえず「キャラクターがみんなかっこよくて、ストーリーが深くて、最高だよ!」ということで終わりにしておきます。

個人的には、時々はさまれるギャグ回と、本編的な重いストーリーの回が交互に繰り返される、ジェットコースターみたいなテンションの差も推したい点。
まるまる一回ただ野球するだけの回とかあるんですが、本当にオススメです。

人生で初めて特撮にハマった感想としては、「想像以上にヤバイ世界だった」・・・というところでしょうか。

以前にも触れたとおり、ショーは子供だましのレベルではないアクロバティックぶりでしたし、各キャラクター、特に人間じゃないロボットやアンドロイドなどのキャラクターの造形が素晴らしく、これは深い世界だ・・・とつくづく感じました。

また新たなレンジャーものが始まりますが、私の中で『宇宙戦隊キュウレンジャー』は永遠のコンテンツとして残りそう・・・いや、残したいです。

キュウレンジャー、本当にありがとう!
1年間おつかれさまでした!


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