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お祭り騒ぎ、血祭り騒ぎ

フォローしてくださる方が増えてきたのに、不穏な記事を書いちゃう。
いや、もちろん読みたい記事だけ選んで読んでいただければと思います。

以前、『美しい暴力』という題で、実は『サスペンス』『ホラー』『バイオレンス』『スプラッタ』系の映画が好き、と告白いたしました。

今回は、『スプラッタ』についてのお話です。

前回同様、「どういう理由であれ人の死は笑えない、架空でも無理、楽しむなんてもってのほか!」という方は、ここで読むのをやめることをおすすめします。グロテスクな内容に免疫のない方も読まない方が吉です。

「人が死ぬのを楽しむなんてどんな神経してんだ」「スプラッタなんてどうやったら楽めるんだ」という方は、是非このままお付き合いください。


とにかく死に方を工夫しろ!

私は、『スプラッタ』映画を、
痛みを重点的に描いたもの
”ブッ飛んだ”死に方を描きまくるもの
の2種類に分けて観ています。

そして、私はどちらかというと、後者の「ブッ飛んだ」方が好きです。

前者にもオイシイ点はあるのですが、今回は「ブッ飛んだ死に方を描きまくるスプラッタ」の魅力について語りたいと思います。

「ブッ飛んだ死に方」
先程から繰り返しているこの言葉、スプラッタ映画に馴染みのない方には、想像しづらいかと思います。なので具体例を挙げてみます。(※グロ注意!

サメの脅威についての番組を放送中の出演者4人が、空から降ってきて天井をつきやぶったサメ4匹に同時に食われて死亡。

昔、ピエロにいたずらをして死なせた悪ガキが、成長後、蘇ったピエロに腸を引きずり出されてバルーンアートをつくられた挙句、頭に空気を送られて風船のように破裂して死亡。

日焼けマシーンに入った女性が、持ち込み禁止の飲み物を机に置き、飲み物についた水滴が溜まって下に落ち、機械がショートして日焼けマシーンの温度がどんどん上がり、しかも女性がマシーンに入る前にCDをあさったせいで棚がゆるんでいて、それがとうとう壊れ、日焼けマシーンの蓋につっかえ棒のようにはさまり、焼け焦げてしまうという死のピタゴラスイッチ方式で死亡

・・・これ全部、実際の映画にあるんです。

つまり、ブッ飛んだ死に方とは、「あり得ない死に方」のことです。

ラストの日焼けマシーンでの死亡は、他のに比べると若干リアリティが感じられるかもしれませんが、「そんなピンポイントに悪いこと起こる!?」という入念なピタゴラスイッチ式のシステムで死ぬんです。
しかも立て続けに何人も、全員、ピタゴラスイッチの餌食。その死のバリエーションは、もはや発想の勝利といって良いレベル

監督は一体何を考えて生きてるんでしょうか。某少年探偵もびっくりのトリックです。

「喜劇」としてのスプラッタ

人の死というものは、どういった形であれ、喜ぶべきものではありませんし、推奨すべきものでもありません。少なくとも私はそう考えています。

ですが、スプラッタ映画というジャンルは、本来ならば悲しむべき「死」を、あえて「喜劇」に昇華させています

「こんな死に方、想像もしなかっただろ!」「どうだ、この派手な散り様!!」という監督のドヤ顔を思わず想像してしまう、とにかくハチャメチャな死
「絶対これ監督の趣味だろ」「この死に方撮りたいからこの映画作っただろ」とすら感じるほどのこだわった殺し方。

あまり痛そうじゃないところもポイントです。基本的には、気がついたらグシャッ。リアルに痛がる描写は少なめ。
恐怖を感じる死は、どちらかというとジャンルとしては「ホラー」になるかと思います。スプラッタはそうではなく、とにかくテンポよく死ぬ(殺す)のがモットーです。

「おもしろい映画が観たい?なら、素直に喜劇を見ればいいんじゃないの?」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。

ところがどっこい、そうではないのです。喜劇にはない面白さが、スプラッタにはあるんです。(※喜劇そのものを否定したいわけではないです)

スプラッタ映画のストーリーには、「モンスターが次々と主人公たちを襲う」「主人公たちが何らかの運命に巻き込まれて死ぬ」というものが多いです。

こうなると、主人公たちは何をするか。

彼らは、死を回避するためにもがくのです。

例えば、モンスターが不死身なら、そいつを封じる手段を探る。死の運命に巻き込まれたなら、それを回避すべく様々な文献を調べる。

つまり、「ブッ飛んだ死に方」という喜劇に、一瞬のミステリー要素が加わるのです。そこが、スプラッタ映画の魅力だと私は思います。

ただ殺戮するだけのグロテスクな映画だったら別に興味はありません。(よっぽど死に方が特殊ならちょっと気になりますけども・・・)

主人公たちが生き残れるのか、どういう対抗策を編み出すのか。そういうハラハラを楽しみたい!
そして、監督がいかに妙ちきりんな死を繰り広げてくるか、その悪趣味っぷりを見せてもらいたい!

そういった意味で、私は「スプラッタ」というジャンルを愛しています。


さいごに

「悪趣味だ」とお思いになられたでしょうか。はい。否定できません。

自分でも悪趣味という自覚はあります。少なくとも面接で言える趣味かというと微妙ですし。初対面で「血しぶきが出れば出るほど最高です!」とか言う人がいたら完全にヤバイ認定されちゃいますし。

ですが、「なるほど、そういう楽しみ方もあるのね」と思っていただけるだけで、十分嬉しいです。

でもやっぱり気分悪くなったわ、という方には、おわびに純粋な喜劇として『ミセス・ダウト』『マスク』をご紹介しておきます。どちらも名作コメディです。

「グロそうだし、痛そうだから」とファン以外には敬遠されがちなスプラッタ映画ですが、意外とそんなにグロくもなくて、普通に楽しめる作品もあります。

とりあえず、上記に述べた例の中から作品を紹介しておきます。

『ファイナル・デッドコースター』:「ファイナル・デスティネーションシリーズ」と呼ばれるシリーズの中の作品のひとつ。死のピタゴラスイッチを楽しめます。少々痛そうな描写もあるので注意。

『道化死てるぜ!(どうかしてるぜ!)』:原題はStitches(つぎはぎ?)なのですが、邦題のセンスがキマってます。タイトル通り、ピエロがあらゆる面白手段で残酷に悪ガキ(成長後)を殺して復讐する作品。個人的にスプラッタの中ではかなりのオススメ映画。

『シャークネード:カテゴリー2』:正確なジャンルはスプラッタではないかもしれませんが、「ブッ飛んだ死に方」の例で書いたので貼っておきます(4人が同時にサメに食われるシーンは多分3作目ですが、一番おすすめなのがこのカテゴリー2)。最高に笑えるZ級おバカ映画です。テンポよくサメに食われる人々の生き様(死に様)を楽しみましょう。


この記事で、少しでも『スプラッタ』というジャンルに興味を抱いていただければ幸いです。次はどういう映画のジャンルについて語ろうかしら。

ここまでお付き合いくださって、誠にありがとうございました!

サポートしていただけると心身ともにうるおいます(主にご飯代にさせていただきます)。ここまで読んでくださってありがとうございました!