みなさんは、転売についてどう思われますか？

私の周囲（特にオタク界隈）では、「転売ヤー（転売をする人のこと）殺すべし、慈悲はない」という意見が多く見受けられます。（元ネタ：ニンジャスレイヤー）

私自身は、直接的にイヤな思いをしたことはない、と思います。
今まで大体、適正価格で欲しいものを手に入れて、手に入らなかったら諦める、という感じで過ごしていたので。

しかし、友人が「行きたいのに手に入らなかったチケットをオークションで見つけたら、本来の値段の１０倍以上の値段になってた」「限定グッズが欲しかったのに、すぐ売り切れて、そのあとオークションで大量に高く売られてた」といった被害にあっているのを見て、「転売ヤーって最低だな」と感じるようになっていきました。

周囲が転売ヤーのせいで悲しい目にあっているのを目にしていくうちに、「転売ヤー✕すべし、慈悲はない」思想に染まっていったわけです。

転売ヤーを食い止めよう

最近、オタク会話用のTwitterアカウントで、「転売ヤーの活動をつぶすため、転売商品を絶対に買わない、見つけ次第通報する」という、不買運動を促すようなツイートがよくまわってきます。

なるほど確かに、転売ヤーに良い思いをさせないためには、転売ヤーから買わない、というのは筋が通っている。オタク達の「転売ヤー殺すべし精神」がひしひし伝わってきます。

そして、売り手側の「転売ができなくなるようにしよう」という試みも、最近ようやく活発になってきたように感じます。
例えば、グッズを完全受注生産にして、欲しい人すべてに行き渡るようにしたり、オークションに出されたチケットの番号を劇場側がひかえておいて、その番号の人の入場を拒否したり。

欲しい人が正規の値段で、きちんとモノを買える。

それこそが、理想の世界というか、あるべき状態だと思います。

ですが、そうも行かないのが現実。

任天堂switchほしい！

今や希望小売価格で手に入れるのが非常に困難なゲーム機、任天堂switch。

本来ならば33000円ほどで買えるものが、Amazonなどで見ると大体45000円前後にあがっています。

ところで、現在、私は同居人と二人暮らしをしています。
お互いゲームが好きなので、「switchほしいよね」と、近所の家電屋で予約し、元の希望小売価格で無事に購入しました。

しかし、スプラトゥーン２発売後、「switchがもう一台ないと一緒にスプラトゥーンできない」ということに気づき、近所のショップに売られていないか探しました。

しかし、見つからず。それどころか予約すら受け付けていない状態。

ところがAmazonで探すと、あるある、めっちゃ売られている。
ただし、元の値段よりも１万ほど高く。

同居人は「ちょっと高いけど買えるんだね」と言いました。
しかし私は、購入を拒否しました。

転売ヤー✕すべし精神のオタクとしては、これに手を出したらアカンのです。でも、任天堂の公式情報を見ても、いつ、どのくらい売ってくれるのかよくわからない。少なくとも１ヶ月は先になりそう・・・。

私は悩みました。結構マジで悩みました。
結局、１週間と少し迷った末、希望小売価格ではないものを、購入しました。

「１ヶ月待つ」のをお金で解決したわけです。
無職のくせに！意志薄弱かよ！といった罵倒はもう自分で散々したので勘弁してやってください。意志薄弱かよ！！！

買ってしまった３つの理由

不買運動を貫いている方々に「転売ヤーから買ったswitchで遊ぶゲームは楽しいか？」と聞かれたら、「はい、すみません、普通に楽しいです」と答えざるを得ないです。正直なところ。ほんとすみません。

一応、「あ〜、ついに不買運動を破ってしまったんだな〜」という懺悔というか反省の念は、あります。

ですが、
①ものすごく欲しかった
②買える範囲の値段だった（ゲームとセットのは少し安めでした）
③正規の値段で買える時期の目処がわからなかった

という３点が、結局決め手となってしまいました。

吊り上げ価格？それとも相場？

これは、自分が転売ヤーからモノを買ったことに対する言い訳のようになってしまうのですが、希望小売価格というのは、あくまでメーカーの「このくらいで売って欲しい」という値段であり、実際の値段は売る人に任されているわけです。

となると、ある意味、希望小売価格＋１万円ほどで売られているswitchの値段は、需要に見合った相場ともとれます。

もちろん、大手電化製品取り扱いメーカー（いわゆるビックカメラなど）さんが、抽選制や予約制をとって、希望小売価格で販売するよう努力してくれているのはわかります。

ですが、抽選でならぶこと、遠出して大きなお店に行くことなどを考えると、上乗せされた金額は手間賃みたいなものだと感じてしまいます。

そうなると、「転売ヤーからは絶対買わない！」という意志が、ぐんにゃりしてしまいました。

人間の心理、転売というビジネス

結局、不買運動を貫ききれなかった自分が言うのもアレなのですが、あくまで私は、「欲しい人が正規の値段で、きちんとモノを買える」状態を目指すべきだと思っています。

しかし、転売に関して、全てが完全に悪か？と考えると、わからないことがあります。

例えば、凍るような寒さの中、早朝に並んで、買って、需要が高まったところで高く売る。こうなると、もはや労働に近いものを感じます。（正しいか正しくないかは別として）

もしくは、死ぬほど頑張って並んで買ったチケットが、当日になって、行けなくなって、誰かに譲るしかなくなった。でも死ぬほど頑張って並んだ苦労を考えると、そのぶん少し、高く売りたい。

まあ、真のオタクなら「空席を作ることこそ罪！！」みたいな感じで定価で譲るかもしれませんが、人間の心理としては、「苦労したんだから報酬を得たい」というのは、わりと自然な発想なのかな、と思います。

転売は不滅なり？

とはいえ、転売は、やはり許される行為ではないでしょう。

人の足元を見て値段を吊り上げ、本当に欲しい人のところへモノを行き渡らなくする行為は、悪です。転売ヤーがこの世からいなければ、私も安く２台目のswitchを手に入れられたわけですし。

ですが、熱狂的なファンの「いくら払ってでも欲しい」という心理、需要と供給の関係、モノを売る際のシステムそのものなど、様々な部分が変わらないと、転売という行為は一種のビジネスとして成り立ち続けることになるのではないかなあ、と思います。

個人的には、チケット転売系が一番 許せないです。
チケット買い占めで空席できたらどないすんじゃあ！！とは思いつつ、空席を作らないために買ってしまうと転売ヤーの思う壺という・・・本当にチケット関係はどうにかしてくれ頼む・・・

欲に負けてもやっぱり転売ヤーは憎い、泥水でした。