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きんまめ。海割り損のくたびれモーゼ。旅とジャグリングの雑誌PONTE。http://j…

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きんまめ。海割り損のくたびれモーゼ。旅とジャグリングの雑誌PONTE。http://jugglingponte.com/ BOOTHにてZINE版デビステのてんぷら販売中 https://kinzokumame.booth.pm/

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  • 週刊PONTE掲載分

    旅とジャグリングの雑誌:PONTE のメルマガ「週刊PONTE」にて連載中の「デビステのてんぷら」の盛り合わせです。加筆修正は若干。最新号の1週間遅れでUPしています。 https://jugglingponte.com/category/weekly/ 1~5本目はメルマガではなく、よりボリューミーに紙版本家PONTEに載っています。ストアではもうほとんど絶版だと思うので、読みたい人はメルカリで探してください。 0本目は連載ではなく単発寄稿で元祖Web版PONTEに掲載されています。こちらは無料で見れますが、サイトが刷新されたドサクサでアクセスルートがなくなっている気配濃厚。メルカリにもないと思います。

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きんまめ ジャグリングサークルジャグてっく元部長。くらいしか経歴がない。デビルスティックをやっていました。今は週刊PONTEで「デビステのてんぷら」を連載しています。好きなジャグラーは特にいません。 ------ 「旅とジャグリングの雑誌:PONTE」は、2014年に青木直哉氏が「なにか書きたい」という謎のモチベーションだけで始めた、日本でも貴重なジャグリングをテーマとした雑誌である。pdf版、紙版の現物冊子の発行、メルマガ「週刊PONTE」と、姿カタチを変えながらもしぶと

    • 63本目 小説の中の大道芸人

      デビステのてんぷら 63本目 (週刊PONTE vol.64, 2020.2.3) 戯れに小説を書くのに加えて、近頃落ち着いていた読む熱の方もぶり返してきて、合わせ技で時間がなくなってしまった。ので、週刊PONTEの方の連載ペースを落とそうと思う。月イチくらいに。 先週、小説すばるの2月号の表紙が大道芸人のイラストだったという話をしたが、最近読んだ木下古栗(きのしたふるくり)の「金を払うから素手で殴らせてくれないか?」という不穏なタイトルの小説にも、奇遇なことに大道芸人が

      • 62本目 コーヒードロップ

        デビステのてんぷら 62本目 (週刊PONTE vol.63, 2020.1.27) ジャグリングをメディアとかで見かけると、とりあえず嬉しくなってしまうのがマイナージャンル関係者である我々の悲しき性なのである。 ドラマの脇役に大道芸人が出てたとか、CMに5ボールやってる人が見切れたとか、小説の題材にジャグリングが扱われていたとか。 今回私が見つけたのは、1枚のイラストである。 絵本作家でイラストレーターのヨシタケシンスケ氏が、雑誌"小説すばる"の表紙で"めずらしいお仕事

        • 61本目 e電子組換えてんぷら

          デビステのてんぷら 61本目 (週刊PONTE vol.62, 2020.1.20) 電子書籍化してみた。私の読書スタイルの話である。今までは、本は紙!ページをめくることこそが読書の醍醐味!キンドルでケツが拭けるか!みたいに過激唯物論的思想を崩していなかったのだが、ついに観念した。金輪際の方針として、電子書籍で入手可能な本は電子書籍で買うことにしたのである。 物理的理由は、引っ越しして家が狭くなったこと。 貧乏性なので、ジャケ買いして読んだけど面白くなかった本とか誤って2

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        • 週刊PONTE掲載分
          57本

        記事

          60本目 幻想の文学賞

          デビステのてんぷら 60本目 (週刊PONTE vol.61, 2020.1.13) 先月からずっと応募作品を書いていた。今回で30回目の開催となる「ゆきのまち幻想文学賞」は、原稿用紙10枚以内という限られた分量で、テーマを雪に絞った作品のみが集まる尖った地方文学賞である。人気のある賞らしく、前に賞を頂いた明石市文芸祭に比べると、その応募総数は10倍以上。リピーターも多い、と書いてあった。文学賞の形容で、リピーターが多い、ってのも不思議な気もするが。 実は、この賞を主催し

          60本目 幻想の文学賞

          59本目 マヌーサの首飾り

          デビステのてんぷら 59本目 (週刊PONTE vol.60, 2020.1.6) 新居のスイッチがハチャメチャでぶっ飛び使いにくいという話ばかりしていたら、驚くことに2020年になっていた。あまりにも早すぎてミニオンのイタズラかと思ったが、どうやら太陽暦通りらしいので受け入れるしかない。 新年になっても家の話ばかりしていてもしょうがない。デビステのてんぷらも心機一転切り替えていこうとは思うが、我が家のスイッチのように期待はしないほうがいい。 さて、年末は家を飛び出し、

          59本目 マヌーサの首飾り

          58本目 チグハグスイッチ

          デビステのてんぷら 58本目 (週刊PONTE vol.59, 2019.12.30) 前回新居の洗面所の電気系統がクレイジー設計になっていることをお話しした。実は、換気扇も一癖ある。 トイレと風呂場にそれぞれ換気扇が付いている。おかしなことはない。 風呂場には風呂場の電気のスイッチと並んで換気扇のスイッチが付いている。ONとOFFがひと目でわかる赤いランプが内蔵されているスイッチだ。別によくあること。 もちろんトイレにおいても、電気のスイッチの上に換気扇のスイッチが付い

          58本目 チグハグスイッチ

          57本目 ANDo Tadao

          デビステのてんぷら 57本目 (週刊PONTE vol.58, 2019.12.23) 拙稿を読み返していると、JJF直前の週まで自分の住まいの話をしていた。壁が薄いだの隣人がどうのだの西日がなんたらだの。ここは旅とジャグリングの雑誌。自宅なんていわば旅の対極の存在である。しかし、自宅至上主義の身としては、自宅のソファーよりも気が休まる椅子はないし、畳より寝心地が原っぱなんてのもない。 そう、畳なのである。 3ヶ月ほど前に念願の畳がある家に引っ越しをした(ちなみに引っ越

          57本目 ANDo Tadao

          56本目 50

          デビステのてんぷら 56本目 (週刊PONTE vol.57, 2019.12.16) https://jugglingponte.com/2018/12/17/ponte-weekly-vol6/ およそ1年前、2018年12月17日配信の週刊PONTE vol.6で、メルマガ版の当連載が始まった。週刊というペースで連載していくのにビビっていた当時の筆者は、第一回の記事の中で「不定期掲載という形で~」とか言って予防線を張っている。フタを開けてみれば、2回の休載を除き、週

          56本目 50

          55本目 戸惑いマーキュリー

          デビステのてんぷら 55本目 (週刊PONTE vol.56, 2019.12.9) 少し前の話、嫁の会社の先輩の結婚式に招かれた 新郎新婦のお二人は、車と運転経験がない私たちをコストコに連れて行ってくれたり、先日の小説の授賞式にも来てくれたり、夫婦ぐるみで仲良くしてくれている もちろん私が昔ジャグリングをやっていたことはバレているので、余興を頼まれた 嫁(非ジャグラー)とのチームパフォーマンスであり、あれこれ考えた結果こんな具合になった 嫁:「この度はご結婚おめでとうご

          55本目 戸惑いマーキュリー

          【小説】窃盗と5の高さ

           風とオレンジの町と言われていた。カラリと暑い日に、薄っすらと汗ばんだ肌を撫でていく風が通り抜けると、この町の人たちは「オレンジが磨かれている」と言って目を細める。目を細めるのには2つの理由がある。1つは風に舞う砂ぼこりから目を守るため。もう1つは、貧しい者の粗末な姿を視界に入れないためである。  市場が一番活気づく時間帯。少年はボロ切れ一枚と砂ぼこりをまとって、オレンジ売りの店先を伺っていた。  ゴミ箱の中にろくな残飯がなくて腹が減った時、少年は市場のオレンジを盗む。別に

          【小説】窃盗と5の高さ

          54本目 綾鷹お茶を濁さず

          デビステのてんぷら 54本目 (週刊PONTE vol.55, 2019.12.2 ) 副業が一番の佳境を迎えておりまして、今回のてんぷらは少量ですが、許して頂きたく存じます。 副業って何かって、小説の公募である。このメルマガが配信される頃には脱稿している(はず)。現在、字数上限より100字くらいオーバーしてる状態で、何回も読み直しながら文末や表現を少しずつ削っている作業中。美容師が、仕上げのちっちゃいハサミでチョイチョイっと毛先をついばむような作業である。これがまた楽し

          54本目 綾鷹お茶を濁さず

          【小説】1500W40秒

           入社に際して新調したスーツは、日々の怒声と疲労を吸ってあっという間にくたびれてしまった。晩飯を作る気にもなれず、男は無造作に手に取った豚焼肉弁当をレジに持っていき、金額も見ずに千円札を抜き出す。 「温めますか?」  密閉性に長けたイヤホンの隙間をすり抜け、その声は男の耳朶を打った。うずまき管がギョッとした拍子に前を見やると、女性店員の顔にはキョトンと書いてある。キョトンと太字のポップ体で書いてある。 「いや、あ、えーと、是非お願いします」  咄嗟に答えてしまった。部

          【小説】1500W40秒

          53本目 刺激、還暦

          デビステのてんぷら 53本目 (週刊PONTE vol.54, 2019.11.25) 先日ご報告しました、明石市の文芸祭の表彰式に出向いた。仕事でもあまり着ないスーツで出向いた。 (短編)小説部門の他に随筆、児童文学、詩、短歌、俳句、川柳とそれぞれの受賞者がホールに集まって来るのだが、露骨に年齢が高い。感覚的には60歳くらいが平均なんじゃないかと思う。地方自治体の文芸祭、〇〇市文学賞なんて、往々にして地元のおじいちゃんおばあちゃんが応募のメイン層なのだから当然の帰結なので

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          52本目 誤字までまって

          デビステのてんぷら 52本目 (週刊PONTE vol.53, 2019.11.18) 先週の週刊PONTEの編集後記で、青木氏曰く。 -じんさんが寄稿してくださっている旅の話、考えてみたら、「旅とジャグリングの雑誌」というテーマにぴったりですね。そして、今これを書いていて気が付いたんですが、ずーっと下の発行者のところが「書く」のままでした。訂正しました。こういうのもちゃんとやらないとなあ。 これだけではない。同じく編集後記で、Juggle PackがJuggler P

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          51本目 おさるの上梓

          デビステのてんぷら 51本目 (週刊PONTE vol.52, 2019.11.11) コペルニクス的転落  ジャグラーという人たちは誰よりもたくさんボールを投げてはキャッチしてきた人たちである。しかしその裏では、誰よりもたくさんのボールを落としてきた人たちでもある。トスの数だけドロップがあり、ドロップの数だけ上手くなる。有名なJ POPでも、涙のドロップの数だけ強くなれるよと歌っている。アスファルトにも花は咲くけれど、そんな硬いところで練習してると道具が痛む。 お待たせ

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