Back to the Fushoji

 休憩を挟むとのことなので、デビルvsデビステとかいう毒にも薬にもならない話は一旦脇に置く。どうだろう。あらすじを書いておいて話さないとは斬新な流れではなかろうか。

 ここ最近の話、市井の人の口の端に上り、数多のメディアが特集している。先を見て波乱を予見する者もいれば、来た道の波乱を懐かしむ者もいる。そう、平成は終わろうとしている。平成の時代に生を受け、平成とともに歩んできた筆者としても、人並みに、なみなみと込み上げるものがある。

 平成は良かったと万人は口を揃えるが、筆者も記憶を繰りながらやはりそう感じてしまう。後ろを振り返った先に見えるものは、幸不幸の水準に関わらずかくも寂しげに楽しげなのである。サークル時代の先輩がwebの自己紹介ページに書いていた。「懐かしさは価値」だと。先輩もどこかから引用したのかもしれないが、この言葉は年経る毎に膨らむばかりなのである。

 こうして後ろを振り返ると、ゴジラvsメカゴジラ、ポケビvsブラビ、なんかを思い出してしまう。思い出してしまうと、デビルvsデビステとか別にどっちでもよくなる。なんならデビルvsメカキングデビルとかの方が観たい気持ちになる。ゲームもvs構造に彩られ、赤vs緑、カブトvsクワガタ、過去編vs未来編、バンジョーvsカズーイと枚挙し尽くし難い。

 赤vs緑どころかもっとたくさんの色がイッキにvsした結果、ポリゴンショックでテレ東が謝罪したりした。ゴッドハンド藤村氏は捏造の歴史的発見を掘り当てて謝罪したりした。灰皿テキーラ海老蔵氏は伊藤リオン氏とvsして謝罪したりした。そんな時代の記憶も、今となっては価値なのである。

 反対に謝罪をしなかった代表として名高いのは、スノボの國母氏。彼は、wikiを見る限りめっちゃいい奴だったりする。ささやき女将は現代のマイクの集音能力を甘く見たしっぺ返しを喰らった。ミートホープの社長は加工肉の品質を落としまくった。挙げ句「安いモノを選ぶ消費者も悪い」と、良く言えば一般庶民の価値観に一石を投じたが、むしろ石を投げられることになった。回想してやはり思うのは、謝罪を蔑ろにしたパターンの方が我々の記憶に残っているものなのである。ささやき女将なんて今なおネタにされているが、灰皿テキーラの謝罪会見なんて全く覚えてない。別に、頭の中が真っ白になっているわけでもないのに。

 人間の歴史は謝罪の歴史。悪事のない世界はない。悪事あるところに謝罪はあり、謝罪なき悪事こそ、容赦なき断罪の餌食なのである。

 つまり何が言いたいかというと、この謝罪の時代に便乗して、筆者も皆様に謝らなければいけないことがあるのである。誠に申し訳ないことである。このように不特定少数の読者の目に触れる文章を書いていながら、その中に不適当な記述がありました。己の認識の甘さ、迂闊、書き手としての責任感が欠如、マジで遺憾です。

 週刊Ponteの拙連載デビステのてんぷら7本目(メルマガ第1回)の第2段落の書き出しに、
「第2第4月曜、ツキ1、隔月、季刊、年刊と指数関数的に発行間隔が延びていったPonte」
という一文がある。本家Ponteを軽くdisっている。すまない編集長、コレは言い過ぎた。というか指数関数を舐めていた、理系なのに。下図を見ていただきたい。

Fig.1 Ponte発売日に対する発売間隔のプロット

 Fig.1は、これまでの本家Ponteの発売日に対し、その1つ前の号の発売日からの経過日数をプロットしたものである。このデータはweb時代のものも含んでおり、また一部発売日を追えなかった号に関しては推測点を打っている。これらのプロットは右肩上がりの傾向が見られ、つまり発刊がどんどん延びていっている様がグラフからも明らかになっている。

 しかし、同グラフに指数近似曲線を破線にて示しているのだが、おわかりのように、これがもう全然合わないのである。R2値で0.75と、大分しょっぱい。すなわち、『指数関数的に』発行間隔が延びたという表現は、全く事実無根の虚偽記載なのだ。この場を借りて謝罪させていただきたい。

 調子に乗って、誠に申し訳ありませんでした。

 謝りついでもう一謝罪。デビルvsデビステの話は横に置いたまま次回も休憩が続きます。一応「書くジャグリングの雑誌」なんですがね。これを書いていたときは頭の中が真っ白だったし、こういうので笑う読者も悪いと思うし、(舌打ちして)反省してま〜す、って感じです。

(10本目に続く)

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